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マツケンを街中で着られるか

ここ最近、好きなものを主張するのに恥ずかしさが伴うようになった気がする。

ライブ前に一緒に来てくれた友達と会場近くの喫茶店に行った。友達はライブをやるアーティストに詳しいわけではなくて、私は、この曲を予習しておけば大丈夫、とプレイリストを事前に共有していた。

クリームソーダを飲みながら、友達がそのプレイリストの話題を持ちかけてきた。「(曲名)は一緒に歌えばいいの?」「これはコールするやつ?」とか。

私は急に周りの目が気になった。喫茶店に別のファンの人がいたら、この人たちもライブに行くのか、という目を向けられるかもしれなくて、なぜだかそれがとても恥ずかしいことのように感じてしまう。

別に仲間がいるのは良いことなのに、自分が逆の立場なら絶対にうれしいのにー!適当な返事をしてその会話を終わらせてしまった。

そのアーティストが最高な分、自分が彼らのファンとして誇りを持つべきなのはわかっているし、だれが何を好きであれ恥じることではないと思う。(もちろんそれを主張するとき場をわきまえるのは大切)

それに、好きな服を着るときも若干ためらうようになってしまった。ちょっと派手すぎるかな、目立つよな……と、好きなフリルやリボンのついたヴィンテージっぽいお洋服を見て悩む時間がうまれるようになった。

きっと「他人は自分を見ている」と過剰に思うようになったことが原因だと思う。実際はそんなはずないのに、すれ違う人がみな自分の格好に対して評価をしてくるような気がしてしまう。

私のお気に入りの服に、マツケンのTシャツがある。上様がこちらを指さすようなポーズでレイアウトされており、ポップなフォントで「MATSUKEN SAMBA」と書かれた最高のTシャツ。
これを街中で着ているとき、知らない人から良く反応をもらう。たいていポジティブなもので、時には「素敵ですね!」と声をかけてくれる人もいる。ケンタッキーのお姉さん、ありがとう。
だが、そのデザインとインパクトから、笑われることも多い。おそらく嘲笑とかではない……と思う、が、やっぱりちょっと恥ずかしいと思ってしまう。

以前はそんなことなかった。最高のTシャツを見てほしい気持ちにあふれ、胸を張って歩いていた。あの時と何が変わってしまったのか。何が私をこうするのか。




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