恋愛のその先
昔、美輪明宏が恋愛について持論を述べていた
「恋と愛の違いが分かる?」
「恋は自分本位、愛は相手本位、恋から愛の世界に行ってしまえば愛を与える存在になれる。恋で終わるのか愛までいけるのか……恋愛中は相手本位になったり自分本位になったりするから1番楽しい。」
みたいな内容だった気がする。
恋しか知らなかった当時でもめちゃくちゃ納得した記憶がある。
結婚6年目、子供も2人いる現状では恋なんてしている場合ではなく否が応でも相手を受け入れざるを得なくなった。
今、夫から「好きな人が出来た」と言われたら、そりゃそれなりに感情はザワつくとは思うけれど彼が決めた事で彼が幸せになるのであれば…っと最終的には納得すると思う。私と彼の関係は恋成分が大分少なくなり割合として愛の成分が多くなってきたのだと思う。
自分を優しく捨てていく
恋愛が終わり、生活が始まり子供まで生まれるといよいよ自分の優先順位は下の下の方になってくる。
全く無くなる訳では無いけれど、それでも優先すべきは子供と夫、家族になる。
私の場合、それが決して絶望的な訳でも無く、寧ろ気持ちよく自分というモノから解放される感覚まであった。他人を優先しても尚残る自分的なモノが1番大切なのであってその他の贅肉的な自分は必要無かったのかもしれない。
恋愛って自分を優しく捨てていく前段階のようなモノで恋愛のその先の方が私にとっては重要だったのだろうなと思う。
恋は未熟なのか
決してそんな事は無く、恋も貴重な経験だと思う。
特に自分本位な相手によって傷つく経験は恋の醍醐味と言っていい。
逆に自分本位な自分が相手を傷付ける場合もある。コレを怖がってはいけない。相手だって恋に傷つく権利があるし経験する権利があるからだ
自分や人を傷付けてまでする恋ってする必要があるのか?と思わなくもないけれど、そんな理屈で片付かないのが恋だから仕方がない。落ちてしまえば底まで一気に落ちてしまう。
そんな恋に重要な事があるとすればそれは「誠実でいる」という事だろう
寧ろ、それぐらいしかできる事がないと言っていい。
相手を傷つけるからと自分の気持ちに正面から向き合わず、中途半端なままの気持ちに傷つく相手はたまったもんではないと思う。
ちゃんと向き合って、自分の気持ちを相手に伝えるしかない。誠実に、例え傷付けるとしても…
明日、世界が終わっても後悔がないか
とは言っても誠実でいる事は難しいと思う場合の究極はコレだ
私は夫とちょっと喧嘩っぽくなって心底恨めしく思っていても「明日、彼が仕事に行ってそのまま交通事故に遭ったら…」とか本気で考えて怖くなって仲直りしてしまう。真面目にこの世界観で生きている。なんだ文句あるかっと思っている。
傷付くとは気付くこと
そんな「恋とは傷つけ合うもの」みたいな恋愛ガチンコファイトクラブみたいな思想を持つ理由はもう一つあって、人は傷つく事で気付く事があるからだと信じているからだ。
これは恋愛だけでは無く、映画を見たり音楽を聞いたり漫画や本を読んだりして心に傷がつく場合がある。
傷が付く事で新しい自分や価値観に気付ける。
作り手が誠実であればある程そうだろう。
恋愛もそれと一緒なのだ。
そして、相手が居る恋愛でしか傷が付かない部分があるのだろうと私は思う。そこが恋愛をする意義だと信じている。
……
ま、でもずーっとリングに立ち続けるのも辛いとは思うのでセコンドにも回りつつ恋愛ファイトを楽しんで欲しいと心から思うし、未だに夫の何気ない言葉で傷ついてしまう私も楽しんでいるだろうなと思う。
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