係争している場合ですか?~【解説】人的資本可視化指針(第25回:KPIシリーズ)
人的資本KPI。コンプライアンス関連では「第三者や外部にゆだねられた係争」です。第三者や外部、いわゆる弁護士やら仲介者に解決を任せて、というか、ゆだねられた内部係争ということで、内部係争に対する企業の取り組みを測る指標です。企業同士・企業間の裁判沙汰とか訴訟行為は除くということになります。
「係争」と言うと、なんだか穏やかではありませんが、「対立」という事実が存在することが前提になります。社長と反社長派が対立して喧嘩したり、改革派と守旧派の対立して度々衝突そいたり、経営陣と株主が対立してまともな交渉がされなかったり形態は様々ですが、争い、諍いなどのレベルを超え、双方ではいかんともできなくなったレベルの「もめごと」になります。会社というのは様々な利害が複雑に絡むので、それなりに係争の火種はあるといっていいでしょう。具体的には、やはり金。金額を巡る紛争です。お金をめぐっては基本的な係争でしょう。それは報酬だったり、賞与だったり、退職金であったり。あとは、人事関連です。取締役や監査役の地位・解任を巡っての紛争や降格処分をめぐってだったり、登用だったり等々。最近は外部取締役が解任された会社もありましたが、経営層の役割をどうするか、おろすか、登用するかなど、まさに「戦争」みたいな骨肉の争いになるケースもあったりします。その他、経営権・株式獲得の紛争などの争いがあります。もちろん、ステークホルダーである株主を巻き込んだり、様々な形態がみられます。
言い争い
批判・非難・糾弾
喧嘩
対立
を越えた「紛争」ですから、一緒にチームで協力し合って仕事をする、ワンチームの精神も分裂しているような「分断」の状況。双方、「顔も見たくない」という悲しいかなそんな状況です。
スポーツで試合するという紳士協定もないドロドロの状況の場合も多いものです。
可視化すべきか?
指標としての有用性は「〇」と言う評価です。ビジネスはお互いの利害関係が錯綜します。当初合意していた事情が変わってしまって、損をどっちが引き受けるか、のチキンゲームのこともあるかもしれません。損を引き受けてもいいが、そうするとこちらの社内の人事評価や立場が悪くなるのでそうした対応ができない、いや、それどころか感情的にあいつムカつく、といったレベルの争いの可能性もあるかもしれません(意外にみなさん本音は高尚な人格者ばかりではないものです)。
そんなごたごたの存在を投資した後、ら知ってしまったらどうでしょう。投資家として、おいおいって思いますよね~。
紛争数がわかれば、
・大きな利害対立の存在
・人間関係など派閥闘争の存在
・幹部会議は「内政干渉」を恐れて全体より所属部署の利害優先
・利害対立を調整する機能が弱い
・幹部の相互協力度の弱さ
・ONE FOR ALLの精神が定着していない
・共存共栄の組織風土ではない
そういったものの存在や可能性も予測しやすいものです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?