母の精神が崩壊⑳ 今の自分の土台
母が幼い頃、育った家庭環境は、
軍人で躾の厳しかった祖父が絶対的存在だった。
口をきくのも緊張して、怖くて、
甘えることもなかったと言っていた。
孫の私も、祖父と話した記憶がない。
幼い頃に男性に甘える
ということを、経験したことがなかった母。
それは、大人になっても同じで、
自分の主人にも、どうやって甘えたらいいのか、
わからず、幼い頃祖父に対して抱いていた
男性=恐怖
の感情が消えないまま、
高齢になってしまった。
母は、錯乱した状態で
父と言い合いになったとき、
『怒らないで』と、よく泣いていた。
それは、小さな子供が、
親に『怒らないで』と泣いている姿、
そのものだった。
幼かった頃に経験した
言われて辛かったこと、
悲しかったこと、
嫌だったこと
は、どれだけ年齢を重ねても、
その時、経験した感情が
心の奥底に居座っている。
そして、大人になって、
自分を悩ませ、拗らす。
そんな小さい頃のことなんて、
忘れてるよ。
と、思うかもしれないが、
そのとき感じたことが、
今の自分の土台を作っている。
今、原因がわからず、悩んでいることは、
小さな頃の自分が、大人の自分に
『わかってよ!』
と、拗ねているのもしれない。
そんなときは、小さな自分に
寄り添って、話をよく聞いてあげて欲しい。
『どうしたの?』と。
そうすれば、小さな頃の自分が
そっと教えてくれるかもしれない。
大人のあなたの悩みの本質を。