ラノベの主人公ってすごいよね

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この記事はくらさんの夢小説アドベントカレンダーに登録しています。
すでに何件か書いたし他の方もいろんな書き方してるので見てね

ところでみなさん、「ラノベの主人公」と聞いてどういうイメージですか?
印象は良いですか?悪いですか?

作品によると言ったらそれはそうですが、そんなに読まない層だと風の噂で良くない部分だけど聞いた人もいそうな気がします。
優柔不断だとか、不義理だとか、スカしてるだとか。
マイナスな部分があると感情輸入して読むのに適してないんじゃないか?とかあると思いますが、

今回は
「あいつはあいつでけっこう大変なことをこなしている」
「夢小説を書いた、書こうとした経験があると見方が変わる」

というテーマで、夢厨視点から見たラノベの主人公という存在について述べてみようと思います。

ちなみに自分はライトノベルをめっちゃ読んでいたかというとそこまででもなく、むしろ普通にここ10年くらい紙で買って読んだことってなくないか……?というレベルです。
ですが当時は有名どころとか、アニメ化したやつとかはいくつか原作でも通っていたり。
具体的にはハルヒ、とらドラ、俺妹、はがないとか。ソードアートオンラインあたりになるともうわからない。世代ですね。
なので今はどういう時代で、さらに良くなってて新しくなってるのかもしれませんが、逆にいうとみんな(みんなって誰だよ)とぼんやりとしたラノベのイメージを共有できているくらいかもしれません。

・ラノベの主人公はあくまで「平凡」
改めて、この主人公の性質を考えてみます。
当たり前のように大きくくくっていますが、想定しているジャンルとしては、
・現代日本、学園ラブコメ(ファンタジー要素はあってもなくても)
というイメージです。
まあ注目するポイントは主にラブコメ部分なので。

主人公の立ち位置といえば、「平凡」をかなり強調します。
時代が進むにつれて、「陰キャ」「ぼっち」とかも自然に取り入れられてた印象。
なろう系だと真逆に実はむちゃくちゃ能力があって、とかの流れもありますが、あくまでこれはバトルとかに関わる部分なので一旦除外します(というかその系統のものをちゃんと読んだことがないので……)。
あくまで読者に共感してもらうため、というポーズが重要になります。
豪快なスーパーマンが悪人をボッコボコにする映画だってあるわけですけど、ラノベは家で一人で読んでいるとなると、やっぱり没入したいですよね。
なので読者に「こいつは俺らの仲間だ」と思わせる必要があります。
導入部分で内面の一人語りや、自分の価値観をじっくり描写しているのはそのためだと思います。

・ヒロインたちを立てるための動きに徹する
こうして主人公は印象的な出会い方でヒロインたちと知り合っていきます。
魅力的な、個性的な女の子たちと親密になっていくわけですが……
普通と言いつつ、めちゃめちゃ女慣れしてるじゃんみたいなことを土壇場でかましてきたりもします。
そしてまた次の巻で導入で平凡な生活をめっちゃアピールして、ということをしています。

それでいて、けっこうスカしていたり、美少女だって描写しておきながら気乗りしていなかったり、相手によって態度を変えていることがまあまああります。
わかりやすくハルヒで例えると、
ハルヒが振り回す破天荒な娘であることを強調するには、乗り気じゃなくて、平穏を望むというポーズが必要となります。
みくるには後輩として立場を気遣ったり、年上だったり巨乳なところに男子高校生らしく反応したり。
長門には意思や感情が出ないことを心配しつつ、眼鏡ないほうが似合うぞとか言ったり。
その娘のキャラが立つような立ち回りをするのが主人公ということです。
ハルヒに対して、「言うてまあ別に暇だしハルヒも可愛いからいいか」とかになると、成り立たないわけですね、力関係が。
雑に扱われて怒る年下キャラは、怒ってたほうがキャラが立ってるし可愛いのでやたら雑に扱われていたりもします。

そして、ラノベの主人公、あとはラブコメ漫画の主人公はなっかなか一人に心を決めないまま長く走らされることになります。
これはシンプルに決めたら話が終わってしまうからなので、かなり粘らされるし、やってると印象の悪いことになることもありうる。
逆にギャルゲの主人公はもはや全員を順番に選べる、という異質すぎる性質を持っています。
その上でストーリー的にはそらこの娘やろなあという相手と添い遂げてお話の終わりを見届けたり。

・じゃあ夢厨としては何ができる
以上の性質などから、このように思ったことはないですか?
「ここまでしてくれてる相手を選ばんのか!どけ!俺が幸せにする!」

……さすがにここまで感じたことはあまりないかもしれませんが(ちなみに俺はある)
ここでようやく、ラノベキャラとの夢小説の話になります。
上の話では、主人公がホスト、進行役としてやらないといけない役割について説明しましたが、夢小説ではなんとそれらを全うしなくても良い!!!
主人公が選ばなかったヒロインや、恋愛にまで発展していなかったサブキャラなど、誰と恋してもいい、ということですね。
しかも、お決まりの扱いに囚われずに俺はそんな扱いしないしお前だけを見るぜ、といくらでも愛を囁いていい。

しかしまあ、実際やってみると難しい。なぜか。
ソシャゲなどは、主人公というか自分の名前をつけた視点の人物は、ビジュアルが映ることを前提としていないことが多いです。
ラノベは、ちゃんと主人公のビジュアルがあるし、アニメ化すれば声もついて喋る。
アニメではさすがにFPS視点で話は進まないでしょう。
なので、主人公のムーブに不満があっても、いざ自分が取って変わって夢小説にしようとしても、
その娘との思い出や、お決まりのやりとりはすべてその主人公が個人の立ち回りとして元々構築していたものだということ。
そうすると、この娘と仲良くするには一から自分だけの関係性を積み上げることになるのか……!?となったしても、自分が取る行動、そしてその反応を考えないと、すらすらと書くのは難しいでしょう。
そもそも主人公に親近感なり同族嫌悪があれば近い動きはするだろうから仲良くしててもおかしくないだろうな、という土台があればいくらかやりやすいかもしれません。

あとラノベの主人公って改めて見るとけっこうちゃんとMCしてる。
その上でペースを乱してくるというのであれば、その娘がマイペースだということですね。
だから、いざ自分で書くと話を進めるための動きができるかっていうのは性格出るよなぁ……。
設定にもよりますが、逆にこの悩みがないくらいビジョンがはっきりしてたり、気が合うだろうという予感があったりすれば、それはもう立派に夢厨ライフを謳歌できると思います。

ということで、女の子のキャラクターを相手にする人物のひとつとして、ラノベの主人公について考えてみました。
やってみるとけっこう色んな形で機能している、と気付いてからあんまり悪く言わなくなったかもしれない。
次回は、ラノベよりは自分を動かしやすいという点で、「 夢小説で書きやすいソシャゲキャラ5選」をお送りします。急にyoutubeのまとめ動画みたいなタイトルになったけど果たして……

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