【人財育成論37回】仕事を「面白い」と感じる方法
心理学的に「面白い」という場面について考えてきましたが、今回は少し心理学的に見ていきましょう。ワークエンゲージメントという考え方があります。仕事に関連するポジティブな心理状態のことをいいます。活力、熱意、没頭によって特徴づけられます。
この熱意と没頭に影響があるのが「面白さ」という感情であると筆者は考えます。「面白さ」について、各国事情を踏まえて研究した素晴らしい研究があります。明日山陽子さんの研究です。ご紹介しましょう。
日本はとにかく「面白さ」が低い
なんといっても、みなさんもわかると思うが、日本の「面白さ」に関する数値は低いんです。明日山さんの研究におけるデータ分析では、
ということが明らかになっています。面白いという人が少なく、面白くないという人が多く、全体的スコアも低い・・・・もうどうしようもない状況だと言えます。日本のビジネス環境の劣悪さが裏づけられる結果となりました。
要因は?
明日山さんの研究を深堀っていきましょう。
とのようになるそうです。3つの要因、
①興味関心とマッチするか?
②社会的意義があるか?
③【海外】自律的にできるか?、【日本】人間関係がうまくいっているか?
ということです。日本と海外では要因が少し違うというのは文化だからしょうがないですかね。簡単にいうと、日本は仕事の面白さは仕事の自律的にできるかどうかが低く、関係性が重要であるが、仕事を自律的にするのは日本のビジネス文化では難しいと報告しています。
話を転じて、どの国においても、やはり大事なのは、興味関心とマッチさせることのようです。
興味関心とマッチさせるために、ではどうする?
興味関心をマッチさせるために何が必要か?そもそも、興味関心を持てる魅力的な仕事を会社は提供できるのか?という永遠の課題があります。多くの人は、自分で「興味関心」を持てる仕事を選択していないことのほうが多そうです。特に、組織から与えられた仕事になんとか「興味関心」を見出さないといけないわけです。「仕事がちゃ」という状況かもしれません。
方向性としては、個々人が自分のキャリアを考え、「興味関心」を持てる仕事を選択することが1つ。もう1つは、やはり組織が与える仕事をその社員にマッチさせるべく努力することです。とはいっても、与えられる仕事の性質は変わるものではないです。なかなか難しいですね。
会社は「仕事の面白さ」を定義しているか?
それはそれで、個々の事例を通して経験を重ねて、「仕事の面白さ」をもってもらうよう、トライ&エラーをやっていくしか人事課はないのでしょう。
・その会社での仕事の面白さを思考する
・「魅力的」と思われる仕事を増やす
・一見「魅力的」と思われない仕事に意味付けを可視化する
・面白くない支流を分析する
そのために、まずは仕事の定義、条件の整理、要素の分解をしていくしかないでしょうか。頑張っていきましょう。