【000】はじめましてのお手紙

はじめまして。

今はまだ、名前を明かせません。

あなたと私、

そんな仲では、まだないでしょう?

もしかしたら、

あなたと仲を深めたくて、

私は書くのかもしれません。

「おみくじ手紙」

本日より、したためさせていただきます。

朝起きたとき

なにかを決めかねているとき

退屈なとき

誰かとおしゃべりしたいとき

夜眠るまえの読書がわりに。

そっとあなたに寄りそうお手紙を

できれば毎日、お届けしたいのです。

もちろん、私の手紙なぞ

読みっぱなしでかまいません。

まあ、

声に出して読みあげてみてもよいですし、

その場で破り捨ててしまうのも

存外、おもしろいかもしれません。

そう、

読まなくってもよいのです。

ですから私、お返事は催促いたしません。

気まぐれに書いたり、読んだり。

行ったり、来たり。

そういえば

やぎさんゆうびん、思い出しませんか。

あの歌、最後はどうなったのかしら?

仲良くなったら、おしえてくださいね。

おみくじ手紙は

あなたの自由を、保証します。

それでは、また。






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