2024/10/16
先週末、ゲイ向けのクラブイベントに行ってきた。新宿2丁目で開催されたので夜の新宿に駆り出されるわけで、今更言うのもなんだが夜の繁華街というのは恐ろしい場所である。慣れた人間からしたら東京の夜はむしろ人の温かみを感じて心地よいものになるのだろうが、いつまでも夜の街に慣れない俺からしたら東京の夜とは味方のいない暗い夜なのである。
イベントに行く前に知り合いの人がTwitterで「今日の○○ってイベント行く人~!」と言っていたので、「あ、俺行きます。会ったら乾杯してください…」と俺なりに布石を打っておいたのだが実際に行ってみるとその知り合いの人は多くの友人に囲まれていてそこに割って入るなど出来る様相ではなくて甘いお酒を持った間抜けな俺はイベント会場の壁際をうろうろして(ふーん、こういうのもあるのね~)などと知ったような顔をして会場を一周した上でもう帰るか…という気分になっていた。一旦外に出て、靖国通りの方で新鮮な空気を吸っていると道端に誰かの自転車があり恐らく持ち主ではないであろう50代くらいのおっさんが自転車を蹴り倒していた。この街を端的に表している光景だと思った。同時に地元・岐阜で静かに自転車を漕ぐ誰かが思い起こされた。東京の夜は重く、人間一人を簡単に潰してくるのである。
誰かと遊んだ後に一人で電車に乗っている時に感じる爽やかな孤独がある。人と触れ合った後の孤独は心地いいものだが、無力感を感じる孤独は果てしなく心細くなるものだ。昔、知り合いにライブ会場の設営を手伝ってくれと言われ新小岩へ行ったことがあるが、まさかの知り合いが遅れて来られず知らない人にあれこれ指示されながらの作業になった。そこでなんかめちゃくちゃ使えない奴みたいな扱いを受けた。お疲れさまでした、とスタジオを後にする頃には夜になっていて街は底抜けに明るいが東京の空は低く重く感じられた。
先ほどから「知り合い」と書いているところは最初に「友達」と書いた後に知り合いとわざわざ打ち直している。あの人は友達と言う勇気がないから友達は少ないことにしている。これによって誰が傷つくかも具体的には分からないから別にそれでもいいだろうとぶっきらぼうに思う。東京を楽しむには友達が必要ですよ。友達は無料。そしてなんと友達との楽しい夜も無料です。夜が無料なのは凄い事だ。