25歳一人っ子、母ががん宣告を受けた5ヶ月後、父も癌になる。④〜御霊水…?〜
先日、年休をとって父の入院の付き添いをしてきた。もちろん母も一緒に。
家から1時間ほど離れた病院に入院するため、朝早く家を出て母を迎えに行った。
検査結果も分かるはずだったのだが、まさかの後日に後ろ倒し。
その日は年休取れるか微妙なのだが、何とか掛け合ってみよう…。
なので手紙と御霊水を渡すためだけに1時間車を走らせる結果になってしまった。
そして、問題なのが例の御霊水である。
なんのこっちゃ?という人は前回の記事をご覧ください↓
母が御霊水を父に渡しているのを見て、笑いを堪えるのが必死だった。
もしかしたら隠せていなかったかもしれない。
というのもこの前、母とご飯を食べに行ったときに、私は御霊水の話を詳しく聞いていたのである。
父が末期癌だと告げられてから、母はまず「ご利益のあるところで神頼みをしなければ…!!」と藁にもすがる思いで色々調べたらしい。最終手段の神頼み。
そしてとある場所に行き着いた。
最寄りの駅に降り立ち、「まあタクシーでいいか」と呑気に考え目的の場所へ向かうと、タクシー料金4,000円。…遠すぎね??
そして目の前には…立派な建物。
ネットで検索して画像を見せてもらったが、ふつーの立派な建物。
てかおっきい施設。
え、寺って言ってなかった????
寺の要素ゼロだけど。
御祈祷のお願いをすべく受付へ。
「御祈祷していただきたい方の氏名と住所をお願いします。」
「…名前は知ってるんですけど…住所がわかりません。」
「えっ???」
そりゃ驚くよね。祈祷をお願いしたい人がいるのに住所知らんて。
神様も困るだろう。
離婚して早20数年。
私も母も父がどこに住んでいるかも知らないし、なんの仕事をしているかも知らない。思いがけないところで支障をきたすことになってしまった。
ということで仕方がなく父の名前と母の住所を書いて提出。
建物の中に進んでしばらくすると白衣を着たおじ様が登場。
父の病状やついでに母の病状を詳しく説明したところで御祈祷開始。
「治れ〜治れ〜治れ〜…!!!」
「はあああああああっっっっ!!!!!」
「えいやぁぁぁぁぁあ!!!」
汗だくになりながら、必死に母の体をさすって御祈祷をしてくれたそうな。
そして水道水を瓶に入れ、神棚の前に置き、大麻的なものでわっさわっさ。
御霊水の誕生です。
え?水道水なん?
なんかその…井戸とか、神聖な?川?的なところの水じゃないん…?
しかもその水道…じゃなくて御霊水、来週になれば年に一度のめちゃくちゃスペシャルバージョンをお渡しができるとのこと。
なんと取り置き可能。
なんか…言いづらいけど…怪しくない?
試しにSNSをチラッと覗くとフォロワー200人程度。
「癌撲滅寺」で有名というわりに少ないな?
そして極みつけのGoogle先生に聞くと
宗教団体やないかーい!
いや、名のある寺も神社も宗教なんですけどね。
でもなんでしょうね、このもどかしいような危険な匂いがする感じ。
母も「今考えればいろいろおかしい」と顔を真っ赤にして笑っていた。
これも癌がもたらしてくれたお笑いだと思って身内に語り継いでいこうと思う。
水に悪いもんが入っているわけではないので父にはゴクゴク飲んでもらいます。