パスポートにまつわる物語

数年前のこと。友達が離婚しそうだった。
原因は、旦那さんの不倫。

証拠を掴んでいた。

旦那は、自分に非があるため、話し合いを拒否して逃亡。

離婚したら、一緒に近場の海外に旅行する約束をしていて、わたしは楽しみにしていた。パスポートが切れていたため、旅行に備えて申請した。

石田純一が言っているように、不倫する人からしたら「不倫は文化」なのかもしれない。

不倫していることに、気付いてほしいとしか思えなかった。本気で、GPSを仕掛けられていることに気付いていないとしたら、よっぽど間抜けだと思った。

その後、何があったか知らないが、旦那が改心したらしい。友達には悪いが、改心しないと思う。

「行くなら韓国か台湾がいいね」と話していたけど離婚しなかったので、旅行の話は白紙になった。

その頃、わたしには空前の韓国ブームが到来していた。たまたま見たドラマが、きっかけだった。俳優さんは、背が高く、塩顔イケメン。女優さんは、スタイル抜群で、かわいい。おしゃれな服を着て、おいしそうな韓国料理を食べている。

すっかり韓国に魅了されていた。

1人でも行くつもりだった。そこへ日韓関係の悪化。あえなく断念。韓国は遠くなった。

パスポートは、なぜか5年にしたため、またしても切れる予感。

素直に「よかったね」と思わなかったからかな。離婚しなかったら、いつまで経ってもグチは止まらない。そして、それを聞くのは、わたし。

友達は旦那さんと別れなかったけど、うんざりしたわたしが友達と別れることにした。