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(続)コラッツ予想解明への新解析手法の紹介2ー問題の意味が小学生でもわかる高額懸賞金数学歴史的未解決問題


 

 「コラッツ予想解明への新解析手法の紹介」は「第1章 新手法の紹介の前に」からご覧ください。

 また第1章には新解析手法の各章へのリンクが貼ってあります。

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(続)コラッツ予想解明への新解析手法の紹介」では第C1章からご覧ください。
 第C1章には(続)新解析手法の各C・章へのリンクが貼ってあります。

第C2章 3S-1変換における奇数の分類&言えますか? 

 
 第C1章で、なぜ3S-1変換を考えるのか、それはコラッツ予想の論法の是非の手助けになるから、と述べました。3S+1変換での論法が3S-1変換でもそのまま成り立つのであれば、、その論法は誤りということになります。

 今回の進展も3S-1変換と対比して述べていきます。

 また第C1章、第C2章は独立しており、今回の進展と切り離してもコラッツ予想の論法の是非に使えます。活用してみてください。

 C2.1 奇数の分類(Nv型とNw型)

 3C-1変換および3S-1変換の場合の奇数の分類方法は新手法第3章3C+1変換および3S+1変換の場合と同様です。

 正奇数$${No}$$は3C-1変換により偶数となりますが、偶数は正奇数$${m_{o}}$$と2のべき乗、$${2^{n}}$$の積として表すことができます。$${n}$$は正整数。

     $${(c2.1)          3No-1=m_{o} \cdot 2^n }$$

 合同式は高校数学では習いませんが、この記事では以下で十分です。
 $${m_{o}}$$において、3で割って2余る数であれば$${m_{v}}$$とおき、
$${m_{v}\equiv 2 (mod 3)}$$、または略して、$${m_{v}\equiv 2}$$と表すことにします。
 $${m_{o}}$$において、3で割って1余る数であれば$${m_{w}}$$とおき、
$${m_{w}\equiv 1 (mod 3)}$$、または略して、$${m_{w}\equiv 1}$$と表すことにします。
 また、
$${1\cdot 1\equiv 1  2\cdot 2\equiv 1  2\cdot 1 \equiv 2  1\cdot 2\equiv 2 }$$ 
$${p}$$を正整数として、$${2^{2p} \equiv 1}$$、$${2^{2p-1} \equiv 2}$$

 (c2.1)で$${3No-1 \equiv 2}$$なので、右辺は$${2\cdot 1}$$か$${1\cdot 2}$$の組み合わせしかありません。$${m_{o}}$$は3の倍数にはなりえません。
 $${m_{v}}$$、$${m_{w}}$$に応じて$${No}$$を$${Nv}$$、$${Nw}$$に分類し

     $${(c2.2)          3Nv-1=m_{v} \cdot 2^{2p} }$$
     $${(c2.3)          3Nw-1=m_{w} \cdot 2^{2p-1}}$$

 また、$${m_{v}(\equiv 2)}$$、$${m_{w}(\equiv 1)}$$は、0以上の整数$${t_{v}}$$、$${t_{w}}$$を用いて

     $${(c2.4)          m_{v}=6t_{v}+5}$$
     $${(c2.5)          m_{w}=6t_{w}+1}$$

とおきます。(c2.4)、(c2.5)をそれぞれ(c2.2)、(c2.3)に代入して、

     $${(c2.6)          3Nv-1=(6t_{v}+5) \cdot 2^{2p} }$$
     $${(c2.7)          3Nw-1=(6t_{w}+1) \cdot 2^{2p-1}}$$

 $${Nv}$$、$${Nw}$$について整理して

     $${(c2.8)          Nv(t_{v},p)=t_{v}2^{2p+1}+\cfrac{5 \cdot 2^{2p}+1}{3}}$$

     $${(c2.9)          Nw(t_{w},p)=t_{w}2^{2p}+\cfrac{2^{2p-1}+1}{3}}$$

 正奇数$${No}$$を$${(t,p)}$$をパラメータとした2種の奇数$${Nv}$$型と$${Nw}$$型に分類できました($${t_{v}}$$、$${t_{w}}$$は0以上の整数で単に$${t}$$とおくこともあります)。

