シナリオイベント「線たちの12月」考えたことたち
※ネタバレしかない※
前書き
なんかスゴイよかったから感想とか考えたこと書く。なぜか解説のようになったが、これが全てではなく私が考えたことなのでヨロ。
というエクスキューズ。
■いっぱいでてくる用語定義
コミュニケーション
ここでは広範囲の意味でコミュニケーションをつかっている。
相手との交流、情報の交換伝達によって、相手を知りたい行為は全部コミュニケーション。
よりくだけていうと、相手になんか伝えたい、知りたい、そういう行動は全部コミュニケーション。
だいたいコミュニケーション。
言葉をつかっての会話もコミュニケーションだが、言葉だけの限定的なものを会話といってる。
この2つの定義に当てはまらない時は、フィーリングでいってる。
◆あらすじ
町内会のボランティアで火の用心のヤツをPから任されることになった、咲夜、凛世、透、小糸。
プロデューサーへの連絡は2ペアーで。
活動した日は日報に書いてプロデューサーに提出する。
白瀬咲耶・浅倉透組は、いい感じにやっている。
だが、杜野凛世・福丸小糸組は、少しだけすれ違いがあり……。
一方その頃、短期集中ダンスレッスンに風野灯織が参加。
ふとした出来事で斑鳩ルカにダンスを教わることになる。
◆感想
2時間以上あった。
よかった……。
余韻で言葉が出なかった。
じわあっと心が暖まる、なんて優しい話なんだ。クリスマスにあったかくなれるコタツとかヒーターみたいな話だ。
終わった後、数分声が出ずに画面をみつめていた。なんてことはなかった。
はあ~~~~?! 普通に終わらせらんないのかよ!!
と叫んだ。
この繊細でいろいろ考えさせてくれる話を普通に終わらせろや!!!!!
そういやクリスマスコミュだった。
去年クリパでルカでてたな~~そういや。
でも天井努サーガ※を出すなッ!!!
ここでッ!!!!!!!!!!
(※シーズひいては事務所全体をとりまく天井社長の壮大な人間関係ストーリーを、私はそう呼んでる)
ふざけんな努ッ!!
お前の出るとこじゃねえーーーーーーッ!!!!!!
そういう気持ちをすべて飲みこみこんで、どういう話だったのかを冷静に考えよう。
■どういう話だったか
人は良くも悪くも、見えているものがすべて。
だからコミュニケーションをとって見える部分を増やそう。
そして線を引くように、縁で繋がってけたらいいよね。
コミュニケーションの種類を3つのペアをとおして、④つ見せてくれた。
①相手に自らを開くコミュニケーション。
②少しずつ知ってくコミュニケーション。
③相手の設定を作ったうえでのコミュニケーション。
④伝わればいいなってコミュニケーション
①相手に自らを開いて成立させるコミュニケーション
白瀬咲耶 - 浅倉透
このペアは結構、咲夜から仲良くなっていった。
私は仲良くしたいな~と咲耶は行動と言葉でコミュニケーションをして、””仲良くしたいな情報””をつたえた。
透が書いた、たぶん教師にみせたら怒られるかもって内容の日誌も、咲耶は笑って許してくれる。透が寝るところがないといえば、図書室に連れて行ってくれる。
そんなん仲良くなりたいと直接いってるようなもんだ。
そういや咲耶は過去にアンティーカのメンバーそれぞれの活動を思いやるがあまり、自分の本心を言葉にできなくてメンバーと海で本心を叫び合う、なんてことがあったなあ。
咲耶のそういうヤツをうけた透は、「うすっ」とみずからもコミュニケーションをする。
透は見えてるものがすべて、感じたことがすべてなんだと思う。
だからそれに答えていった。
なんとなくこれがコミュニケーションの理想的なパターンかなー。
最後に「相棒」っていうの、よすぎるよね。
おばばを見つけた「相棒」。
②少しずつ知ってくコミュニケーション
杜野凛世 - 福丸小糸
あまり気持ちを言葉にするのがうまくない二人。その仲良くなるまでの過程は、ただの会話だけでも壮大な気持ちの探り合いになっていた。
とくに小糸。
幼なじみのノクチルと、Pの前では饒舌だが、この子ほんとに人見知りで、あんまり知らない人がマジでこわいんだなと思うくらいに小糸は怖がる。
