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レビューRadio現場 vol.32『Z世代の福祉』feat.森本梨花子さん(10分くらいで読めます)

Radio現場に放送禁止ワードが発生!(代替ワード=オの人)
森近さん、ベロンベロンで大暴走!!
の神回。

訪問介護にもコロナ対抗加算を!のソーシャルアクション達成お祝いムード漂う今宵のRadio現場。時は2022年3月。温暖化といえども寒さの沁みる今日この頃。
そんなRadio現場にも、ついにキタコレ、Z世代のゲストさん。

Z世代とは、発祥の地アメリカでは、1990年代中盤から2010年代序盤に生まれた世代なのだとか(ざっくりまとめ)。
日本では、1995年(阪神淡路大震災)から2011年(東日本大震災)に生まれた世代で、X世代(=バブル世代や団塊ジュニア)の子どもたちなのだそうです。
(Wiki調べ)
特徴は、いわゆるデジタルネイティブ(生まれた時からデジタルデバイスが生活の一部としてある世代)で、情報発信力に長けているという。

森近さんはいわゆる“ゆとり世代”と言われて育ち、吉田さんはZの親世代にあたる団塊ジュニア。
ゲストの森本梨花子さんは、福祉に深い関心を寄せるZ世代の大学生!
姓+名が森近恵梨子さんとのアナグラム的な親近感。気持ち髪色も寄せているっぽい。
そして、ゆうちゃみ&みちょぱがお気に入りの吉田さん。
この情報、絶対必要!(ただし、伏線の回収はしない)

古い価値観の者にとって、今を活きるZ世代が、どう福祉業界とかかわっていくのか?
それはそれはとても興味深いトピックなのであります(これは回収するかも)。

ゲストの森本さんは、障害福祉分野でアルバイトをされている。バイト先での子どもたちの才能がスゴすぎて福祉の仕事沼にハマり、就労Bでも働き始めた。そして業界的にビジネスとして改善点があると考え、福祉系のベンチャー〜わりとウェイウェイした感じ(かどうかは未知数)〜でも、ITスキル・人材に関わる仕事をされてきた。

ここで、ホストである森近さんの喋りがトットちゃんっぽくなり、「恵梨子の部屋」感が一気に開花した!

森本さんがなぜ、現在障害福祉に関わっているのか? ご本人も「気がついたら」と話されていたのですが、そのきっかけは小学生時代にダウン症の子が幼なじみだったこと、さらに中学時代バレーボール部で耳の聞こえない子と一緒に汗を流し、その彼女のアシストがあったからこそ、【ヤクルトエース】として森本さんは活躍できたのだという。
※ヤクルトエースが気になる方は是非本編を!

バレー部では、メンバー一同で指文字を覚えてケンカもしたりして、そういったことが原体験となり、福祉の道に思いがけず歩を進めたのだそうです。

13分37秒、呑んでベロベロであることが吉田さんより明かされてしまった森近さん。
それはともかく、話題は森本さんが取得しようとしていた初任者研修(介護職員初任者研修)へと。
行政が学生向けに無料で取得できる講座を受講されていたのですが、1日だけ体調不良で休んだところ、無料での資格取得ができなくなってしまい(振替ができないシステム)、今回は断念されたのだとか。
モッタイナシゴレン。
追加で7万払わないとダメなシステムってナンダヨ〜
吉田さんのサーフボード新調と森本さんの初任者研修を秤にかけりゃ、後者が重いに決まってる??

吉田さんの粋な提案=Change.orgでシステム変更を求める署名をしようじゃないか!

森本さんは、別件でガイドヘルパーの資格を取得されたそうです。
ガイドヘルパー=移動介護従事者→各都道府県の研修を修了すると取得できる資格。
援助される対象は主に、視覚障害・全身性障害・知的/精神障害などにより一人で外出することが困難な方。

森本さんが福祉系の資格を取得している理由は主に2つ。
①淡路島を元気にしようというプロジェクトを推進するため。
②Z-FUKUSHI labというプロジェクトを通して、福祉のなかでケア以外の何ものかを探っていくため。

①淡路島のプロジェクトにおいて森本さんは、映画『最強の二人』さながらのオジサン2人と共に、プロジェクトの共同代表をされているそうで。
オジサン2名のうち、一人は難病を抱えておられる。そして、その方は自分が動けなくなった後も、淡路島を幼い我が子らが愛される土地にしようとプロジェクトを立ち上げたとのこと。そしてそれに賛同し行動に移した森本さん。
淡路島には2022年から大きく関わるようになっている森本さん。具体的な活動としては、空き家をリフォームしてフリーで貸し出すなどされているとのこと。
若いお仲間のお一人が既に淡路島に移住されておられるそうで、その方は農業をしたいのだけれども資金がない→夜に介護の仕事をしながら、日中農業をしようという。
兼業農家として、稼げて、家賃もタダという。プロジェクト全般にめちゃくちゃ興味ありです!

