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全国大会を経て

調整日、絶望

走行の性能も自己位置推定も探索アルゴリズムも完璧だと思って微調整程度でいけるっしょ的なノリで会場入りした初日でしたが全然そんなことはなかったみたいです。床の材質がプラ板以上に滑るため、坂や階段を登れず、階段に至ってはLoP確定コースでした。プラ板以上に滑るなんてあり得るんですか…しかも調整中に後輪のギアが逝って走行不能に。絶体絶命の状態でホテルに帰りました。
p.s.新しいギアを造形してくださった方、本当にありがとうございました。

深夜開発は呼吸

その晩は必死こいて開発してました。食糧確保のためにファミマで2000円以上の買い物をするヤバ客になってました(うち1000円はカフェイン)
最終的には飯食ってる時間すら惜しくなって食べなかったけどね。
その晩に思い付いたアルゴリズムがそのまんま試合で使われることになりました。そのアルゴリズムとは…そう。

乱数。

マジで血迷ってると思われるけど、大会前日できる中では最適解だと思うんだ。仕組みは簡単で、壁に挟まれてる間に乱数を生成。壁から抜けたタイミングで乱数に応じて右壁探索か左壁探索かを切り替えるというヤバプログラムです。まぁ完全ランダムかっていうとそうでもなく右壁の割合3に対し、左は2にしました。下記に示すコード、個人的に天才だと思う。

たった二行で3:2になるようになってます

乱数を5で割った余りをさらに2で割ると、0が3に対して1は2の確率で出ます。あとは、if(!Seed)なら右、if(Seed)なら左になるというコードです。
あの時の俺の脳内覚醒してた、完全に。
心配だったハードウェアもゴムに切り込みを入れてきっかけを作ってあげたり、物理的に金を積んで重くしたりして解決しました。日本硬貨万歳!

緊張の初走行

走行開始と同時にロボットが固まりました。実は両側に壁がないとモーターの速度が正にならないという最大の欠陥がありました。奇跡的にセンサーにノイズが入って値が狂ったんだろうね…開始30秒くらいの時急に動き始めました。LoPしなくてよかった。走行も特に問題なく進み、250点程度をもぎとり他のチームに引けを取らない結果となり一安心でした。
第二走行も特に問題なく進み、暫定一位で初日を終えました。

お食事会

しろくまが属する極激辛同好会のメンバーとBlendで赤から本店に飯を食いに行きました。ぽんちょ、setuka、Junと同じ席で飯を食いました。Junといっぱい話せて楽しかったです。中学の親友に少し似てて初対面なのにかなりなれなれしかったかも、ごめんなさい。「ロボット交流のあとは一人でモーターに直流流さないとね」とかいうカスみたいなネタで笑ってくれてありがとう。色々話を聞いてるとすごく強い人だなぁと思いました。彼の今年のチームがチームなのもあって結果はあれかもしれないけど、普通に技術的な面ですごいなって思った。俺も強くなりたいから線形代数勉強しなおすことを決意しました。
ほかのメンバーとはあんまり話す時間はなかったけど、仲良くなれてうれしかった。

