我々を悩ます「人間関係」って?!~組織改革論⑤
「仕事の面白さ」に関する調査研究があります。「仕事は面白いですか?」とアンケート調査をして、その回答を分析したものです。日本の数値はもちろん低いそうです。
ということが明らかになっています(筆者記事参考)。面白いという人が少なく、面白くないという人が多く、1人当たりの平均スコアも低い・・・のだそうです。
さらに、面白さを規定する要因は何かというと
①興味関心とマッチするか?
②社会的意義があるか?
③【海外】自律的にできるか?、【日本】人間関係がうまくいっているか?
ということが理由だそうです。日本では、特に人間関係は重要だということです。よくみな口にしますしね。
人間関係って何?
そもそも人間関係っていったい何?って思いますよね。上司部下関係、指示命令系統、協力度、つながり、絆、、、、人間関係の定義も難しそうです。
人間関係とは「集団や組織内における人と人との関係、特に成員相互の間の心理的関係を指す言葉。感情的な対応を含む人間のつながり方や、集団を構成する人間のつくり出す力動的な関係、仕事を進めていくときに必要な対人関係の円滑化の機能などを意味」だそうです。なんともあいまいですね。なんなんでしょうか?図で書くとこんな感じでしょうか?
個人にある行動特性・特徴・性格があり、人との関係があり、全体で組織が回る。つまり、個々人が前提にあって、1対1での関係、複数間での集団内関係があるという感じです。ますますわからなくなってきていまいました。
日本の職場の人間関係の「問題」
日本の職場は、表面上では仲良くやっているように見えるけど、本音の部分を隠さず、直接ではっきり言わないケースが多いように感じます。はっきりいえばいいのに、感情的反発を予測して避けたり、傷つけないように配慮したり、自分が言うと悪者になるのが嫌だとか、空気の過剰配慮が蔓延。議論するときにも、悪い意味にとらえられないように、相手のプライドを傷つけないように、予防線を張ることも多いでしょう。他方、少しでも意見が強いと、相手は「否定された」ととらえる、感じる人も多い印象です。論理的に話していても、感情的に、自分の都合のよいように解釈する人は結構多いものですから。ほんと、もやもやします。
ちょっと整理すると
・属性・関係性(友人か、知り合いか、仲間か、所属を同一するか・・・・・)
・コミュニケーション行動(頻度、回数、1回あたり時間・・・)
・コミュニケーション性質・レベル(挨拶、会話、共同行動、深いとこまで議論・・)
・関係性度合(信用、信頼)
・事実の積み重ねと、その特徴
みたいな感じで構成されるのでしょうかね?
人間関係は仕事のやり方に起因する?
最近の企業では、退職理由の第一が「人間関係」というケースも多いのですが、いったいなんなんでしょうかね?あいまいにして本当の要因(上司の過剰な介入が嫌だとか、仕事のやり方が前例踏襲すぎるとか、職場のルールが面倒くさいとか)を隠しているのかもしれないと個人的には邪推しています。
好き?嫌い?近づく?離れる?
仕事での人間関係は友人関係とも違う気がします。共通の目的があり、それを達成するために、それぞれに役割があり、役割を果たし、そのために協力する。そこでは、たんに人柄がよいだけどか、配慮ができるだけでもダメなんでしょう。仕事における役割を発揮できなかったり、ルールが守れないと、「おいおいしっかりやってよ」ってなりますよね。まわりが自分の期待通りに行動をしてくれたら、人間関係が良いと思ってしまうし、まわりが自分の期待通りの行動をしてくれなかったら、人間関係がよくないって言いがちなのかも。
相手がこちらの事情を理解してくれなかったり、相手のやり方・手法が理解できなかったり、相手の視点が違うような気がしたり、そんな出来事が積み重なり、それを勝手に解釈して相手に不満を持つのかもしれません。
結局、人間関係は相互の姿勢や違いを尊重したうえで、対話を徹底して、相互理解するしかないとは思います。けれど、ビジネスシーンはそんな時間もありません。また、人間は感情的な生き物で、派閥闘争、ボスと子分関係、損得勘定もあります。集団になると、権力関係(いわゆる政治)の中で、人間関係も大きく影響を受けます。
結局、人間関係はケースバイケースで考えていく必要がありそうです。