麗和落語~二〇二三 春の陣~ 第二陣 2023年4月22日昼の部 見に行った備忘録
和久井優さんが出るから行った。
ホントに行ってよかった。
晴れ。なんとなく寒い。
電車が8:55くらいのやつなので、平日と同じ時間に起きた。
平日の疲れと、5月にするつもりだった親知らず抜歯が夏に伸び、聞き分けのいい豚になっていた自分に辟易としたのと、なんとなくその歯の辺りが痛いような気がするのと、背中も痛いし肩もこってるし、思ったよりもかなりこの落語が楽しみなのも合わさり、前日あまり寝られなかったため、電車で爆睡した。
爆睡も爆睡し、新宿まで人が隣に座っているのにも気がつかなかった。隣の人はご老人で、新宿で同じく降る際に、なぜだか優しい口調だったし、降りるとき小さくお辞儀してくださった。私はどれだけ幸せそうに眠っていたのだろうか。
開場の武蔵野芸能劇場は、三鷹駅から徒歩3~5分で、迷わずにたどり着けた。
武蔵野芸能劇場小劇場
最上階の3階くらいで麗和落語はやるようで、おそらく見に行くであろう人々と階段を登った。
ロビーに着く。応援ビジュアル企画A1の写真およそ20基が正面に現れた。こじんまりとした小劇場らしいロビーの窓際に、ズラーっと並べられている。
応援ビジュアル企画そのもののイメージは、単身でキャストに花を贈るのと同じだろう。展示された応援ビジュアルに演者がサインしてくれる。展示ありの応援ビジュアルは抽選で、私は落ちた。全部合わせて20基くらいなら確かに落ちるよなと納得した。
応援ビジュアルは、思ったよりも演者がメッセージとかを書いていた。購入者はグーグルフォームでいろいろ入力し、その他なにかあればと備考欄があった。サインされていたメッセージからして、購入者はその備考欄にキャストへメッセージを書いてたのか? という感じだった。真意は不明。
私は展示なしの応援ビジュアルを購入した際に、本当に備考欄を備考欄として利用し、「敬称や呼称とかも、なんかフィーリングで書いてください。それが嬉しいので」って書いたの、マジでやばいなと思った。
超上から目線の購入者お客様野郎。想像力がない。オレのような人間がスーパーでお菓子の棚にいらなくなった冷凍食品を置くんだ。想像力がないから。ホントにすみません。
あとA1サイズ思ったよりも大きい。スゴイいい。どうやって飾ろう。
ブロマイドなどのグッツも売っていた。スタッフさんが羽織っていたジャージの柄が完璧に私が着ているのと一緒で、一緒だなと思った。
席は先着購入した二列目の端っこだった。
販売時間に待機していたのにも関わらず、接続できませんとメッセージが出て、とにかく慌て、適当に前の方を選んだ結果の端っこだった。
いやー近い。一列目と変わらない。3~4メーターで壇上くらいの距離。目視できる距離はありがたい。これくらいの距離感の場所ならば、二列目のが私的にはいいかもしれない。これからはそうしようかなと思うくらいにはいい席だった。アングルがいい。
ステージの中心に高座台とマイク。こちら側の端っこに演目をめくるやつがある。落語はよく知らないが、イメージ的にスゴイ落語の舞台セットだ。
客席も座布団。申し訳程度の綿が詰まっているパイプ椅子や、カチカチで木製で椅子と言うより木をなめしたヤツみたいな椅子を座ってきたから、本当にふかふかで10cmくらいある座布団はありがたい。
この座布団のおかげで、私の尻の寿命が伸びたといっても過言ではない。
この座布団のおかげで、これからいろいろな舞台とかをさらに見れる未来ができたといっても過言ではない。
演者による前説がスピーカーからして、拍手と笑いの練習をした。
本編
一発目の夢幻泡影からめっちゃ面白かった。
落語の内容が現代のモノになっていた。
体全体で話しをしている。言葉の繰り返しが多く、面白さを積んでく感じがイメージの中の落語そのままだった。
夢幻泡影は、毎日会社に遅刻するOLが、様々な「~~だったらいいなーー」になっていく。いやー面白かった。
