穴あきパンツのミーちゃん。その1
「ある日突然」
2021年のもうすぐ7月になろうとしていたある日の夕方。
夕方の涼しくなった時間帯に、庭先のテーブルでビール片手にお喋るりをする、この辺りではよく目にする光景。
その日は旦那くんのお友達Ody一家が遊びに来ていた。いつものようにテント下のテーブルを囲んで世間話。Ody一家の小さな子供たちは我が家の鶏や鴨、豚を見るのが好きで、時々やってくる。「Auntieは動物園に住んでるの?」と目を輝かせている。
旦那くんがOdy一家の新しい家の建築を手伝う事もあって、話は盛り上がっていた。
どこからか赤ちゃんが泣くような声。空耳かな。無視。
“ミャーぅ、ミャーぅ、ミャ~~ぅうう” やっぱり、聞こえる。誰か隣の空き地にまた捨てたな。無視。
“ミャーぅぅ、ミ”ャーぅ、ミャ~~ぅううぉ”声がどんどん大きくなる。我が家の茂みに捨てたの?
Odyの奥さんが、”あれ、猫じゃない?入ってきたよ。” とフェンスの格子をすり抜けて我が家に入ってこようとしている猫を指さす。
その小さな猫は怖がるようすもなく、フェンスをするりと抜け、庭を横切り、夕涼み中の私たちのテーブルへ近づいてきた。
ミーちゃんと初めて出会った瞬間だった。