2024/10/01

最近、スープストックにハマっていてよく食べに行くが「東京ボルシチ」なるものが美味すぎる。東京ボルシチて。岐阜で食べられる雑草を通学路で探していたやつが今や東京ボルシチなどと言っているのだからお笑いである。東京は全てがオシャレすぎる。俺はまだまだチキンライスでいいや。

岐阜に住んでいる頃、キムタクが子どもを連れてくる病院が近くにあると母親が言っていて、しかし今日、山形出身の友人と話していたらキムタクがよく目撃される病院が地元にあるという話をしていた。キムタク伝承である。ほんとうにキムタクが全国各地のいろんな病院に足を運んでいたのかもしれないが、しかし田舎者にとっての都会の象徴がキムタクであり、それが我が地元にも来ている!という民間信仰が全国各地にあると思うとなかなか面白い。皆さんの地元にもキムタクがよく訪れていた○○の噂があれば教えて欲しい。

昨年、実家で飼っていた犬が死んでしまったがここのところ頻繁に夢に出てくる。実家の犬、そうすけという名前だったが、そうすけは柴犬だがかなり小柄で母親がペットショップでそうすけを買ってきた日にまるでケーキを入れる箱から小さい柴犬が出てきたものだから俺はかなり感動したのを覚えている。ミニ柴という品種ではなく、単純に小柄な柴犬。別に犬は大きくても中くらいでも小さくてもいいが、そうすけが小さかったのはなんだか周りの柴犬と違って俺の中でそれなりに嬉しい事実だった。母親が『崖の上のポニョ』が好きでその主人公の男の子からとってそうすけと名付けた。

そうすけはかなり元気なやつで散歩が終わった後、リードを外した瞬間に逃げ出すことがしょっちゅうあって追いかけるのにそれは苦労したものだった。しかもこの犬っころは完全に人間をなめていたので、しばらく走って遠い場所で立ち止まってはこちらをジッと見てくるのだ。追いついてこい、というか人間との追いかけっこを楽しんでいるようで走って追いかけても犬らしい脚力で距離を離されて、しかし必ず俺の顔が見える位置でピタッと止まって、舌を出してヘッヘッヘと言いながらこちらを注視。小憎らしいやつだ。
しかし俺は人間なので迂回をしてそうすけの視界を一旦切り、そうすけが待ち構えている反対の道からタックル、アンド確保。一丁上がりってなもんだ。そうすけは犬なので速いがアホなので何故か顔を向けている方しか警戒していない。なので逆方向に回ってやれば犬野郎この野郎である。

この場面が頻繁に夢に出てくる。俺がそうすけを追いかける。そうすけは逃げる。そうすけは立ち止まり振り返ってこちらを見てヘッヘッヘと舌を出している。もっとまったりしている場面で夢に出て来いよと思うがそれは俺次第なので、とりあえず元気なそうすけが夢で見られて俺は満足だ。そうすけとの捕り物をしてから起きるとそこは東京練馬。チャカチャカという犬の足音も犬の毛もまるでない簡素で寂しい部屋である。まったく東京ボルシチなぞあの頃は考えもしなかった。いなくなった犬の夢とスープストックトーキョー、それが俺の朝の全てである。

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