ゆず奥様ストーリー【2】
待ち合わせ場所に現れたゆずさんは、サイトの説明で見た通りの、ほんわかした癒し系の人だった。
「はじめまして~。ゆずですっ。今日は楽しみましょうねっ」
会って早々、そんな風に笑いかけて来てくれる。
すらりと伸びた手足に白い肌。
甘い砂糖菓子のようにほんわかした雰囲気は、まさに僕の求めていたものだ。
年上の余裕が窺えて、挨拶するだけでドキドキした。
なんだろう、学校で憧れの先輩に優しく声をかけてもらったみたいな。
そんな高揚感が感じられる。
「さっ、それじゃあ早速行きましょうか♡」
甘い声音で囁きながら、僕の腕を取って歩き出すゆずさん。
本当にデートしてるみたいに自然な動きで、感動した。
僕がリードしてもらいたいと伝えていたのを、ちゃんと実行してくれているみたいだ。
それはいいのだけど。
「あ、あの、ゆずさん」
「なぁに?」
妖艶な笑みを浮かべて小首を傾げるゆずさん。可愛い。可愛いのだけど。
「予約してるホテル……反対方向では?」
そう告げると、ゆずさんは少しだけ呆けたように硬直し、そしてその顔を可愛らしく赤らめるのであった。
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