(続)コラッツ予想解明への新解析手法の紹介6ー問題の意味が小学生でもわかる高額懸賞金数学歴史的未解決問題
「コラッツ予想解明への新解析手法の紹介」は「第1章 新手法の紹介の前に」からご覧ください。
新手法要約動画 ←クリック
「(続)コラッツ予想解明への新解析手法の紹介」では第C1章からご覧ください。
第C1章には(続)新解析手法の各C・章へのリンクが貼ってあります。
第C4章 コラッツ予想のループについての考察
セクションC4.3で以下の命題を紹介しました。
命題A:
3S+1変換における可算無限個のCSプロット点を通る1価連続関数
$${\bf u_{cs}(x)}$$を定めることができ、
3S-1変換における可算無限個のCSプロット点を通る1価連続関数
$${\bf d_{cs}(x)}$$を定めることができる。
命題Aは正であるとして、説明を進めていきます。
C4.4 シャルコフスキーの定理
定理の紹介の前に、図C4-5のように自然数の順序付けを
決めます(シャルコフスキー順序)。9は5より右にある、10は7より右にある、8は1より左にある、という見方をします。
シャルコフスキーの定理:
$${\bf f}$$は区間上の連続写像で、p周期軌道を持つとする。qを順序付けのpより右にある自然数とすると$${\bf f}$$はq周期軌道を持つ。
シャルコフスキーの定理は1次元連続写像に関する定理です。そのため可算無限個のCSプロット点を通る1価連続関数$${u_{cs}(x)}$$(3S+1変換)、$${d_{cs}(x)}$$(3S-1変換)を定義する必要があったわけです。
定理が示す特徴を以下に示します。
・8周期軌道の存在($${f^{8}(x)=x}$$)から4周期軌道と2周期軌道と不動点($${f(x)=x}$$)がそれぞれ少なくとも1つ存在することが導かれる。
・2のべき乗でない周期の周期軌道の存在は、2のべき乗の全ての周期の周期軌道の存在を導く。
・有限個の周期点しか持たないのであれば、それらはみな2のべき乗の周期を持つ。
・3は順序付けの中で最も小さい自然数なので、3周期軌道の存在は他の全ての周期の存在を導く。
・例えば周期7を持てばそれより右の全ての周期を持つが、3周期や5周期をもつとは限らない。
などです。
C4.5 コラッツ予想のループについての考察
(1)条件
以下の条件を用いて、
「3S+1変換では(1以外の)ループは存在せず、3S-1変換ではループは存在してもよい」
について考察します。
1. 命題Aは正である。
2. シャルコフスキーの定理
3. 3S+1変換においては、可算無限個のCSプロット点を通る1価連
続関数$${u_{cs}(x)}$$を使用する。$${u_{cs}(x)}$$を使用しても、
CSプロット点の行先は必ずCSプロット点へ移る。
(CSプロット点の行先は必ずCSプロット点へ移ることは、CSプ
ロット点のそもそもの定義、ローレンツプロットになっていることか
ら自明です)
4. 3S-1変換においては、可算無限個のCSプロット点を通る1価値
連続関$${d_{cs}(x)}$$を使用する。$${d_{cs}(x)}$$を使用しても、
CSプロット点の行先は必ずCSプロット点へ移る。
5. x軸上の可算無限個の最終点は考慮しなくてよい(自明)。
6. $${u_{cs}(x)}$$上の可算無限個のCSプロット点はCS直線より必ず
上にある、$${d_{cs}(x)}$$上の可算無限個のCSプロット点はCS直線
より必ず下にある。
CS直線式を再度示しておきます。
CS直線式:
$$
\begin{array}{}
&(c4.1)& & f_{c}(x)=\cfrac{3}{2}x+\cfrac{1}{2}& &(0\le x <1/3)& \\\
\\\
&(c4.2)& & f_{s}(x)=\cfrac{3}{4}x-\cfrac{1}{4}& &(1/3 \le x <1)
\end{array}
$$
1.から6.を考慮すれば
「3S+1変換ではループは存在せず、3S-1変換ではループは存在してもよい」
は証明できます。
最初に3S+1変換と3S-1変換に共通な式を導出しています。その後に2種変換で場合分けしています。3S-1変換の場合も導き、3S+1変換の場合とは逆の結果が得られているため、本記事のコラッツ予想のループに関する論法が正である後押しとなっています。
証明は区切り線で区切られた変数・定義語・関数の後に、(2)内で2変換に共通な式も導いています。
見出しが、証明ではなく、考察となっているのは、命題Aが正であるとしているからです。正であるならば、3S+1変換では(1以外の)ループは存在しないことが言えます。また、80年以上未解決の問題に、半分が証明できた等とは控えたいです。それ故以下証明は抜け道もある可能性もあることをご了解ください。その場合は完璧な証明に仕上げてくだされば幸いです。
命題Aの関数は導出法から自明だと考えています。
量子力学の構築時代にデラックのδ-関数(原点で∞、それ以外で0となる関数)なるものが出て、当時研究されたそうです。可算無限個とか連続は大学初期課程の内容ですので、命題Aの関数は自明でなければ、数学科の卒論、修論のテーマとしても面白いのではないでしょうか。
新手法第1章から第8章および(続)新手法第C4章(後半)
までの変数・定義語・関数
$${N}$$、$${No}$$、総ステップ数、ステップ番号、
CS振動、C変換、CSプロット、CS直線式、3C+1変換、
3S+1変換、S変換、(一般)コラッツ空間、CS空間、tツリー、
ローレンツプロット、周期軌道、周期点、不動点、究極的な周期点、クモの巣図法、CS交互変換プロット、不動点$${\left(\cfrac{1}{3},0\right)}$$、
CS写像、最終点、最終到達点、3Cー1変換、3Sー1変換、
Cグループ、Sグループ、a点、b点、c点、d点、
シャルコフスキーの定理、シャルコフスキー順序
距離$${D}$$、$${c(N)}$$、
$${6t+5}$$型、$${6t+1}$$型、$${4t+3}$$型、$${8t+1}$$型、など
$${z_{s}}$$、$${f_{c}(x)}$$、$${f_{s}(x)}$$、$${Nc}$$、$${Ns}$$、$${Nv}$$、$${Nw}$$、$${m_{o}}$$、$${m_{c}}$$、$${m_{s}}$$、$${t_{c}}$$、$${t_{s}}$$、$${t}$$、$${Mo}$$、$${cs(mo)}$$、$${s(Mo)}$$、$${f}$$、$${g}$$
$${\epsilon_b}$$、$${\epsilon_c}$$、$${b_{\epsilon}}$$点、$${ c_{\epsilon}}$$点、
$${u_{cs}(x)}$$、$${u_{c}(x) (x<1/3)}$$、$${u_{s}(x) (x\ge 1/3)}$$、
$${d_{cs}(x)}$$、$${d_{c}(x) (x<1/3)}$$、$${d_{s}(x) (x\ge 1/3)}$$
(2)3S+1変換の場合:
ここから先は
¥ 1,500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?