ブルシット・ジョブにも意味はある???
こんな仕事、お金もらってるからやるけど、ほんとくそみたいな仕事だなー
とか
目的のない、仕事のための仕事だなー
とか思ったことは誰しもあるでしょう。
これらは「ブルシット・ジョブ」(Bullshit Jobs)と呼ばれている仕事のことです。無意味で、不必要で、有害でもある有償の仕事、雇用の形態のことと定義されています。皆さんも思い浮かぶ作業があるのではないでしょうか。生産性を下げるなどかなり批判的に語られる仕事、はたして意味のない仕事なのでしょうか。
ブルシット・ジョブとは何か
ブルシット・ジョブの条件は、目的や内容が、人々にとって「重要ではない」「つまらない」「価値があるとは思えない」ということになります。
類型としては
・取り巻き (flunkies)
・脅し屋 (goons)
・尻ぬぐい (duct tapers)
・書類穴埋め人 (box tickers)
・タスクマスター (taskmasters)
という分類があるらしいので紹介しましょう。
取り巻きは、ある人を良く見せる、誰かを偉そうに見せるため仕事だそうです。例えてよく言われるのは、ドアマンなどが当てはまるとのことのようです。誰かの見栄や権威付けのために成立する仕事言うところでしょうか。脅し屋は、顧客のために相手を脅すようなロビイストなり、顧問弁護士だそうです。総会屋、脅迫を使う反グレといったところも当てはまるのかもしれません。ビジネスは競争でもありますので一定程度のソフトな脅し屋のような役割は存在するのは普通なのかもしれません。
尻ぬぐいは、欠陥やバグを修正したり、誰かの失敗を是正する仕事だそうです。これは場合によってはよくありそうですね。プログラムのバグという小さいものから、炎上した時の対応やお客様への「失敗」とみなされるような大きなもののトラブルシュータ―など幅広いでしょう。書類穴埋め人は、ゴミになるような資料、誰も真剣に読まないドキュメントを延々と作る仕事だそうです。これも多くありそうですね。コンサルタントなどがこれであると指摘されています(笑)
タスクマスターは、仕事をふるだけの仕事だということです。管理職ではそういう部分も多いですよね。
ある意味うらやましい仕事も中にはありますが、総じて働く人のモチベーションや能力や下げる・停滞させる、成長する機会を奪うようなものであることのようです。
ブルシットジョブは生産性を下げるのか?
「ブルシットジョブは生産性を下げる」という主張を多くの人がしています。たしかにその通りでしょう。本質的な仕事を求める人や特にホワイトカラーにとってはそうかもしれません。特に相手を脅して足を引っ張る「脅し屋」のような仕事などはまさにそうかもしれません。皆さん納得することも多いでしょう。
確かに、目的が不明な仕事、仕事のための仕事、能率的ではないやり方の前例踏襲の仕事・・・・これらが生産性を下げていることは事実でしょう。
しかし、すべてが「意味がないのか?」と言われるとそこには疑問を感じることもあります。組織として、必要性があるかもしれないということです。個人的にはあまり好きではないですが(反発していた方ですが)、権力や威厳を示すための仕事や業務ってありますよね。全体集合会議とか儀式のようなもの、訓話みたいなものです(笑)。組織というものはその政治的な文脈、権力関係の中での生きている、動いているものなので、ある面は仕方ないのかもしれません。組織というものは不合理な要素も内包するので、仕方ないところでしょうか。
ブルシット・ジョブは意味があるのか
ブルシット・ジョブは、多くの人にとって「どうでもいい仕事」「やりがいのない仕事」なのは確かです。ただし、注意しないといけないのは、意味のない・意義の低い仕事であっても、お金をもらえればいいと考えている人も一定層、存在するということです。人々を働かせるために存在する仕事、雇用確保という意味があるかもしれません。
若いころ、ある会社でルールに従って書類を裁断する仕事をしていたことがあったのですが、それもルールを順守する作業、そうした役割だと思ってやっていました。つまらなかったですし、今になると暇だったなーとか、思うのですが、その仕事はもともとの目的を確認したら、法律順守のためでした。
また、書類作成仕事が「意味のない仕事」とされることが多いですが、経営に貢献しない仕事という意味合いで「ブルシット・ジョブ」と批判されてしまいがちです。特にコンサルタントなどの仕事がそういわれます(笑)しかし、お客様や上司の判断してもらうためにも選択肢を多くする必要があり、書類が大量に作成するのかもしれません。詳しい事情を見ないとなんともいえません。
つまり、「ブルシット」かどうかを評価する軸をどこに持っていくか、次第なのでしょう。仕事の上位目的とそのものの目的、組織においての必要性、役割、そういったものを踏まえた上で考えたうえで、「ブルシット・ジョブ」を削減していくべきでしょう。