メール職人への道
私は学生時代からラジオを聴いていた。
あの頃はスマホなんてない時代だ。
一般的に、ラジオを聴くにはCDラジカセやコンポが当たり前だった。
勿論、私も最初はラジカセを使っていた。
ダイヤルをクルクル回してチューニングする。
文化放送は1134、ラジオ大阪は1314、ラジオ日本は1422という周波数を覚えていた。雑音交じりで聴こえてくる声を何とか理解しようと頑張っていた。メール職人達が作るメールは本当に面白く、いつも採用されている人ばかりだった。
ある日、政府が行ったバラマキ政策のおかげで我が家にもお金が降ってきた。私は早速、コンポを購入することにした。ほとんどの人はコンポでCDを聞くのがメインだったと思うが私は違う。
私はラジオを聴くことが最重要事項だ。
リモコンで操作できるコンポは、よく聴くラジオ局を登録できる機能があった。いつもは苦労していたチューニングもあっさりとできる。
さらにリモコンの長押しで、ラジオ局の電波を受信できるのだ。
そして、コンポにはループアンテナが付いていた。
これら2つのおかげで一気に音声はクリアになった。
私は、毎晩深夜までラジオを聴き続けた。
時間が延々と過ぎて令和になり、私はラジオを再び聴き始めた。
そして、メールを送ることに挑戦し始めた。
最初は芸人さんのエロ系のラジオにふつおたを送った。
このラジオは、ゲストで来るセクシー女優さんと芸人さんがトークとコントをやる番組だった。ふつおたを30通程送り続けて、1通採用された。
1ヶ月程経ってから、番組ステッカーが送られてきた。
メールを読んで貰えて、さらにステッカーまで貰えるなんてこの厳しい時代にこんなことがあっていいのかと思えてしまう程感激した。
次はコスプレイヤーさんがやっているラジオ番組に送ることにした。
このコスプレイヤーさんについては、数年前からどんな活動をしているか知っていたので、ふつおたも作りやすかった。
毎週5通前後送り続けて、採用されるようになった。
こちらも番組ステッカーが届いた時は達成感を得ることができた。
私はこの2番組の教訓を生かして、様々なラジオにメールを送り続けている。今の目標は、「1日1通どこかのラジオ番組で採用されること」だ。
現在は、ありがたいことに毎月20通前後は採用される状態を維持している。
これからも私はこの挑戦をし続けていく。
そして、「おみくじあたりって人、他の番組で聞いたことある名前だよね」と言ってもらえるようになりたい。