レビューRadio現場 vol.45『Radio現場2周年🎉』No guest!!(9分弱で読めます)
2年経ちました!
2年間、特段ほめられることもなくやってきたという吉田さん。
そして、何をモチベーションにしてきたのか、言葉にならない森近さん。
福祉とか介護のことを延々と話す機会がそうそうないので、何よりもやってると楽しいと頷きあうお二人。
今回はタイトルどおりの No guest回!番組開始当初4回目までと同様、二人でお送りいたします!とのこと。
Radio現場を配信するようになってから「でぃぐにてぃさん」と呼ばれるようになってしまった・じゃない方芸人感溢れる森近さん。
そもそもこの配信のきっかけは、リアルイベントの“R現場”である。
Rの発音がネイティヴ寄り。
2019年の10月というコロナの闇に沈む直前に始まった、福祉介護職がしゃべくるイベント。
およそ100人が密に集まって、餃子を包み、且つ、介護ドイヒー選手権というすべらない話的な催しをされたという。
Twitterを遡ってみたら、2019年10月5日に開催された様子の本イベント。
来年2023年はリアルで行います!との決意表明をされた吉田さん。ソーシャルディスタンスを意識して、飲食についても配慮しつつのイベント(ゲストも呼んでの)を現在企画中とのことで、楽しみ!2023年も生きねば!
介護福祉のイベントは従来なら「有名な講師を呼んで1−2時間話を聞きました・勉強になりました・じゃあさようなら」
……ではなく、「双方向の介護イベント」「現場のリアルな声を聞きたい!」という場を提供したかった。それこそがお二人がR現場を立ち上げた理由。
R現場初回について詳細を列記します。
①ゲストは(黒山羊時代の)曽木さんだった。
②そして介護ドイヒー選手権。 優勝は“イリュージョン介護”。
「布団掛けたまま介助して」「夜は電気消して」布団が捲れると激怒。身体に触れると大激怒される!という着替え介助のエピソード。
③手包み餃子はパッカパッカ開いて思う通りにならなくて面白くて、そしてビールは旨いし、歌も歌ったという。
そしてコロナが社会問題となり、R現場の3回目は延期になってしまった。
さらに御二方の、新規事業の立ち上げやら、売上減への対応でてんやわんややらでイベントどころではなく、季節は冬から春、夏から秋へと。
徐々に取り巻く環境が(それなりに)落ち着いてきたなか、このまま黙っていると、喋らなさすぎて死んでしまう病を発症?してしまい、オンラインを活用したRadio現場に至る。それが丁度2年前(2020年10月31日)。
なんと、あれから2年!2022年10月31日にRadio現場・YouTubeチャンネル開設!!40本一気にアップロード!
Twitterラジオ以外にもYouTubeくらいやれんだぞゴルァ!的な心意気。
私的には、レビューがスゴく捗るので助かります!
吉田さんが、Radio現場をされていて印象的に思うことは、ゲストの方ほとんどに、介護福祉に対する強い動機があるということ。
強い感情の揺さぶりがあったから介護福祉の現場に関わり続けているという点。
動機には怒りや悔しさなどのネガティブなものが多いのではありますが、ヒューマニズムって大体そんな風ですよね。
以下、原点に立ち返るような経験がお二人ともほぼ同時期にあったというお話。
森近さんにおかれましては、90代の自慢の祖父様が亡くなられたとのこと。
つい最近までお孫さんである森近さんとLINEでやり取りをされ、車の運転も数年前までされていた関西のスーパーおじいちゃん。
半年前に余命宣告をされ、ピッタリ旅立たれたという。
入院を決める日を明日に控えてお亡くなりになるという「自宅で最期」を貫き通した方であった。
ケアマネガチャに当たったという森近さん。昨年亡くなった祖母様から担当されていた、本当に熱心に動いてくれたケアマネジャーさん。
ケアチーム次第で、介護生活って全然違うものになってしまう。
原点にかえったこと、それは斎場のスタッフさんの喋りが涙を誘ったことだったと森近さんは振り返る。その方は、おそらく40代で、喩えるならジャルジャル福徳みたいな風采の男性。
お骨で祖父様の相を観てくれて、ベタ褒めされていたという。観骨相?骨相学?を淡々と。
その人らしさの履歴を辿りながらお骨を納める丁寧な仕事をされていた。
にもかかわらず、そのベテランさんの、手が震えていたことに気づいた森近さん。
その手をみて、一つひとつに緊張感を持って丁寧に人と関わっていきたいと思ったという。森近さんは。この体験を受けて、送りびと職に強く関心をもたれたとか。
そして、式直後に秋本可愛さんと話し合ったところ、「森近ちゃんは、生きてる側に関わっている方が向いてるから、そのまま頑張った方がいいと思う」とアドバイスされ、それもありがたかったとのこと。
吉田さんの和田アキ子さんの話。アッコさんはすごく緊張しいで、毎回歌い出すまで、手が震えているのだとか。
それは「最高の歌を贈りたいので」との思いが理由。得意なのが歌だけなので。自分が成しうる最高のパフォーマンスをしたいので、緊張して吐いちゃうとのこと。
本当に素晴らしい仕事をしている人こそ緊張しているのかもしれない。
いい緊張ってあるある。
吉田さん、先々週に千葉県の多古町のイベント参加された。そこには素敵なお爺ちゃんがいて、その方は街中の商店街でスナックをされているという。
