(続)コラッツ予想解明への新解析手法の紹介1ー問題の意味が小学生でもわかる高額懸賞金数学歴史的未解決問題
リンク
第C2章 3S-1変換における奇数の分類&言えますか?
C2.1 奇数の分類(Nv型とNw型)
C2.2 Nv型とNw型の特性
C2.3 言えますか?
第C3章 3S+1変換と3S-1変換のCSプロットの比較
C3.1 3S+1変換のCSプロット(復習)
C3.2 3Sー1変換のCSプロット
第C3章 3S+1変換と3S-1変換のCSプロットの比較
C3.3 3S+1変換と3S-1変換のCSプロットの比較
C3.4 3S-1変換におけるCSプロット点とCS直線式の関係
第C4章 コラッツ予想のループについての考察
C4.1 用語の説明
C4.2 連続関数の定義
C4.3 可算無限個のCSプロット点と連続関数について
第C4章 コラッツ予想のループについての考察
C4.4 シャルコフスキーの定理
C4.5 コラッツ予想のループについての考察
(1)条件
(2)3S+1変換の場合
(3)3Sー1変換の場合
「コラッツ予想解明への新解析手法の紹介」記事1から記事10(第1章から第8章)を書き終えて8ヶ月程経ちました。応援もいただきました。
進展がありましたので、
「(続)コラッツ予想解明への新解析手法の紹介」としまして、第C・章と称して、幾つか記事を公開することにしました。
予想が正しいことをいうためには以下の2点を証明する必要があります。
・すべての正の整数でどこまでも大きくはならない
(最大値が存在する、無限ステップ数とはならない)
・1を除くすべての正の整数でもとに戻ることはない
(ループしない)
この2点が証明できれば有限回数でいつかは1に到達することになります。
今回の進展は後者の周期性に関する進展です。
「コラッツ予想解明への新解析手法の紹介」は「第1章 新手法の紹介の前に」からご覧ください。
また第1章には新解析手法の各章へのリンクが貼ってあります。
新手法要約動画 ←クリック
第C1章 コラッツ予想を証明した?という動画・記事はこれを確認・質問してみよう
世界で最も有名な数学者の一人であるフィールズ賞をもつ天才テレンス・タオも完全証明はまだまだと述べています(新手法第1章)。
3S+1変換と3S-1変換
一般コラッツ空間でのコラッツルールは「奇数なら3倍して1を足す、偶数なら2で割るを繰り返していく」ですが、奇数なら3倍して1を足す操作を3C+1変換とよぶことにしました。また、この変換で偶数になりますが、2で割るだけ割ってある奇数に到達するまでの操作を3S+1変換とよぶことにしました(新手法第3章)。
一方で「奇数なら3倍して1を引く、偶数なら2で割るを繰り返していく」の場合はどうなるのかです。
「奇数なら3倍して1を引く」、を3Cー1変換とよぶことにします。正奇数$${No}$$を3倍して1を引いても、偶数になります。2で割るだけ割ると奇数に到達しますが、この一連の過程を3S-1変換とよぶことにします。
3S-1変換はコラッツ予想を外から眺める一例と言えます。なぜならこの変換にはループが存在します。
例えば
$${5 \to 14 \to 7 \to 20 \to 10 \to 5 \to \cdots}$$
奇数のみ表示では
$${5 \to 7 \to 5 \to 7 \to \cdots}$$
です。
新手法では奇数のみ追っていくとしていますから、5や7は2ステップで元に戻り、2周期です。
図C1-1は、一例としまして初期値が1,3,5・・,41に3S-1変換を施していった時のステップ経緯を表した表です。1に到達する初期値もありますし、また、途中からループする初期値もあります。初期値21では3ステップ後17に達し、その後は7周期となります。
なぜ3S-1変換を考えるのかですが
コラッツ予想の論法の是非の手助けになる
からです。
一般コラッツルールでは連続して数字が上昇していくことなく、あるステップで必ず数が減少します、例えば$${4t+3}$$型で$${t=1}$$の$${7}$$を初期値とした場合の$${7 \to 11 \to 17 \to 13 \to \cdots}$$(奇数のみ表示)は
