ちょこっとUTAU式人力②歌わせる~MIX

前回の記事で、人力UTAUの工程の①~④を説明しました!

人力UTAUの工程

  1. 導入―UTAUのダウンロード

  2. 音素狩り

  3. 原音設定

  4. UTAUの環境準備

  5. 歌わせる

  6. 仮合わせ・修正

  7. MIX

本記事では⑤~⑦について説明します!
※前回記事はこちら↓


歌わせる

①USTをDLする

前回記事でも触れましたが、USTはUTAUのプロジェクトファイルのことです。
楽譜みたいなやつです。メロディーや音の設定が保存されています。

USTを配布してくださっている方がいます。USTをお借りする場合、歌わせたい曲のUSTを探してDLしましょう。この時、規約はちゃんと確認してください(使用用途が投稿場所が限定されていることがあります)。
もしくは、USTを自作(メロディーを自分で打ち込み)しても構いません。

②USTをすっぴんにする

ほとんどの場合、USTにはピッチやビブラートなどの設定がされています。
しかし再生しても、音痴になってしまうことが多いです。
そのため「すっぴんプラグイン」を使用して、USTをすっぴん(なんの設定もしていない状態)にしましょう。音の設定は自分でやっていきます!

――以下、「おまかせ☆2020」のプラグインで一括設定ができます!――
最強。簡単にそれっぽくなります!どんどん有効活用しましょう。

③モジュレーション、子音速度を設定する

  • モジュレーション
    ピッチを揺らがせる設定のことです。

  • 子音速度
    子音の発音される速度のことです。数字が大きくなるほど、子音が速く発音されます。

モジュレーションが設定されていると、だいたい音痴になってしまいます。ctrl+Aで全選択し、右クリックでプロパティを開きます。「モジュレーション」を0にしましょう。
子音速度は、速い曲なら150程度を上限に変更してみるとよいです。

※複数選択した場合
もちろん一音一音に個別設定もできます。

④母音結合をする

母音が前の音と繋がって、滑らかに発音されるようになる設定のことです。
私はひとまず全部の音に設定しています。
全選択して、「ツール」「組み込みツール」から「母音結合」をします。
繋げなくてもええか~と思ったところは音を右クリックして「エンベロープ」を選択し、「リセット」をすれば戻ります。

⑤ピッチ・ビブラートを設定する

しゃくりとかフォールとかビブラートとかそういう再現です。頑張ってください!
動画サイトで調声晒し動画が投稿されています。見てみると勉強になるかもしれません。後は自分で歌ってみたり…。

曲の雰囲気もあってクセの強い調声をしている例(URUSaaA愛より)

――「おまかせ☆2020」プラグインはここまで――

このあたりの工程で再生して確かめていくうちに、なんとなく歌に違和感を持つことがあります。「なんか伸ばし方変じゃない?」だったり、「もう少し音を短くしたい」だったり…。そんな時に音符を操作する必要があります。音符の操作でよく使うショートカットキーはこちらです!

・音符の分割:ctrl+shiftを押しながら音符の末尾を任意位置までスライド
・音符の長さ変更:ctrl+spaceを押しながら音符の末尾を任意位置までスライド
・音符の結合:結合させたい音符を複数選んでctrl+U

※Windowsの場合です。

⑥一音一音の音量を調整する

個人的にやってることの一つです。文節の最初は音量大きく、後になるほど音を小さくすると、よりリアルになる気がしています。
都合上⑥にしましたが、私はピッチやビブラートをおまかせプラグインである程度設定した直後に、一音一音の音量の調整を行っています。その後、ピッチ・ビブラートを細かく再調整しています。そのため実際のところは⑤ピッチ・ビブラートの設定の前、といったタイミングです。

※少し余談ですが、UTAUの前に実はボーカロイドを少しだけ触っていました。
ボーカロイドには「ダイナミクス(声量)」というパラメータがあり、(本質は異なりますが)音量の大小に近いです。そしてこのパラメータを調整することで、声の抑揚を表現できます。
以下の本で学んだ内容です↓

エンベロープ上の数字に着目!

仮合わせ・修正

UTAU上で再生した時には良く聞こえても、オケと合わせてみると変に聞こえることがあります。
できた音源は一度、AudacityやDAWソフトで合わせてみるとよいです。この段階でけっこうな修正が生まれます。

MIX

歌の音源ができたら、オケと歌を合わせるMIXをします。
私が使ったのはStudio Oneというソフトです。フリーソフトだとReaperというソフトを使っている方がいました。
最低限やることは以下になります。

  • イコライザー
    要らん音をカットします。

  • リバーブ
    ええ感じに音を響かせます。

  • コンプレッサー
    音を圧縮してええ感じにします。

  • リミッター
    音を限界まで大きくします。

~合ってるか分からないふわっと説明~
MIXをしないままでは、人には知覚できないような要らん音で無駄にデータが嵩張っています。
そういう要らん音を削いで、ええ感じの音はより主張させて、「音圧を上げる」作業が必要となります。ですが、音は0dbを超えてはいけないという制約があります(0dbを超える=音割れとなり、音が歪みます)。
これが難しいです…どうしても音がちっちゃくなってしまいます。それで毎回発狂してます。MIX大嫌いです。

MIXは奥が深いので、詳しくは調べて頑張るしかありません…。
私はこれを参考にしながらMIXしています。けっこう手抜きMIXです。

ハモリとかを用意すると歌に厚みが出て良いです。
ハモリの音はただ重ねるのではなく、イコライザーで真ん中のあたりを削って空間を開ける…とかすると良いらしいです。

ハモリパートのUSTが無くても、UTAUのプラグインで自動的に作ってくれるものがあります。私は音感0でハモリなんてよくわからないため、以下の動画のハモリはプラグインを使って作成しました。音痴でもなんとかなりました。

UTAU式人力の工程は以上になります!
最後に改めてですが、キャラクター音源もUSTもカラオケ音源も、規約をしっかり確認して、趣味の範囲で節度を保って楽しみましょう!


更新履歴
2024/04/02 画像追加、ショートカットキーについて説明追加
2024/04/02 新規作成


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