ちなみに森本さんは、森近さんと同じ千葉県浦安出身とのこと。
思わぬご縁に「ヤバい! ヤババ!」を連発する森近さん。声が過去一出ている回。

② Z-FUKUSHI labは、2022年3月現在立ち上げ中。福祉への関わり方としてケア以外のものを探していくというもの。ただし、世代限定ではなく間口は広く、という感じ。
ホームページを拝見して、森本さんの挙げるキーワード“発酵”について私見を。
発酵には、長い時間を必要とする(長期的な視点が必要)。
一度発酵が始まると、長く続く成果が得られる。
人の手を入れなければならないが、最終的には自然(相手)に委ねなければならない。
どこかで期限を切っておく必要がある。
腐敗と表裏一体である(人の役に立つ腐敗が発酵)。

発酵の視点って、介護福祉にとても役立つように思うのです。

若い森本さんが「今の福祉に思うところは?」という問いに対して、
まず良いところは、シンプルに楽しいこと。
「こんなにも人とちゃんと関係を築きつつ、報酬をもらえるって、この仕事しかないのでは?」「現場にいなかったらまず経験しなかったであろう刺激が得られるのがステキです」とのこと。
刺激を求める人、森本さん。
そして良くないところは、森本さんの世代で現場に出ている福祉の者が見当たらないところだそうです。同世代の仲間を増やしていきたい森本さん。
Z世代(同年代)が少ないから、マイノリティとしての抑圧・モヤモヤがある。
福祉の業界は、オッサンズが上層で幅を利かせている。現場は女性が多いのにね。

吉田さん曰く「多数派になるって大事」
介護って、仕事が嫌いで辞める人はほとんどいない。人間関係や待遇で辞める人が多い。

森本さんは「学生からすると、高時給だから学生こそやればいいと思います」と。そして「マイノリティへの偏見も改善されるし、哲学好きにめっちゃしっくりくると思うんです」と。

映画も、草彅剛の『ミッドナイトスワン』とか見るのが好きな若者が福祉業界にフィットするのじゃないかな、と吉田さん。
吉田さんは、平家物語が好き。諸行無常の世界観。
平家物語は、あまり改善が見込めない疾患…認知症や精神障害や身体が動かない障害などと関わることにつながるという。
答えにない問題を解いている(或いは向き合う)面白さにつながっている。
どういう人に向けて発信したら、福祉に興味を持ってもらえるか? 森本さんは、哲学好きとメッチャ勉強したい人に向けたらイイんじゃないかと考えている。
夜勤は、空き時間勉強し放題だし。
福祉に関わる若者を増やすには、哲学科とかに講演に行ったり、大学の哲学サークルと関わるといいのかもしれない。

35分47秒 吉田さん曰く「ウチの恵梨子がやりたい放題」と。そんな森近さんも哲学&勉強好き。
実はこの業界には哲学好きが多いという。そして人類学も欠かせない。
吉田さんがオススメする本が『ボディサイレント −病と障害の人類学−』。
著者が病を得た自分の身体をフィールドワークするノンフィクションで、美談だけでは終わらない観察眼と考察に、吉田さんは幾度も肚落ちしたという。

森本さんのこれからの夢は、Z-FUKUSHI labを通じて主に同世代の、福祉に関わりそうな人々と丁寧に関係づくりをしていき、また、色んな事業所とコラボしていきたいことなのだそうです。
“一番影響を受けやすいのは、同世代である”

現在アブラのノっている森近さんの世代には、HEISEI KAIGO LEADERSがある。
秋本可愛さんが立ち上げたコミュニティで、元々は介護福祉に携わる若者のお食事会からのスタートだったという。

Z世代の皆さんは、森本さんの肌感では「ケアへの思いが強く、それ+キャリアアップも考えているのが特徴」だとか。
ケア+αの何かを身につけたいと考えている。採用にも関わっていきたい、と。
同世代では、ムスブンの萌芽さんと繋がるのも良いのでは?と吉田さんからの提案が。

ジェネレーションの話題になると、オッサンというワードを連発する吉田さんに対し、森本さんから、「オッサン、オッサン言ってたら、本当にオッサンになっちゃいますよ!」とツッコミが(この回以降、Radio現場では、オ○○ンは放送禁止となりました)。

吉田さん、トーンを変えてこんな話を続ける。
「訪問介護では55歳が労働者の平均年齢で、さらにこの業界の有効求人倍率が15倍。一般の有効求人倍率は(2022年10月31日現在で)1.34。
有効求人倍率は、高いほど働く場を探しやすい(例えば、0.5だったら2人のうち1人はあぶれるということ)。
以上の数字から、どう考えても業界はジリ貧である。
吉田さんは、Z世代に介護福祉業界で働いてほしいと願っている。

森本さんは、淡路島のプロジェクトで「思いがけず福祉に関わっちゃった!」というロールモデルになりたいとお見受けしました。
福祉=弱きを助ける正義 とするならば、ふと気づいたら正義を執行していたというそんな関わり方。自分はそんな風にイメージしております。
吉田さん曰く、外国人労働者は、制度的に増加が見込めない。ロボットもどこまでマンパワーの代替になるか分からない。
とすると、地域の人に入ってもらうか、若い人に参画してもらうしかない。
外国人実習生等について、森本さんは、
「コミュニティがないのが一番ヤバい」「日本で日本の人と関われるチャンスがほとんどないから、継続できない」とのことで。
『僕は友達が少ない』どころか、「私ハ友達ガ居ナイ」のハガナイ状態。

森本さんのような志の大きな方を拝見して、オ〇〇ンが思うこと。
次の世代が輝き始めた。
バレーボールでたとえるなら、主力選手だけでなく、若手も育ってきた。
そんな若手に早めに粉かけて、見捨てられないようにお願いしたい。
そう思うのは、吉田さんだけでないハズで。少なくとも私もそう思うのであります。

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