綺羅星は、簡単にいえばシンデレラ的話。いやー面白かった。落ちも秀逸。中央線が話に出てきて、乗ってきたから面白さも倍だった。
舞台袖から出てきた。紫色の座布団に座ってお辞儀するのいい。
着物姿、よ。
和久井さんは落語に入るまでの小話で、ぬいぐるみたちに向かって練習していた話しをした。笑いが起きた。私は頷いていた。ぬいぐるみたちの話が出てくるとラッキーな気分になる。
落語に入ったときの切り替わりが良かった。
和久井さんは、「かくかくしがじか」と「零」をやった。
かくかくしかじかは、二人が会話するのを一人でやるやつだった。
5年ぶりに会った友達にくだを巻かれる女、ヨーコ。
5年ぶりにあった友達にくだを巻く女、ハナ。
くだを巻かれるヨーコは、鋭くツッコミする方。
くだを巻くハナは、ぶりっ子のような感じ。
右と左に身体ごと動いて二人を表現する演じ方が、もうかっちり変わってた。良い。表情筋も声音も違う。良ーい。すげーって小さく声が出たくらい凄かった。迫力あった。
私はくだを巻く女、ハナ側にいた。目を丸くしたり、満面の笑みをしたり、どろどろに落ち込んだり、端っこだったから真正面からみれた。ほうらないでも見て死ぬほど笑った目ん玉丸くなるやつが生で見れて得した。
話の展開も秀逸だった。くだを巻く友達が彼氏と別れた話しをする、だけのはずが、どんどんエピソードがでてきて5年分になる。話の転換の「で!」 が繰り返し出てきて、ドッとなり面白い。「で!」が出るたびに何かが起きるから面白い。
めちゃくちゃうけてた。私もめちゃくちゃウケてた。肩を揺らして笑ったという表現の権化だった。着物姿、よ。
「かくかくしかじか」が終わった後に、和久井さんのアナウンスが入って休憩になった。会場の気温が低いようで、前半は笑うたびにメガネがくもっていた。くもりどめをぬったおかげで後半は安心して見れた。
二人落語の零は、施設で育って暗い過去を持つイチカ(役:和久井さん)と、汎用アンドロイド零号(役:横道さん)とのやり取りと間が素晴らしくよかった。
前半は、イチカと零号のやり取りで笑い、後半はドラマティックだった。こういうのもあるんだ。
イチカは暗い過去のある自分が嫌いな女で、ずっと一人でいるから零号を買った。その零号はすごいキャラで、話し方は典型的なロボットのそれだが、本当にロボットなのか? という返しをするので、イチカがバンッとツッコむ。テンポが面白かった。やっぱ和久井さんのやる強いツッコミいい。和久井さんの声のおかげで強くても優しさが残る。
横道さんが過去の回想でいろんな人を演じて話がわかりやすいし、こんな見せ方でキャラの深掘りできんだなと思っていた。
前半の色々が伏線になり、後半で爆発する気持ちよさがあった。施設の男は今のイチカに思い出してもらうためにブスといったのだろうが、改めろやとじんわり思っていた。
すごいドラマティックな後半で、鼻をすする音がそこかしこからした。私も泣きそうだった。座布団のうえの舞台って感じが強くてよかった。
最後のおまけパートで、和久井さんが緊張で心臓が刺すように痛くなるといっていた。毎回思うが緊張しているように見えないのがホントに良い。
着物姿、よ。
帰宅
昼に終わるのは素晴らしい。まだ明るい。帰る余裕もたくさんある。
満足感と笑ったおかげで帰りの2時間の電車で爆睡し、かなりスッキリした。最近残業続きだったが、身体と心が軽くなったのが実感としてあった。しかも一週間分の食料も買って帰れた。元気がありあまっていた。
昼に終わるのは素晴らしい。まだ明るいまま家に帰れたのはいついらいだろう。外が暗くないだけでテンションがアガる日が来た。狩猟民族が狩りにでて、ウサギとイノシシをノルマの数、午前中に狩り尽くせた喜びはこんな感じだろう。清々しい達成感にも似ている。
和久井さんの舞台での芝居もっとみたいと改めておもった。
後日サインとメッセージを入れてくださった応援ビジュアルが来た。
和久井さんに書いていただいて、自分の名前の面白さに気がついた。着物姿、よ。