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ラッキーガールシンドローム✴︎ななこ ①

※ この物語はフィクションです ※
実在する人物とは異なります。


登場人物

ななこ … 45歳(専業主婦)
ワタル … 47歳(ななこの夫、開業医)
メグミ … 40歳(ななこの友人、資格取得の学校に通う、既婚)
エリコ … 40歳(メグミの古くからの友人、会社員、未婚)

ラッキーガールシンドローム

皆さんは「ラッキーガールシンドローム(症候群)」
という言葉をご存知だろうか?

端折ってしまうと「自分は運がいい!幸せだ」
を信じて疑わないスーパー前向き女性を表している。

例えば電車が遅れているのに、ホームに降り立った瞬間
遅延した前の電車、しかも空いている車両に乗れた。

もう売り切れたと思っていた、買い逃しの推しグッズが
サプライズで友人からプレゼントされた。
などなど。

極端だが「私ってすごい!(持ってる〜)!」
を疑いなく肯定し、それを纏う女性。

虹女、ななこ

エリコの同い年の友だちメグミには、
『虹色のラッキーガールシンドローム✴︎ななこ』という
古典的に言うなら、ちょっと風変わりな
話題に尽きない友人がいる。

メグミは、ななこと趣味のコミュニティで知り合った。
ななこは5つ年上。専業主婦(たまに惣菜屋でパート)。
趣味は旅と食べ歩き。自称、虚弱体質。
特技、デスマウント(異常なほどのマウンティング)。
2つ年上の夫(ワタル)は、開業医。

毎度びっくりさせられるほどの、超がつく楽観主義。
虹すらも引き寄せる、彼女のパワーを示すため
ここでは虹色とつけさせていただく。

期待値以上のギャップ

彼女の結婚は、一生を風靡したアイドルや女性芸人が
そのワードを拡散、浸透させた「ゼロ日婚」である。

出会いは、5チャンネル。
もちろん好みなど、基本が合うからこそのマッチング。
オンラインで出会って間もなく、ななこは
「俺のとこ、来ちゃえば?!」
のワタルの一言で、東北から中部地方ほどの距離を乗り越え
めでたく結婚した。

彼女は理学療法士の資格を持つにも関わらず
「もう働かなくていいんだ私!」
(↑ 心の声)と、ふたつ返事で成婚。

第三者のエリコからすると、そこまでのキャリアと
資格を持ちながらも、働くことから逃れたがったのには
何か理由があったのだろうか….
結婚に強い憧れがあったのか….
次々に愚問なのか、疑問がわいた。

生き上手な女、ななこ

一旦話は戻り、ここまでの馴れ初めを聞いただけでも
婚活を5年以上続けても、未だコミットしない
不毛巡りなエリコには、ただ「結婚って・・・?」
と目が点になるだけだった。

実際に、ななこに会ったメグミの友人でもある
プロの婚活アドバイザー曰く
「この子は僕が守ってあげなきゃ」と思わせた点が
彼女の勝因?!成婚理由ではないかと推測する。

すなわちエリコが苦手とする「素直な甘え上手」
という術を、無意識に備えているのが
虹色ガール✴︎ななこ、なのである。

つづく….


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