2025/02/10

仕事に対する態度として俺は一貫して仕事などやりたい人が率先してやればいい、人生の要約に仕事のシーンが含まれることなどなく友達との遊びや美しい景色、デカすぎるちんぽなどが登場するべきである、と言ってきているが、この仕事を腐すような態度は改められることなくここまで来てしまっている。
この言わば王道を批判する態度は結局俺の逆張り精神、空気を読まないことをユーモアと混同する稚拙な感性、右曲がりの陰茎、らせん階段、カブト虫、廃墟の街、イチジクのタルト、カブト虫、ドロローサへの道、カブト虫、特異点、ジョット、エンジェル、紫陽花、カブト虫、特異点、秘密の皇帝、などが影響している。

空気を読まないことをユーモアと混同していると書いたが、そこを分解していくとユーモアというよりどちらかというと、未だに定石に乗っかることへの居心地が悪く感じていて、加えて仕事を楽しむ、生きがいにするということが実際の仕事から感じる態度と乖離があり過ぎることからどうしても仕事を肯定することが茶番にしか感じられない故にそれを壊す方向に舵を切っているのだと思う。

これと同じような事象として、俺はゲイバーで働いている際にゲイバーノリに乗っかりきらないことが多々ある。例えば、(演出として)過剰に女言葉を使わない、テンションを過剰に上げない、いちいちバイトの感想を日記に書いたりするのもその現れの一つである。これも言わば定石に乗らないことに俺が面白さを感じているからである。
俺が働いている店では色んなタイプの人間がいるが、言わばゲイバーノリというものを綺麗に外さずに乗れる人もそれなりにいると感じていて、じゃあ俺がそれを目指す必要ないじゃんという打算的な考えや、単純に”っぽさ”を演出できるほど経験がないという実情が俺にレールを外すことを選択させているのだが、気を付けなければならないのは、この俺の外し、腐しが痛さに捉えられる可能性もあることだ。

俺の行動があえて男っぽく振舞ってますよ、ゲイバーの慣習を打破するぜ、といった革命家気質のファーストペンギンの様な雰囲気が出てしまえばそれは一気に胡散臭くなり、ただの痛いやつである。俺はそうならないように気を付けなければならない。

これを本業の仕事の方で例えると、俺は会社の古い体質に物申しますよ、会社の風通しを俺が変えますよという”外し”の方向になってしまえば結局それは「会社で結果を残したい」という価値観の中での屈折に過ぎない。それは俺の望む外しではないのは分かってもらえるだろうか。俺は仕事に本当に意味を感じていない。早く帰りたいだけなのだ。

俺のゲイバーでの外しもこのような「結局ゲイバーの中で作為的にモテようとしているだけじゃないのか?」(しかしSEXの機会が増えることは歓迎である)と思われてしまえば、俺は本当に痛いやつに成り下がる。ゲイバーのバイトに関しては自分からやりたいと言ったので本業の仕事とは違い労働を否定しているわけではないが、しかし俺の本懐は外しによるユーモアの創出(お客さんにウケてもらいたい)、そしてゲイとの会話によるその文化の内側を多く知り創作のためのインプットを果たすことである。

なんかごちゃごちゃ書いているが、最初に書いたように素でひねくれ者だから2丁目の文化に迎合できずいつも通りにやっているだけだ。それをあえての外し、と表現している。
ゲイバーではボトルを入れてもらった時にコールをするのだが、それもなんだか定石に乗っかることが嫌であえて言わないでいたら店長に商業的に必要だから言えと普通に論破されて言うようになりました。お金をもらっているのでね。俺はお金をもらう意味は分かっているつもりです。

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