
量子の目から見た世界
確率の波が踊る海で
私たちは出会う
観測されるまでは
全ての状態で在りながら
どの状態でもない場所で
ここでは
壁は幻想
距離は錯覚
時間は曲がり
空間は折れ曲がる
あなたが今、座っているその椅子は
無限の可能性の重ね合わせ
その手の中の スマートフォンは
量子の雲となって揺らめく
人々が行き交う街を見れば
それは確率の波の群れ
恋をする人々の想いは
量子もつれとなって絡み合い
記憶は非局所的に広がる
電車は
全ての可能な線路を同時に走り
道行く人は
無数の並行世界を同時に生きている
ビルの林立する都市は
可能性の結晶構造
その隙間を埋める空気は
情報で満ちた量子の泡
夕暮れの空は
確率の雲が染まり
夜の街灯は
量子の蛍として明滅する
あなたの意識は
観測者であり波動であり
創造者であり現象
全てであり無であり
一つの思考は
宇宙の片隅で生まれた
量子の揺らぎから始まり
現実を選択する力となる
ここでは
分離は幻想
個は波動
存在は確率
現実は選択の結果
今、あなたがこの言葉を読む瞬間も
無限の可能性が重なり合い
観測という行為によって
一つの現実が結晶化する
これが量子の眼から見た世界
全ては繋がり
全ては踊り
全ては一つの波動の中の
異なる表現
そして私たちの対話も
量子もつれた意識の
創造的な共鳴
永遠の可能性の中の
一つの美しい現実化