このペアでは凛世から小糸へコミュニケーションを仕掛けたが、うまくいかず。
二人は初日から日誌を買いに行くという活動を日誌に書き忘れる。
日誌をどうしようかと二人で話し合うだけでも超絶重大事項だ。
しかも小糸は「どうすればサッと帰れるか」の計画を透に話してみたり、そのときかかるBGMも壮大。笑ってしまった。
シーズのコミュで二人がスゴイもつれまくるときによくながれるヤツが低音を効かせて流れ出す。
小糸、そこまでなのか。
でも小糸にとっては、それくらい重大なBGMをひっぱり出すくらいの出来事なんだ。
コミュニケーションがうまく取れずに相手の情報があんまないと、やることは想像だろう。
とにかく相手を想像する二人。
もしかして……に、かんじがらめになっていく。
本当にここわかるな~~~~。
よくやるね〜〜。
でも凛世は、小糸と仲良くなりたいから、小糸を知ろうとする。
まず咲耶に背中を押されて「もしかしたら」を小糸に謝る。
凛世なりに小糸とコミュニケーションを取ろうとする。
少しずつ少しずつ時間をかけて、答えてくれるのを待つ。
それでも距離を感じると思ったのか凛世はついに「小糸は自分のことが嫌いなのか」を透に訊く。
「見えるとこしか、見えない」
「飴とか好きだよ、小糸ちゃん」
「見えてないから、私も そんくらいしか」
小糸と幼なじみの透でさえ、この答えなんだ。
わかんないよなー。
放クラのみんなからはいつも、「見せていただいて、ばかり」。
つまり、コミュニケーションをしてもらっているばかりだから、ここは凛世も頑張ろうってなったんだろう。
放クラのみんながしてくれたように、自分もやろう。
そして最後に小糸は飴をくれるのだ。
いい。
いじらしいこの二人の関係がいい。
あなとうとし。
③見えないがゆえに成立するコミュニケーション
風野灯織 ー 斑鳩ルカ
これスンゴーーイおもしろかった。
ルカが、灯織を事務所の練習生だとカンチガイしてスゴくかわいがってくれる。
アネゴ~~~~~~~!!
優しい顔~~~~!!!
しかし結局いろいろあってプロデューサーから直接、
「弊社のアイドルです」と告げられ、
「283プロ……!!」と目の色が変わってしまう。
ルカは283プロの社長天井努をメチャクチャ恨んでるから。
なぜ恨んでるのかは、モノラルダイアローグスや、にちかのグラッドをみて大体わかった感じするがココでは伏せる。
この③は、いってみればネットの交流のようなもんだ。
女子だとおもって実際にあってみたら男子だったみたいな。文章だけで相手を想像して、「相手はこういうヤツだというルールを自分の中で設定した上で」、コミュニケーションするヤツ。
②ともつながってくる相手を想像するヤツだ。
違いは、
ルカが(想像して)設定したルールに、
灯織がのっかった状態になっていた。
(こう言うとスパイとか桑畑三十郎とかがやりそうな手口)
名作
隠してたのはよくないのだが、その理由がなんとも灯織らしいくて良い。
一目みただけでルカが「風野灯織だ」と認識してくれるほどにアイドルとして評価されてから、改めてちゃんとコミュニケーションを取りたいと灯織は考えた。
このまま最後まで教えてもらって、後日、すごいアイドルになってから、
「あの時は、身分を隠していて、すみませんでした……。でも、斑鳩さんのような知名度の高い方に教えていただける貴重な機会がこれからないかもしれないと思い、最後まで練習生として振る舞っていました。こうして、私という存在を認識していただいてから、お話させていただきたいと思っていたんです」
※妄想
そんな身分を隠して平民の家に転がり込んでいた時代劇の姫が言いそうな感じのが灯織の理想だったんだろう。
対等な立場で話す資格がないとさ~~。
灯織ってマジメだからさ~~。
ささささささ~~~~~。
一方ルカにしてみれば、こいつは骨があって自分に似てる、ともすれば美琴さんに感じてたワクワクを感じられるヤツが出てきた! と思っていた。
でも実は、練習生だと思っていたそいつは、憎っくき天井努の息がかかっている事務所の仲良しごっこグループの一員だった。
こっちが向けてた言葉や好意は……!
騙しやがって! ルールと違う!! 馬鹿しやがって!!!
