モデリング未経験者が衝動で光造形3Dプリンタを購入した話
使用している光造形3Dプリンタの話をしつつ3Dモデリング未経験な人間が衝動で3Dプリンタを購入して使ってみたらどうなったのか、これから購入を検討している人向けにだらだら書き連ねていこうと思います。
なぜ3Dプリンタを購入しようと思ったのか
プラモの改造含めて趣味で何かしらの物理的な物づくりをしている方の多くが患っている現象として「何となく3Dプリンタが欲しい病」があります(断定)
1年に数度定期的に衝動的に発症することで有名なこの病を3年ほど患った自分も流石に今まで購入までは踏み切らずに「冷静に考えてモデリングもできないのに買ってもすぐ使わなくなるやろ…」と1週間ほどで冷静になり病状が落ち着くループを繰り返していました。
状況が変わったのが1年ほど前。
3Dプリンターの購入をあきらめる自分向けの言い訳として「3Dモデリング(BlenderでのモデリングやCADでの設計)のツールって無料だし、試しにモデリングの勉強してみて無理ってなれば諦めもつくだろう」と思い立ちCADの勉強を始めてみました。
…やってみたら以外と馴染んでしまったんですよねCAD…
勿論複雑な形を作ろうと思ったらまだまだ難しいですし、簡単なモノしか作ってはいないですが、実際に図面を引く際の考え方がプログラマー的にアルゴリズムに近い考え方の部分があり理解が思ったよりすんなりいってしまったんですよね…
そんなわけでついに自分向けの言い訳である「モデリングできないなら活用できないやろ」が封じられてしまった結果購入に踏み切ることになったわけです。
調べたら普通に国内外問わずモデルの公開/販売サイトも多くあって、それを出力するだけでも数年は遊べそうというのもあるし…
購入する3Dプリンターの方式の検討
3Dプリンタを持っている/いないに関わらずある程度周知な事ではありますが、大きく分けて3Dプリンタのタイプは2種類あり、ざっくり自分の理解として以下のような感じで検討をしていました。
・FDM方式
⇒フィラメントを溶かして積み重ねていくタイプ。
メリット
・比較的大きい造形物を作りやすい。
・モデルの中身を空洞の状態で出力するのが苦ではないので軽量にしやすい。
・使用後の後片付けが楽。
・機種によっては多色造形ができる。
デメリット
・積層痕(積み重ねた層と層の間の段差)が出やすい(目立つ)。
・細かい造形(0.1mmぐらい)が苦手。
・機種によっては動作中の音や振動が大きめ。
・使用する材料(フィラメント)が物によっては温度や湿度等の管理が必要。
・光造形方式
⇒UVライトで固まるレジンを固めながら重ねていく方式。
メリット
・細かい造形が作りやすい。
・積層ピッチが細かいので積層痕が目立ちにくい。
・透明の出力物が綺麗に作れる。
・使用する材料(レジン)は室温で1年ぐらいは保管できる。
デメリット
・FDMよりもサポートが多くなりやすい。(無駄にする材料、表面の後処理の手間)
・出力完了後の後処理がある。(洗浄、二次硬化)
・空洞化が苦手なので基本レジンの塊。
・基本的に単色での造形しかできない。
・ランニングコストが高い(レジンだけではなく使用後の掃除用の諸々やフィルム、LCD等の本体の消耗品)
・レジン含め体に害がある物を使用することが多い。
・後片付けが非常に手間。マジで手間。
と、まぁ色々と書きましたが自分の場合出力したいものが主にフィギュアやプラモ用のパーツで精度や細かい造形を優先したかったのでほぼそれだけの理由でデメリットの多さに目を瞑って光造形方式の機種の購入に決めました。
※一応材料の保管の楽さや、洗浄用のIPAがプラモの塗装でも使用用途があったこと、塗装環境があるため表面処理の楽さ(積層痕やサポート痕の目立たなさ)辺りも光造形方式にした一因ではある。
購入する光造形3Dプリンターの検討
さて光造形3Dプリンターを購入することは決まったものの、販売しているメーカーも多ければ機種も多い。
ということで以下の点を重点的に確認しながら検討しました。
・XY解像度
⇒できれば4K以上の綺麗なやつがいいな
・造形可能サイズ
⇒そこまで大きなものは作る予定無いし最悪分割して複数回出力すればよさそうだからそこまで重視しなくていいな
・価格
⇒流石に最初の一台目とはいえ10万とか出せない…
・発売時期
⇒毎年のように新しい機種が発売されてるので、今後数年使うのにあたって型落ち→壊れた時には交換部品がもう無いは避けたいから新しい機種
・ユーザー数の多さ
⇒同じ機種、最悪でも同じメーカーのユーザーが多い方が情報が多そう
・Wifi対応
⇒モデル修正するたびにUSBに入れて持ってくのスマートじゃないよな…
そして購入へ…
最終的には「ELEGOO MARS 5 Ultra」の購入を決断し、2024年12月に購入に至りました。Saturnの購入は流石に日和った
この3Dプリンターの使用感等々はまた別の記事で書けたらと思います。
購入して1ヶ月と少しですがモデリングできなくても出力したいものいっぱいあるし、自分で作ったものも出力したいしで今後数年は遊び続けられるおもちゃだな…ってなってる状況です。
ちなみに購入から数日おきに出力して楽しくなった結果Blenderの勉強を始めてモデリングの方も楽しくなって2週間ぐらい使えてないのはナイショ
さいごに
モデリング未経験者が3Dプリンターを衝動買いした結果ですが。
普通に使えるしもっと使いたいと思えるしモデリングもいっちょやってみるかとなれるツールでした。
ちなみにこの1ヶ月で出力してみたものとしては、
・造形テストモデル
・本体付属のサンプルモデル(ELEGOOの謎のねじれた塔)
・購入したモデル(210mmサイズのフィギュアや50mmサイズのミニフィギュア、プラモ用小物等)
・CADで自作したミニチュア(ヌードルストッパーフィギュア用のいい感じのイス)
⇒出力しては修正してを繰り返してver8で完成
・Blenderで自作中の30ms用の改造パーツ
⇒元のキットとの噛み合わせ調整に苦戦中
と、まぁまぁ活用できてるし作ったものが手に取れる形で出力できるのでモデリングの勉強のモチベーションにもつながるし、そもそもモデリングしなくても世の中には多くの3Dモデルが転がっているので「買ったけど使い道無いよ><」とはならないかなーと思います。1ヶ月でレジン2LぐらいとIPAが3Lぐらい無くなってる気がする