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(続)コラッツ予想解明への新解析手法の紹介9ー問題の意味が小学生でもわかる高額懸賞金数学歴史的未解決問題

 「コラッツ予想解明への新解析手法の紹介」は「第1章 新手法の紹介の前に」からご覧ください。

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(続)コラッツ予想解明への新解析手法の紹介」では第C1章からご覧ください。
 第C1章には(続)新解析手法の各C・章へのリンクが貼ってあります。


第C6章 CS円板アート

C6.2 S値とCS円板

 復 習:(追加説明あり)

 一般コラッツ空間の正奇数$${No}$$ はCS空間ではC変換したC値 となるわけですが、もう 1つ重要な変数として第4章で登場したS変換した S値がありました。

 図C6-4は初期値27の場合のCSプロット(左)とCS交互変換プロット(右)です。41個の$${(c(No_{n}),c(No_{n+1}))}$$ローレンツプロットでは、全てのプロット点はCS直線$${f_c, f_s}$$上に乗りません(左図)が、$${(s(No_{n}),c(No_{n+1}))}$$ローレンツプロットでは、プロット点は全てCS直線上に乗せる(右図)ことができました(第6章6.2)。

図C6-4 初期値27の場合のCSプロット(左)とCS交互変換プロット(右)


 正奇数$${No}$$は以下の2式に分類できました(第3章)。
ここで、$${t_c,  t_s \ge 0,   p >1}$$。

$${(c6.1)   Nc(t_c,p)=t_c\cdot 2^{2p}+\cfrac{5 \cdot 2^{2p}-2}{6}}$$

$${(c6.2)   Ns(t_s,p)=t_s\cdot 2^{2p+1}+\cfrac{2^{2p}-1}{3}}$$

 $${Nc(t_c,p)}$$は1ステップで$${6t_c+5}$$に到達し、その要素は無数にありますが、$${p=4}$$まで表すと、

$${(c6.3)   cs(6t_c+5)=\{4t_c+3,\ 16t_c+13, \ 64t_c+53, \ 256t_c+213,  \cdots\}}$$

 $${Ns(t_s,p)}$$は1ステップで$${6t_s+1}$$に到達し、その要素は無数にありますが、$${p=4}$$まで表すと、

$${(c6.4)   cs(6t_s+1)=\{8t_s+1,\ 32t_s+5, \ 128t_s+21, \ 512t_s+85, \cdots\}}$$

 c6.3において、重要なことは$${t_c}$$さえ同じであれば$${p}$$は異なっても、全ての要素は同一の$${6t_c+5}$$に1ステップで到達するということです。c6.4についても同様です。

 S値は$${t_c}$$もしくは$${t_s}$$のみの関数となります。言い換えますとS値はc6.3, c6.4の右辺の無数の要素全体に対応していると言えます。また、$${t_c, t_s}$$は$${0}$$以上の整数で同一の値も無数にありますが、S値では$${t_c = t_s}$$であっても、必ず$${s(t_c) \neq s(t_s)}$$となります。このことは、$${t_c = t_s}$$であっても、c6.3, c6.4の右辺の要素全体の集合は異なることに対応しています。


 c6.3で$${t_c=0}$$とおいてみると、
$${(c6.5)   cs(5)=\{3,\ 13, \ 53, \ 213,  \cdots\}}$$

 c6.4で$${t_s=0}$$とおいてみると、
$${(c6.6)   cv(1)=\{1,\ 5, \ 21, \ 85,  \cdots\}}$$

 c6.4で$${t_s=2}$$とおいてみると、
$${(c6.7)   cv(13)=\{17,\ 69, \ 277, \ 1109,  \cdots\}}$$

  17は1ステップで13に到達しますが、13に到達するのは17ばかりでなく17を含むc6.7の全ての要素です。
$${\{17,\ 69, \ 277, \ 1109,  \cdots\}}$$は全て手がつながっているわけです。
これはC値をS値に変換することに対応しています。

$${(c6.8)       s(No_n)=g(c(No_n))}$$ (第6章6.2)

 ここで$${s(17)=s(69)=s(277)=s(1109)=\cdots}$$です。同じ要素であればS値は全て等しくなります(C値は全て異なります)。これはS値は$${t_c}$$もしくは$${t_s}$$のみの関数となることに対応しています。

 c6.7の右辺の全ての要素は、コラッツルールにより全て13になるわけですが、これはCS空間ではS値がC値になったことに対応しています。

 CS直線式$${f(=f_c  or  f_s)}$$を使って、

$${(c6.9)     c(No_{n+1})=f(s(No_n))}$$

 ここで、$${f}$$は$${s}$$の関数であり、$${c}$$の関数にはなり得ません。



  c6.6, c6.7, c6.8の右辺の要素のS値を代表として、それぞれ
$${s(3),  s(5),  s(17)}$$で表すことにします($${s(1)}$$でもいいですが、1は唯一1ステップで$${1 \to 1 \to \cdots }$$ ループで特殊ですので$${s(5)}$$を選びました)。