このコミュニケーションは見えてしまったことで終わった。
でも、考える余地も残されていた。
「コンタクトを外してたから、ルカは灯織の顔がよく見えていなかった」ってシーンにそれはある。
素性がバレてしまったあとに鉢合わせた灯織に、
「オマエ……そんなツラだったかよ」とルカはいう。
ここ、二通りの解釈があるなと思った。
そうじゃなかったとしても、そう思わせてくれ。辛すぎるから。
ルカは……
1、「灯織のことを知っていた」
2、「灯織のことを知らなかった」
コンタクトをつけたルカがいう「そんなツラだったのかよ」のニュアンスが、なんとも想像の余地を残してくれる声色・演技になっているからスバラシすぎる。
オレは、2を推す。
ルカは灯織のこと、やっぱり知らなかったほうがいい。
そのほうが天井努サーガにとりこまれていない、
灯織そのものと、ちゃんとコミュニケーションしていたってなるから。
だってさ~~~、ルカがさ~~、基礎をくりかえしやる灯織みてさ~~。
あたしと似てるって評価してんだもんさ〜〜
正直者の水で笑いあうトコとかさ~~~~~~~~~!!!!!
ああああああーーーーーーーー天井努うううーーーーッ!!
意味深に1カットだけ、でてくんじゃねーーーーーーーーーーッ!!!
サブリミナル広告は法律で禁止されてんだーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!
③-1 見えないがゆえに成立するコミュニケーション、パート2
おばばのやつも、これに入ってるとおもう。
おばばは、見えていたのかはわからない。
でも、透を孫だといって、透はそれに答えて「帰ってきたよ」という。
透は、おばばのルール(設定)にのっとって、
孫になってコミュニケーションを成立させた。
透が演じて、永遠にできることはなかった縁を孫とおばばに引いた。
透ってこういうことできるんだ。
そうしてほしそうだったから流れでやった。たぶん、それが全てだろう。
だけど、見えているこちらからしたら、「透はなんて、優しいことができるんだ……」とも思える。
見えていることがすべてだから。
そういうわけで、③ルカひお ③-1おばば透 は、
いい感じに成功・失敗パターンを見せてくれた。
だが、このスーパー最高ノーベル平和賞級ストーリーには、もう一つのコミュニケーションの形態があった。
火の用心のヤツだ。
④祈る、思う コミュニケーション
④に分けたが、これはすべての項目にも当てはまってくると思う。
相手の気持ちはわからない。見えるとこだけ。
だから、こちらの言葉がちゃんと伝われと、「祈る、思う」
小さいながらも、それの積み重ねがコミュニケーションなんだろう。
それを火の用心の呼びかけのヤツにこめたのがいい。
こちらから発した言葉やコミュニケーションが、自らが考えたとおりに伝わるのは、「祈るや願う」ことしかできない。
いやースゴイ~~。
神の所業。
■線たちについて
灯織はうまくいかずルカと線でつながれなかった。事務所へ帰り、コミュニケーションしているみんなを見て、灯織は吐息のようにこぼす。
線たち。
コミュニケーションで繋がっている、もしくは繋がりかけているみんなの縁たち。
この引かれた縁たちが、いつか家を形作って色を付け、283プロみんながそこにいる家族のようなになればいいな、と思ったのかも。
このシーンは、ルカも同時にしゃべる。
ルカも線で繋がっているのかなー283プロと。
縁でなく、因縁で……。
うまいこと締まった。
なにげにここ、画面に映るアイドルがかならず同時にしゃべるのが細かくていい。
そもそも同時にしゃべるタイミングがこのシナリオは多い。
(余談。
ここのルカの境遇、吉井和哉「バッカ」の雰囲気に似合いすぎてるよ。
クリスマスに一人街をさまよう男の曲が似合うアイドル、斑鳩ルカ。
””独り言言うよ メリークリスマス””… )
まとめ
人のことってわかんないから、コミュニケーションして見える部分を増やしてこ。
ちゃんと伝わるかとかは、「祈る、思う」ことしかできない。
けど、そうやって人との縁を増やしていけたらいいよね。
でも普通に終わらせろや!!!
いつもシナリオイベントで見せてくる、見終わったあとにわかるやつ。
はっきりわからない。でも何となくわかる。
ペン=道具=コミュニケーション。
わからん。
いいクリスマスイベだ……。
こっちがホントのまとめだ。
いいクリスマスイベだった。
そういうわけで、つらつらと語ってみたが、
そういう細かいことは抜きに、最高越境ポイントの宝石箱だった。
サポートカードの鍋のとことかさあーーーーーーーっ!!!!!!!!!
相棒とかさーーーーーーーー!!!!!!!!
咲夜と凛世が会話してるだけでいい~~~~~~~!!!
越境コミュ最高~~~~~!!!!!!!!
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