$${17}$$までは上昇しますが、次のステップで減少します。
例えばネット上ですが、「一般コラッツルールではどの数字も連続して数字が上昇していくことなく、あるステップで必ず数が減少する」をもってしてコラッツ予想は正しいとか結んでいる内容がありました。
正確には$${2^{68}}$$以下ではどれも$${1}$$に到達することはわかっていますから、$${2^{68}}$$より大きい任意の整数を初期値として、あるステップで初期値より下がれば、コラッツ予想は正しいわけですね。
「どの数字も連続して数字が上昇していくことなく、あるステップで必ず数が減少する」は3S-1変換でも成り立ちます。しかし3S-1変換はループが存在します。よって上記ネット例の論法は誤りとなります(この例では3S-1変換を持ち出さずとも自明ではありますが)。
その論法が正しいというのであれば、それを3S-1変換に当てはめて
3S-1変換でも成り立つのであれば、その論法は誤りということになります。
別例として、一般コラッツルールでは3S+1変換では、奇数は変換後、3の倍数にはなりえません。3の倍数に到達する奇数は存在しない、をもってして~~は正しいとする論法もありました。
3の倍数に到達する奇数は存在しない、はループが存在する3S-1変換でも成り立ちますから、その論法は誤りということになります。
もちろん2変換共通に成り立つ諸要素はあります。ぎりぎり最後まで共通要素で論じているのに、最後の結論で3S+1変換にしか成り立たない結論(1に到達する等)を出しているのは誤りという意味です。
「3S+1変換では3倍して1を足せば偶数になる」、「3Sー1変換では3倍して1を引けば偶数になる」、は共通の要素です。
「3S+1変換では、4t+3型の正奇数$${No}$$は1ステップで$${No}$$より大きくなる、その他の$${No}$$は小さくなる」(奇数のみ追跡)、と「3Sー1変換では、4t+1型の$${No}$$は1ステップで$${No}$$より大きくなる、その他の$${No}$$は小さくなる」、は共通の要素です。
「その論法は3S-1変換でも成り立ちますよ、だからその論法だけをもってして、~~が成り立つ、は誤りです。」は、結構説得力がありますね。
以下は証明全般に言えることですが、
~~を発見した。それも使ってコラッツ予想が正であることを証明をした、と書いてある本がありました。発見したとは、多数の数値解析実験をして、何らかの規則を見出したかと思います。しかし、どうも証明らしきことはどこにも書いてないのです。発見も証明しなければダメでコラッツ予想が正であることを証明したことにはなりません。当然です。
新手法第1章から第8章および(続)新手法第C1章
までの変数・定義語・関数
$${N}$$、$${No}$$、総ステップ数、ステップ番号、
CS振動、C変換、CSプロット、CS直線式、3C+1変換、
3S+1変換、S変換、(一般)コラッツ空間、CS空間、tツリー、
ローレンツプロット、周期軌道、周期点、不動点、究極的な周期点、クモの巣図法、CS交互変換プロット、不動点$${\left(\cfrac{1}{3},0\right)}$$、
CS写像、最終点、最終到達点、3Cー1変換、3Sー1変換
距離$${D}$$、$${c(N)}$$、
$${6t+5}$$型、$${6t+1}$$型、$${4t+3}$$型、$${8t+1}$$型、など
$${z_{s}}$$、$${f_{c}(x)}$$、$${f_{s}(x)}$$、$${Nc}$$、$${Ns}$$、$${m_{o}}$$、$${m_{c}}$$、$${m_{s}}$$、$${t_{c}}$$、$${t_{s}}$$、$${t}$$、$${Mo}$$、$${cs(mo)}$$、$${s(Mo)}$$、$${f}$$、$${g}$$
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