 新手法第3章で紹介した3C+1変換および3S+1変換の場合の奇数の分類は以下の通りでした。

     $${(c2.10)          Nc(t_{c},p)=t_{c}2^{2p}+\cfrac{5 \cdot 2^{2p}-2}{6}}$$   

     $${(c2.11)          Ns(t_{s},p)=t_{s}2^{2p+1}+\cfrac{2^{2p}-1}{3}}$$

 以下、 (c2.12), (c2.13) は補足です。

 (c2.9)と(c2.10)の$${p}$$のみの項を足すと

     $${(c2.12)         \cfrac{2^{2p-1}+1}{3}+\cfrac{5 \cdot 2^{2p}-2}{6}=2^{2p}}$$

 (c2.8)と(c2.11)の$${p}$$のみの項を足すと

     $${(c2.13)         \cfrac{5 \cdot 2^{2p}+1}{3}+\cfrac{2^{2p}-1}{3}=2^{2p+1}}$$

 共に2のべき乗項のみとなります。


 C2.2 Nv型とNw型の特性

 (c2.8)、(c2.9)で$${p=4}$$まで表してみると

    $${(c2.14)          Nv=8t_v+7,\ 32t_v+27, \ 128t_v+107, \ 512t_v+427, \cdots}$$
    $${(c2.15)          Nw=4t_w+1,\ 16t_w+3, \ 64t_w+11, \ 256t_w+43, \cdots}$$

 右辺の各要素は添え字を省略して、$${4t+1}$$型、$${16t+3}$$型、$${8t+7}$$型、等とよぶこともあります。

 また、(c2.10)、(c2.11)で$${p=4}$$まで表してみると

    $${(c2.16)          Nc=4t_c+3,\ 16t_c+13, \ 64t_c+53, \ 256t_c+213, \cdots}$$
    $${(c2.17)          Ns=8t_s+1,\ 32t_s+5, \ 128t_s+21, \ 512t_s+85, \cdots}$$

 具体例として、(c2.12)、(c2.13)を確かめることができます。 


 (c2.6)、(c2.7)から、(c2.14)、(c2.15)は
   $${Nv}$$は1ステップで$${6t_{v}+5}$$に到達する奇数列、
   $${Nw}$$は1ステップで$${6t_{w}+1}$$に到達する奇数列です。

 正奇数$${mo}$$に1ステップで到達する奇数列を$${\bm{cs(mo)}}$$とおくことにします。(c2.14)、(c2.15)は

$${(c2.18)          cs(6t_v+5)=\{8t_v+7,\ 32t_v+27, \ 128t_v+107, \ 512t_v+427, \cdots\}}$$
$${(c2.19)          cs(6t_w+1)=\{4t_w+1,\ 16t_w+3, \ 64t_w+11, \ 256t_w+43, \cdots\}}$$

 (c2.18)、(c2.19)の簡単な例として$${t_{v}=t_{w}=0}$$とおいてみると
     $${(c2.20)       cs(5)=\{7,\ 27, \ 107, \ 427, \cdots\}}$$
     $${(c2.21)       cs(1)=\{1,\ 3, \ 11, \ 43, \cdots\}}$$
1ステップで1や5に到達する奇数列が現れました。要素の数は無数にあります。

 $${6t+1}$$と$${6t+5}$$で3の倍数を除く全ての奇数が表示でき、これ等の奇数に到達する無限の要素をもつ奇数列があることがわかります。

 (c2.19)で$${t_{w}=1}$$とおいてみると
     $${(c2.22)       cs(7)=\{5,\ 19, \ 75, \ 299, \cdots\}}$$

 $${5 \to  7 \to 5 \to 7  \to \cdots}$$ですが、(c2.20),(c2.22)から$${5, 7}$$以外にも無数の奇数がこのステップに関わっていることがわかります。

