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アントハード 三話・人物紹介 【創作大賞2024 漫画原作部門】

三話

家に着く頃
結縁大和「エスパーの力で何しようとしてるんすか?やっぱ金持ちすか?俺も仲間に入れて…」
海馬佳乃「ただいま」
鰐口勇「体調は大丈夫か?」
海馬佳乃「頭痛薬飲んだから。この馬鹿の口縫っといてくんない?道中ずっと喋ってんの」
結縁大和「金持ちにみなさんでなりましょうよ!ね!」
鰐口勇「元気そうだな。よし、次は俺に付き合え」
結縁大和「もしや、鰐さんもエスパーすか?俺もエスパーなれますか?」
鰐口勇「まずは、腕立て100回だな」
結縁大和「最近朝プロテイン飲んでます!」
鰐口勇「筋トレもしないとな」

結縁大和「いや〜いい汗かきましたね」
鰐口勇「俺上のシャワー使うから下使って。下は湯船も付いてるからゆっくり入れ。ハルヨさんがお前のために買った服置いてるから」
結縁大和「まじすか!使わせてもらいます!」
服を脱いで風呂場のドアを開ける
犬太郎が1人でに椅子に座り鼻歌を歌いながらシャンプーしていた
結縁大和「ぎゃー」
犬太郎「ぎゃーー」
裸で風呂場からリビングへ走って来た結縁大和
結縁大和「いいい犬が鼻歌歌ってシャンプーしてる!!!!!」
海馬佳乃「わ、わかったから落ち着いて隠すとこ隠そうか」手をかざしながら
結縁大和「ひやん」股間に両手を当てる
2人で風呂場に向かう
海馬佳乃「そ、そんな犬が人間みたいに風呂に入ってるわけないでしょ〜」苦笑い
結縁大和「まじなんですって、椅子に座ってましたもん」
海馬佳乃がドアを開ける
海馬佳乃「コンコン、犬ちゃんちょっと失礼〜」
頭にタオル乗せて湯船で寛いでる犬太郎
犬太郎「勝手に犬様の風呂覗くな」
海馬佳乃すぐドア閉める
結縁大和「…喋った。犬が喋った!!!」
海馬佳乃ため息つく
結縁大和「TisTosに載せれば大バズりしますよ!」
海馬佳乃「知ってる?犬が話してるように出来るアプリがあって〜」リビングに行く
鰐口勇「まだシャワーしてないのか?」
結縁大和「犬が喋ったんですよ!」
犬太郎「風呂空いたでー」二足歩行で首にタオルを掛けて出てくる
結縁大和「ほら!」
海馬佳乃「あんた、隠す気ゼロね」
犬太郎「四足歩行の犬になりきるのも疲れた」腰に手を当てて牛乳を飲む
海馬佳乃「馬鹿には誤魔化せると思ったのに」
鰐口勇「いつかはバレるからな」犬太郎の横で同様に牛乳飲む
結縁大和「佳乃さん俺の事馬鹿に見積もりすぎっす」鰐口勇の横で牛乳飲む
海馬佳乃「風呂入ってないのに牛乳飲んでんじゃん」
犬太郎、鰐口勇、海馬佳乃『馬鹿だ』
結縁大和「吊られて飲んじゃった!入ってきまーす」

リビングにて
犬太郎「お手」
結縁大和「わん」
海馬佳乃「なんで?」
犬太郎「俺様がその辺の犬と違うことを下っ端に分からしてる」
結縁大和「どうやって習得したんすか?」
犬太郎「実力や」
結縁大和「関西弁もすか?」
犬太郎「ええやろ、羨ましいか?」
結縁大和「いや、全く」
犬太郎「関西弁をバカにするやつは犬パンチや」
結縁大和「痛っ!猫パンチじゃないすか」
海馬佳乃「あ…」
鰐口勇「逆鱗に触れたね」
犬太郎「猫パンチやと?!誰が猫じゃ!パンチは猫のもんか?あ?俺がこの世で一番嫌いな名前を出すな!」パンチする
結縁大和「痛い痛い、ごめんなさい。でも何で話せるんすか?」
犬太郎「エレベーターの中入ったんや、ほな話せるようになってもうてん。まあ、猫がもし入ったとしてもここまでの関西弁喋れんのは後にも先にも動物界で俺だけや」
結縁大和「どこのエレベーターすか?」キラキラした目
犬太郎「あの地下の…」
海馬佳乃「はいはいはいそこまで!ちょっとお喋りが過ぎるよ。今日の夕飯硬いドッグフードにしちゃうよ」
犬太郎「嫌嫌嫌!今日はうまい肉って聞いてんで!」
海馬佳乃「じゃあお口チャックよ」
犬太郎「飯までワンワンミュージックでも聞いてるわ」
結縁大和「何で俺に詳しく教えてくれないんすか〜?」
鰐口勇「良い筋肉になったら教えてやるよ」肩をトンと叩く
結縁大和「え〜」