ここにきて初の睡眠

23日から1睡もできてなかったけどこの日は4時間くらい寝れてうれしかったです。4時間睡眠であんなに満足できたことはなかったです。睡眠ラブ。

運命の第三走行

この走行で、フランスが確定します。試合前から緊張が止まらず、試合10分前には緊張が限界に達してマツケンを試合会場で聞きました。
無事に走行開始しましたが、昼の13時で更に多くの人が見ているということもあり、周辺気温が上がっていたのでしょう、熱源がないところでの誤検知が多発しちゃってました。誤検知は1回するごとに5点減点なのでやばかったです(5回誤検知出た)
そしてこの走行では脱出ボーナスを狙っており、する気満々でしたが普段では絶対に転ぶことがない坂でBlend機が転びました。白熊はLoPするつもりでしたが、ここで俺は試合そのものをやめようといいました。(LoPは実質10点減点なのと、転倒で座標が狂った今、帰還もできなければ誤検知も増える一方のため)走行結果は255点でした。普段の俺なら2の8乗-1だね、11111111(2)だね、とかいうんだろうけど気が動転してて無理でした。最終順位が出るまで緊張で死にそうでしろくまと大会会場から脱走して外の空気を吸ってました。俺が下したリタイアという決断のせいで負けてたらどうしようと思ったら泣きそうでした。
運命の結果は5点差で優勝でした。あの時リタイアの決断をしてなかったら、フランスは消えてたと思います。後から振り返ってみると、あの坂でBlend機が転んだのは奇跡だと思います。勝利への執念が生み出した奇跡です。本当に良かった。
結果が出たとき、うれしすぎて泣いちゃいましたがあれは単純なうれしさと、隣にいたしろくまが10年もの間願い続けてた夢がかなった瞬間だったからです。彼の苦労を知ってるからこそ涙なしではいられませんでした。
まさか寮の説明会の時にWi-Fiがあると知って飛び跳ねてた彼とこうやってチームを組んで世界大会にまで行くなんて思ってもなかったです。ありがとう。しかもプレゼンテーション賞もついてきて二冠達成!!!

5点差で逃げ切った


人工知能学会賞も貰えるとのうわさ
(もしそうなら総なめです)

交流会楽しい

僕は大会初参戦で周りに知り合いが1人もいなかったのでとりあえずしろくまと一緒にいればコミュニティが広がるだろって感じでいろんなところに一緒に顔出してました。うぜぇって思われたかもしれないけど結果的に多くの人と話す機会ができたので大成功です。NewInnovationsの強い人たちと話せたのはすごくうれしかったです。まだまだ分からないことだらけで死にそうだったけど来年は理解できるように頑張ります。興味がすごく湧くいい経験になりました。あおなみ線の電車内でロボット交流会が始まったのは異様な光景過ぎて面白かった。初対面でも共通の趣味を通して一瞬で打ち解けあえるRCJはすごいなと思った。しろくまが俺のことをclassやinstanceくらいなら使えるみたいな感じで過大評価して周りに言ってるのは嫌でした(だってできないんだもん。なんとなくしかわかってない)

勝負に勝って食う飯が一番うまい

大会終了後はBlend+Junで名駅内できしめん食べました。正直疲労困憊で何話したかも覚えてないけどあの時食べた天ざるきしめんのおいしさは忘れない。

¥1050-でこれは大満足

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます。僕のことをよく知る人なら一つの事に気づきませんか?僕が露骨に避けてる一つのことを…そう、

マツケン

今大会はマツケンの活躍なしではたどり着けませんでした。3/10に発見した5%の確率で暴れん坊将軍が乱入してくるプレイリスト。これに巡り合わなければ優勝はおろかロボットは動きすらしなかったと思います。ありがとうございます。これを見た人たちは騙されたと思って聞いて見てください。人生ちょろくなります。

そして今思ったことは、大会期間中に決めたことはほぼ全て有言実行していることです。最後まで頑張ること、何とかなるじゃなくて何とかすること、世界に行くこと、LoPゼロにすること、できてないことといえば帰還するくらいです。これは世界で達成させて見せます。
そして僕は今から線形代数を学びなおします。自己位置推定や合理的な走りを追求するうえで必須だと思ったからです。白熊に任せっきりなのもよくないし、俺自身が初めて全力で何かに没頭するものができたのでやるならとことんやってやろうといった感じです。部活も辞めます。1年前やめようとして顧問に止められやめられなかったときは俺の覚悟が足りませんでした。今は違います。明確な目標と実績を武器に顧問にひるまず、自分の意思を伝えたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後にBlendマツケン同好会の活動風景と限界プレイリスト(AppleMusic)のリンク張ってさよならです。


これが世界のMatsuken
マツケンを知ってから数日で10時間再生してました
テレビでマツケン視聴会。下においてある飲み物が全てを語ってます。
シャッター切るタイミングが神がかってる
painted by OmochiNyamunyamu





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