 上記から、
$${c(17)}$$は$${g}$$により$${s(17)}$$となり、
$${s(17)}$$は$${f}$$により$${c(13)}$$となり、
$${c(13)}$$は$${g}$$により$${s(13)}$$となり、
$${s(13)}$$は$${f}$$により$${c(5)}$$となり、
$${c(5)}$$は$${g}$$により$${s(5)}$$となり、
$${s(5)}$$は$${f}$$により$${c(1)}$$となります。
そして$${c(1)=0}$$です。


 説明も追加しまして以上が復習となりますが、いかにもC変換C値、S変換S値、CS直線式の関係をスムーズに導いているかにみえます。

 実のところは、解析初めの頃は127CS円板から導いたC値を初期値27の場合に当てはめて、横軸ステップ番号としてC値をグラフにしてみたわけです。規則性のある振動、CS振動が見られたのでローレンツプロットしてみよう、何か見出せるはずだと思うのも自然です。プロット点が、x軸上の1点を除き、CグループとSグループの2種の集合に分離されることがわかったわけです。この時点では、中々面白い実験結果が得られたと感じましたね。多数の初期値でCS振動、CSプロット点をグラフにしても類似の結果が得られたわけですが、CSプロット点は直線上には乗らないでジグザグしているわけです。

 それはそれで置いておいて、C値を基にCS直線式を導いたわけですね。CSプロット点と傾きが似ているなと感じたので、初期値27のCSプロット点とCS直線式を同一グラフにしてみたわけです。CSプロット点がCS直線式の近くにプロットされていて、すごく感動したわけです。しかしCS直線式には重ならないし、CSプロット点はジグザグしているしカオス力学の理論は使えないので、やはり残念、とこの時点では諦めたわけです。半年位解析はしなかったですねえ。

 その後何気なく127CS円板を見た時に$${3, \ 13, \ 53, \cdots}$$や$${5, \ 21, \ 85, \cdots}$$がある値に近づいているように見えたわけです。C値のp無限大とした時の極限値を求めてみようか、そしてそれがS値だったわけです。S値がCS直線式$${f(x)}$$の$${x}$$に相当していたので、これはこれはと横軸S値、縦軸C値としてローレンツプロットしてみたらCS直線式上にプロット点が全て乗ったわけですね。「おおっ」と感動しましたね。

 図C6-5に255CS円板を、図C6-6に511CS円板を示しました。511CS円板では最外周の同心円内の奇数が全て3桁で数が多いため
隣同士の奇数はジグザクに配置しています。

 数が多いのでより諸事項を確認しやすいかと思います。デザイン的には
127円板が良いかと思います。63円板は暗算で9個のそれぞれの数字が
1に到達することが確認できますので一般の方々に体験してもらうには良いかと思います。間違えても指摘も容易ですしね。255円板や511円板は作成はしてみましたが、数が多すぎて目が疲れます、諸事項確認用ですね。


図C6-5 CS円板4(最大値255)



図C6-6 CS円板5(最大値511)





新手法第1章から第8章および(続)新手法第C6章C6-2
までの変数・定義語・関数

$${N}$$、$${No}$$、総ステップ数、ステップ番号、
CS振動、C変換、CSプロット、CS直線式、3C+1変換、
3S+1変換、S変換、(一般)コラッツ空間、CS空間、tツリー、
ローレンツプロット、周期軌道、周期点、不動点、究極的な周期点、クモの巣図法、CS交互変換プロット、不動点$${\left(\cfrac{1}{3},0\right)}$$、
CS写像、最終点、最終到達点、3Cー1変換、3Sー1変換、
Cグループ、Sグループ、a点、b点、c点、d点、
可算無限個、1価連続関数(写像)、C接続連続関数、
シャルコフスキーの定理、シャルコフスキー順序、
CS円板、同心円状、グループ分け、
距離$${D}$$、$${c(N)}$$、
$${6t+5}$$型、$${6t+1}$$型、$${4t+3}$$型、$${8t+1}$$型、など
$${z_{s}}$$、$${f_{c}(x)}$$、$${f_{s}(x)}$$、$${Nc}$$、$${Ns}$$、$${Nv}$$、$${Nw}$$、$${m_{o}}$$、$${m_{c}}$$、$${m_{s}}$$、$${t_{c}}$$、$${t_{s}}$$、$${t}$$、$${Mo}$$、$${cs(mo)}$$、$${s(Mo)}$$、$${f}$$、$${g}$$
$${\epsilon_b}$$、$${\epsilon_c}$$、$${b_{\epsilon}}$$点、$${ c_{\epsilon}}$$点、
$${u_{cs}(x)}$$、$${u_{c}(x) (x<1/3)}$$、$${u_{s}(x) (x\ge 1/3)}$$、
$${d_{cs}(x)}$$、$${d_{c}(x) (x<1/3)}$$、$${d_{s}(x) (x\ge 1/3)}$$、
$${F_{n}(x)}$$




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