夕飯を全員で囲む
全員「いただきます」
結縁大和「犬さん生姜焼き嫌いなんすか?」
叶ハルヨ「犬だから調味料と玉ねぎ駄目なんだよね」
犬太郎「シンプルな肉が一番うまいで」
結縁大和「そうなんすか!言葉話せても腹の中は犬なんすね」
犬太郎「腹の中も人間やったら気色悪いわ」
鰐口勇「確かに」笑う
黒星雫「随分仲良くなったみたいだね」
犬太郎「誰がこんなやつと!」
黒星雫「今度お菓子工場の見学に行って貰いたいんだけど大和くんお願い出来るかな?」
結縁大和「お菓子すか。大好きっすよ!是非行かせてください」
黒星雫「じゃあ大和くんと犬太郎、それに恵介の3人に頼むよ」
剣重恵介「何で俺…」
犬太郎「犬のお菓子なら行ってやってもええけど」
黒星雫「このお菓子なんだけど…」

お菓子工場の見学当日
結縁家
母 結縁英子「大和今日バイトー?」
結縁大和「今日友達とお菓子の工場見学行ってくるー」
結縁英子「あそう。お土産よろしく」
結縁大和「うん」
リビングのテレビのニュース
アナウンサー「今年は五月病が長引いている若者が多いようです。インタビューをすると会社の社員がなかなか出勤しない、学校を休みがちになる人が増えているようです」
結縁大和の電話が鳴る
結縁大和「もしもし?どした?」
坂谷悠人「あ、大和?あのさ大也と連絡してる?」
結縁大和「してないけど」
坂谷悠人「ここ最近バイトも休みがちでさ、連絡もあんま返って来なくて。」
結縁大和「さてはあいつ五月病だな?」
坂谷悠人「それならいいんだけどちょっと心配でさ」
結縁大和「俺からも連絡しとくよ」
坂谷悠人「おう、頼むわ」
結縁大和「じゃなー」電話を切る
結縁大和「じゃあ行ってくるわー」
結縁英子「行ってらっしゃい」

お菓子工場に向かう2人と1匹(犬散歩風)
結縁大和「なんでこの3人でお菓子工場行ってるんすかね」
犬太郎「敵に怪しまれない風を装ってるんや、知らんけど」
結縁大和「敵って何すか?」
剣重恵介「黒星のことだからお菓子気になるけど本人は外出たくないとかそんな感じだろ」
結縁大和「あ〜あの人食べ物好きっすよね」
犬太郎「着いた」
工場見学案内人「工場見学ですか?」
結縁大和「そうです!」
工場見学案内人「あの〜、食べ物を扱ってるのでペットは中に入れないですね」
犬太郎「ヴヴーワンワン」
剣重恵介「外に繋いでてもいいですか?」
工場見学案内人「ではこちらに」
結縁大和『犬さん何のために連れてきたんだろう』
工場見学案内人「では大人2名ですね、こちらにどうぞ」
結縁大和「このグミ知ってる!今流行ってるやつだ」『大也も食べてたよな』
工場見学案内人「皆さんこんにちは。飴グミの工場見学へようこそ。我社では4月から発売した飴とグミの間の子のようなお菓子を開発し、食感が良いと売り上げを伸ばしています。食べたことない方も一度食べてみてください。お配りします。カリカリ食感が癖になり巷では中毒グミとも言われています」
結縁大和「やったー、食べたい!」
口に入れようとする結縁大和の手を止める剣重恵介
剣重恵介「それポケットに入れてこっちを食べろ」小声で同じ色の紫の飴を渡す
結縁大和「え、なんで?」
剣重恵介「しっ!」
工場見学案内人「皆さんお口に合いましたでしょうか?この飴グミの創業者、夜野秀彦氏がこだわり製作期間わずか3ヶ月で作り上げた商品です。次は製作工程を見て頂きましょう。こちらではまた食べたくなる甘酸っぱい味を加工、カリカリの食感の部分と合わせて飴グミが作られています」
結縁大和「すっげー。こうやって作ってんだ」
工場見学案内人「ではここで工場見学にお越しくださった皆様に特別、まだ世に出ていない虹色の飴グミをプレゼント致します!こちらは普通の飴グミの旨み成分がよりたくさん入ったものです。是非持ち帰ってお友達やご家族とご一緒に堪能してくださいませ!」
見学に来てた子供「お母さん食べていい?」
その母親「1個だけよ」
子供「めっちゃうめー!」
工場見学案内人「本日はお越しくださいまして誠にありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
結縁大和「これもまだ食べたら駄目っすか?」
剣重恵介「やめとけ、あいつに報告するぞ」
結縁大和「あれ、犬さんどこ?」
犬太郎「お前らの方が早かったか。こっちも収穫ありや、帰るで」