多古町の山の上には、障害児の施設があって彼らの歩く姿を見たお爺ちゃん、「なんで、あの子達は山の中を歩いてるの?」と関係者に投げかけ、事情を知り、
「来年から街中歩けばいいべや!」と提案。さらに、「真面目な子がいるから、街で働けばいいじゃん」へ発展、等々。
そんなこんなで多古町では全部の福祉事業所がつながっている「タコ足ケアシステム」(社会福祉法人×地域の商店街)を編み出し、発信しているという。
そんな町で、歌って喋るイベントの依頼をもらった吉田さん。普段緊張しないのに、オファーを受け前の日に眠れなかったとのこと。
「せっかく呼んでくれたから、ちゃんとしなきゃ」と覚悟を決めていったら、講演のタイトルが“吉田さんの武勇伝”だったとか。
20時34分(配信開始から32分)、森近さんが消えてひとり語りになってしまった吉田さん。エピソードトークしつつ1分後に復旧。
多古町のイベント帰りに、子どもさんが微熱出たということで→泊まるところがなくて、近くの障がい者が宿泊できる施設を探してことなきを得たという。……
吉田さんの原点回帰の話。
でぃぐにてぃは2022年で8年目の法人。4年くらい前に4歳になる重度障害の子どもさんのケアをやって欲しいとの依頼を受けた。
親御さんは障害を持つお子さんと、地域で暮らすことを強く希望されている。
それから4年が経過した2022年現在、その親御さんは でぃぐにてぃのサービスをとても評価されているという。
しかし、ケア児である長女Aちゃんのことを自宅で看ることができなくなってきたとの知らせを受けた吉田さん。「施設を探す事にしました」との連絡を受けられたという。
現在、呼吸関係など本当に重いケアがあると、短期入所でも1か月単位で転々とせざるをえない。そして受け入れできる病床も限られている(都内で8箇所くらいとのこと)。
国の施策「在宅回帰」「重身の病床は増やさない方針」により、こんな現状が生み出されている。医療的ケア児支援法という法律はできたのだけれども、受け入れる器がどこにもない。
ハツラツとしていたお父さんが受話器ごしにも元気なく。吉田さんが声かけしたところ、
「申し訳ない」と謝られてしまったという。在宅を続けることができなくなった事に対する謝罪であったとのこと。言葉に詰まってしまった吉田さん。
暫くして先週、そのお父さんが「吉田さんと話がしたい」と でぃぐにてぃの事務所まで来られた。
Aちゃんの誕生からもう8年。片時も目を離せないケアが限界を迎えたという。
親の会での対話では「なんで家で見ないの?」の空気感があるという。同じ当事者なのに。直接言われないまでも、そういった空気を感じてしまうというお父さん。
何よりも吉田さんが一番堪えたのは、まだ幼いきょうだい児のBちゃんが「私の家じゃないんでしょ?」と悪意なく言ったという事実。
Bちゃんは、保育園で一番嬉しかったことを絵で描くときに「初めて3人揃ってスーパーに行ったのが楽しかった」と。それまでAちゃんにつきっきりだったから。
親御さん曰く、「この子(Bちゃん)に私たちがいなくなった後を託すと、彼女の人生が無くなってしまう。私たちの人生がそうであるように。それは私たちはしたくないんだ」
さらにこう、吉田さんに打ち明けられたという。
「親が看なきゃダメですかね?」
介護を受ける身として、介護する奥さんとの関係性に重ね合わせて思いを致す吉田さん。
以前は奥さんが介護の一切を請け負っていたという。
しかし、例えば喧嘩をすると、家族介護ではネグレクトになってしまう関係性。
介護に埋もれてしまうと、家族としての関係性にならないよ、と。家族としての関係を作ろうよ、プロに頼もうよ、という話になったとのこと。
この話をAちゃんのお父さんに打ち明けたところ、心を理解してもらえたと安心されたという。
Aちゃんには多くの人々が福祉として関わっている。そして全ての関係者が『なんとかなるといいですね』と声かけをしてくれるけれども、
「なんとかしてくれるという話は一つもないんだ」とお父さんの言。
その話を聞いて吉田さんは「私がやります!」と宣言。そのココロは「この話を聞いて誰も立ち上がらなかったら救いがないと思ったから」「そんな社会は嫌だ!」
「自分の暮らしが続かないかもしれない」が吉田さんの介護モチベーション。
訪問介護の事業所が1つ抜けただけでも生活に支障をきたすという不安感。
Aちゃんの件については、自身の生活と同じ課題が横たわっているよう感じたという。そして、その課題感は今も昔も何ひとつ変わってないという。
頼ってくれている人がいて、その人にカッコいいところを見せたい!が吉田さんの熱い気持ち。
吉田さんのそれがいい!それでいてくれるところがいい!
忘れかけていたものを思い出させてもらった吉田さん。
Radio現場をやっていて良かったことは“介護面白い!”って感じられることと、ヤな人が一人もいないってこと。
最近、福祉・介護良くない?との思いを強くした吉田さん。深く頷く森近さん。
こうしてこれからも、現場は続き繋がっていく。
今回も深イイ回でした!
追記 吉田さんの採用基準が「自分の家に入ってもらいたいかどうか」「この人なら入れてケアしてもらってもいいな」という点が、理にかなっていると感じました。
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