 見方を変えて、(c2.18)の右辺の奇数列において、これ等は$${p}$$の異なる奇数列ですが同じ$${t_{v}}$$を持つ奇数列で、これ等は全て1ステップで$${t_{v}}$$のみに依存する奇数$${6t_v+5}$$に到達します。$${p}$$は関係なく$${t_{v}}$$の値が同じであれば、同じ値、$${6t_v+5}$$に1ステップで到達するわけです。$${t_{w}}$$についても同様です。

 (c2.18)と(c2.19)の右辺の奇数列で全ての正奇数$${No}$$を表せるわけですが、$${4t+1}$$型の奇数のみ3S-1変換で$${6t+1}$$となり値が大きくなります。そのほかの奇数は全て3S-1変換で値が小さくなります。全ての奇数は$${4t+3}$$型か$${4t+1}$$型なので、奇数の半分は3S-1変換で値が大きくなり、残り半分は3S-1変換で値が小さくなるわけです。

1ステップで元の奇数に戻る数は1しかないことは以下の通りです。

   (c2.1)で$${m_{o}=No}$$とおいて
   $${3No-1=No \cdot 2^n }$$
   $${(3-2^n)No=1}$$
   左辺で掛けて1になるためには$${3-2^n=1}$$かつ$${No=1}$$
   つまり$${n=1}$$かつ$${No=1}$$のみです。

 (c2.18)、(c2.19)を詳しく見てみることにします。
 (c2.18)、(c2.19)の2式で3S-1変換に従う数字配列(正奇数配列)の全てを表しています(偶数は考慮しなくてもよい)。


 上述したように(c2.18)、(c2.19)の2式の右辺の要素を全て合わせて、全ての奇数を表しています。全ての奇数はこの要素のいずれかに相当しています。

 $${t}$$をいろいろ変えて2式の右辺に代入して、1ステップで到達する左辺の奇数を求めます。この時点で3の倍数は取り除かれます。1ステップで到達する数は$${6t+5}$$型か$${6t+1}$$型の奇数です。奇数なので(c2.18)、(c2.19)の2式の右辺の要素のいずれかになります(再び戻ります)。ただし最初の$${t}$$とは異なります。これを繰り返すと奇数のツリー(樹形図)が出来上がります。これを3S-1空間の数字配列とよぶことにします。

 ただし3S-1空間の数字配列では既にループとなる配列は存在していますので、1本のツリーではありません。(一方、3S+1空間のツリーでは$${2^{68}}$$までは全て$${1}$$に到達しますので、$${2^{68}}$$以下であれば1本のツリーです。)

 一例で説明します。初期値として17を取ります。
 $${17}$$は$${17=4\cdot 4+1}$$なので$${4t+1}$$型で$${t=4}$$です。これは$${6t+1}$$に1ステップで移り、値は$${25}$$です。ところが$${25}$$に移る奇数は同じ$${t=4}$$を持つ(c2.19)式の右辺の全ての奇数で、$${t=4}$$を代入して$${17, 67, 267,\cdots}$$です。これらは全て同じ$${25}$$に移ります。
 次に$${25}$$は$${25=4\cdot 6+1}$$なので$${4t+1}$$型に属し、$${t=6}$$です。$${t=6}$$である(c2.19)式の右辺は$${25,97,395,\cdots}$$で、これ等は全て$${6\cdot 6+1=37}$$に移ります。これを繰り返します。

 奇数の分類とその特性をまとめてみました。さらにコラッツ予想に取り組み始めた読者の為に、追加特性などありましたらコメント欄にお願いします。

 C2.3 言えますか?