リビングにて
海馬佳乃「これが中毒グミ」
鰐口勇「どこにでもありそうだな」
結縁大和「俺、ヨダレ止まりません」
海馬佳乃「梅干しじゃないんだから。で、これ分解でもすんの?」
剣重恵介「この虹色は普通のより中毒性が5倍入ってるらしい。これを調べれば何か分かるんじゃないか?」
結縁大和「そんなの食べたらすぐ分かりますよ!」
結縁大和が食べようとした虹色グミを黒星雫が横取りして口に入れる。
黒星雫「パクっ」
海馬佳乃、鰐口勇、剣重恵介『!』
結縁大和「ずるい!」
黒星雫「ガリガリカリカリモニュモニュ。これは確かに中毒性あるね。変わっていく食感も良いし味も美味しい。ゴックン」
海馬佳乃「大丈夫なの?食べて」
黒星雫「僕は大丈夫。皆は食べたらきっと中毒になるね」
結縁大和「中毒になりたい!食べたい!」
犬太郎「やめとけ。それ食ったら人生終わるで」
結縁大和「それは言い過ぎっすよ」
犬太郎「いや、ほんまや。あの工場の裏見てきたけど、表ではニコニコしてるあいつら相当悪やで。そのグミの部分に薬物入れてるんか知らんけどガスマスク付けて作ってたわい」
海馬佳乃「薬物!?そんな物もし入ってるのに食べたら…」
黒星雫「手が止まらないね」虹色グミ3個目の袋を開けて食べる
鰐口勇「隠せ!」
黒星雫「全部僕のだ!」
結縁大和『いつもの黒星さんじゃない』
犬太郎「取り押さえろ!」
鰐口勇と剣重恵介が黒星雫を取り押さえる
黒星雫「やめろ!全部僕が食べるんだ!」
海馬佳乃「ハルちゃん!あれを!!」
叶ハルヨ「はい」麻酔を黒星雫に打とうとする


人物紹介

結縁大和(ゆうえんやまと)
大学生19歳、アルバイトはゲームのバグ見つけ。バイト仲間で友達の坂谷悠人と阿嘉大也

海馬佳乃(かいまよしの)
27歳。親友の林千鶴とパン屋『シークレイン(Sea Crane)』を経営している。記憶の力を持つ

鰐口勇(わにぐちいさむ)
35歳。何でも屋を経営している。人助けが生き甲斐。趣味筋トレ

剣重恵介(けんじゅうけいすけ)
32歳。潔癖症。会社員でほぼテレワーク

犬太郎(けんたろう)
関西弁を話す犬。態度がでかい。猫が嫌い

叶ハルヨ(かのうはるよ)
85歳。シェアハウスの炊事担当。聞き間違いと忘れっぽさがかわいい

黒星雫(くろぼししずく)
シェアハウスの家主。体が弱いため電動車椅子に乗る時がある。美男子、白髪、顔色悪い、細い体。人間と日本が好き


このあとのストーリーの要約

シェアハウスの住人は飴グミの開発者夜野秀彦を見つけ出し、飴グミに入っている成分“ナニモシタクナーイ”が中毒を起こし人々のやる気をなくさせ生きる気力さえも奪う恐ろしい物だと判明。だが夜野秀彦の後ろにはYの呪いと言われる黒幕がいた。本当の戦いはここからだ。
黒星雫が開発した超人化したパワーを得る地下のエレベーター。黒星雫は何者なのか、あいつは人ではない。

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