白夜行 東野圭吾
文庫本で借りて読んだけど、一冊であのぶ厚さを読了したのは初めて。文庫本の厚さってあれが限界だよね???ってくらい。単行本だったらハリポタくらいにはなりそう、、、調べたけど出てこないので今度本屋に偵察しに行こうと思います。読み始めるの億劫だったのに、第一章を読んでしまったらもう虜で手放せなかったよ!最終的に3日に分けて読んだけど、ラストに向けての高揚感が、東野圭吾読んでるぅ〜!!って感じ。色々種明かし読んだ後で、もう一回あのシーンもこのシーンも見返したいとは思うんやけど、とにかくもう長すぎてそんな気力はない。またいつか忘れた頃に読み返したい。
ミステリー小説は本当に最高の娯楽だ!!!!ベストセラーなのも当然頷けるが、この緻密な物語を多くの人が読んだという事実にもはや震える。ドラマ化や映画化もされたらしいけど、あの物語をどう映像に落とし込むのだろうか、、、。気にはなるけど、結末の分かっているものを進んで観る気にはなれないなぁ。
少し関連性の片鱗は見えるけど、でもどう繋がっているのか確信が持てないストーリーが5.6つくらい並行して進んで行く。交わりそうで、交わらない。じわじわ焦らされて、ようやく最終章でバチコーーーーン❗️❗️とハマる。その瞬間が最高に気持ちいいし、東野圭吾の醍醐味だと思う。というか、そもそもミステリーってそんなもんか。でも長編小説であるが故に、その焦らしが最高に盛り上がる。ただし、時系列がバラバラだし、ヒントがあちこちに飛んでるので、最終的にまとめサイトで1つずつ答え合わせをして納得するまでの作業がありましたが、、、。
やっと感想。
まず、裏表紙のあらすじを読んでなかったので、結構終盤まで、誰が主人公なのか分かっていなかった。それくらい登場人物が多いし、全貌を知らないので、混沌としていた。主人公は雪穂と亮司の2人だけど、その2人が繋がっているのかもと考えたことも無かった。それくらい欺かれていたとも言える。ほんで、私は気付かなかったけど、まとめサイトで、その主人公2人だけ、主視点で語られていなかったそうな。そう言われれば、、、と読み終わって言われて気づく。正直雪穂は、最初から薄気味悪かったしうざい女と思っていたから(結局はうざいでは言い表せないほど悪質ではあったけど)、亮司と関連があるとは分かんなかったのよ。亮司も良い奴では全然ないけど、なんか憎めないなぁって感じやった。悪の道に加担しているけど、所詮は子供騙し、みたいな。まぁ結局ヤバいこと沢山してたけど。ほんで雪穂も悪質とは言ったが、彼女も小学生時代に受けた性的暴力が原因で色々ねじ曲がった人格を形成してしまったわけや。亮司も、それを目撃したことで実父を殺してしまう。正直、亮司父がおらんかったらこの物語は始まってなかったわけや。(と、ここで思いついたけど、『昔僕が死んだ家』でも、オチは義父に性暴力されてた、みたいな感じじゃなかったっけ???)雪穂は自分が美し過ぎるが為に、そんな不幸を受けてしまう。とっても可哀想。だから、その不幸の始まりである自分の美貌を武器にして、あらゆる犯罪に手を染めたんだねぇ。
ところで白夜行というタイトルですが。亮司は自分の人生を白夜だと言い、雪穂は自分には太陽に代わるものがあったので、夜しかない人生に、偽の太陽で昼を無理やり作った的なことを部下に言っていました。
えっ、亮司の人生白夜なの????極夜じゃなくて??それは、雪穂と対になってるという意味ですか。自分が昼しかないからそれで雪穂の足りない部分を歩いてたの?それとも、自分にはリラックスして落ち着く暇もなく、日々太陽に当てられて過ごしてきたということ??どちらにしろ、やはり、雪穂を闇から引っ張っていく存在として亮司は生きていたのではないか。
2人の間にあったのは、愛か、頑丈な絆かということを考えてしまうのは当然のこと。これは誰もが知りたがってることや!私は後者派。だって、彼らは愛に溺れることはクソしょーもないって思ってるハズやから。信じられるのは、金と両者間の絆だけや。その絆が愛に変わってしまった時点で2人はオワリな気がする。
しかし幼少期に犯した罪があったにしても、それは完全に成功してるし、なぜそれ以降も犯罪を重ね続けたんだろう2人は。雪穂は、貧乏暮らしのせいで性暴力を受けたから、人一倍金に執着するのは分かる。でも亮司は???元々父親を殺したのも金目当てではないから、雪穂とタッグを組んで悪を続ける必要がなかったのでは???でもやはり、雪穂と関わり続けたかった。その為には、雪穂の右腕でないといけない。やはり愛ではない。ビジネスライクでもない。2人で1人なんやわ。