 3S+1変換と3S-1変換の数字配列を比較してみます。

 (c2.18)、(c2.19)の2式(再)で3S-1変換に従う数字配列(正奇数配列)の全てを表しています。

$${(c2.18)          cs(6t_v+5)=\{8t_v+7,\ 32t_v+27, \ 128t_v+107, \ 512t_v+427, \cdots\}}$$
$${(c2.19)          cs(6t_w+1)=\{4t_w+1,\ 16t_w+3, \ 64t_w+11, \ 256t_w+43, \cdots\}}$$

 新手法第3章3.2から(3.12)、(3.13)の2式(再)で3S+1変換に従う数字配列(正奇数配列)の全てを表しています。

$${(3.12)            cs(6t_c+5)={4t_c+3,\ 16t_c+13, \ 64t_c+53, \ 256t_c+213, \cdots}}$$
$${(3.13)            cs(6t_s+1)={8t_s+1,\ 32t_s+5, \ 128t_s+21, \ 512t_s+85, \cdots}}$$


 第C1章の例のように、3S+1変換での論法が3S-1変換でもそのまま成り立つのであれば、その論法は誤りということになります。

 そこでコラッツ予想は正であるとする正攻法の論法(ここでは整数のみ使用した論法とします)は、2種変換において、最初から場合分け、もしくは途中から場合分けして進めていくわけですが、最終的に2種変換でループの存在の有無(違い)が言えますか?

 (3.12)、(3.13)から種々のグラフや表も表せますし、解析もできます。正攻法でコラッツ予想は正である(全ての正奇数が1に到達する、偶数もというのであれば、まずは奇数で)ことを証明した(?)というのであれば、その論法を用いて途中で場合分けする等して、(c2.18),(c2.19)に当てはめてみて、1に到達する正奇数もあれば、ループする正奇数もあることが言えますか?

 敢えて上記4式に当てはめなくてもいいですが、「3倍して1を足す、と3倍して1を引くの違いのみ」ですが、前者はループが存在しない(最初から全てが1に到達するでもよいです)のであれば、後者はループも存在することが、考案した正攻法論法で場合分けして言えますか?
(クリエータは両者共に無限ステップ数にはならないであろうと予想しています)

 クリエータとしましては、整数のみ用いた正攻法論法であれば、3S-1変換(3倍して1を引く)の場合にも当てはめてみることはでき、(最初から、もしくは途中から)場合分けをして2種変換で結果に違いがでますか?と言いたいところであります。

 整数のみ使用した正攻法に限らず、3S+1変換で全ての正整数が1に到達するとしている論法において、論法の本質は変えずに3S-1変換にも当てはめて、1に到達するとしていることしか言えないのであれば、その論法は誤りであると十分見込めます。3S-1変換であれば、どこかで場合分けが出てくる、まずは場合分けまで行けますか?です。



新手法第1章から第8章および(続)新手法第C2章(前半)
までの変数・定義語・関数

$${N}$$、$${No}$$、総ステップ数、ステップ番号、
CS振動、C変換、CSプロット、CS直線式、3C+1変換、
3S+1変換、S変換、(一般)コラッツ空間、CS空間、tツリー、
ローレンツプロット、周期軌道、周期点、不動点、究極的な周期点、クモの巣図法、CS交互変換プロット、不動点$${\left(\cfrac{1}{3},0\right)}$$、
CS写像、最終点、最終到達点、3Cー1変換、3Sー1変換
距離$${D}$$、$${c(N)}$$、
$${6t+5}$$型、$${6t+1}$$型、$${4t+3}$$型、$${8t+1}$$型、など
$${z_{s}}$$、$${f_{c}(x)}$$、$${f_{s}(x)}$$、$${Nc}$$、$${Ns}$$、$${m_{o}}$$、$${m_{c}}$$、$${m_{s}}$$、$${t_{c}}$$、$${t_{s}}$$、$${t}$$、$${Mo}$$、$${cs(mo)}$$、$${s(Mo)}$$、$${f}$$、$${g}$$


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