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4月28日 築地で寿司

築地に、気に入りの寿司屋がある。
初めて訪れたのは今から7年ほど前。
ネタはもちろんのこと、赤酢のシャリがまろやかで美味しく、まるで醤油が混ぜ込まれたかのような香ばしい色合いが見た目にも気に入り、それから特別な日に行く寿司屋として贔屓にしている。

前回の訪問は2022年の6月、コロナがようやっと落ち着いてきたアメリカから一時帰国した際に。それ以来行けていない。

今日からGWだというのに私たち夫婦の予定はほぼ無い。今年は旅行もしない予定だ。
それならば少しくらい近場で贅沢しようじゃないかと、久しぶりとなるこの寿司屋へ足を延ばすことにした。

ここは築地内で何店舗かを展開していて、この日はいつも行く2号店ではなく、1階に入っている本店の方へお邪魔することにした。

店構えからして2号店よりも高級感がある。
木の引き戸を開けると女中さんの恭しいお辞儀で迎えられ、コの字型のカウンターへ通される。

時間帯がまだ早いせいかガラガラだ。
唯一いる客は斜め向かいに座っている外国人カップルで、日本酒片手に何やら良い雰囲気で語り合っている。寿司をつまむ姿がいちいちゴージャスで、絵になっている。
対して、サウナ帰りの短パン夫とジーンズにAdidasキャップを被った私。
いささかカジュアルな我ら夫婦は、温かいおしぼりを受け取りながら「あれ?ここって、高級店なのでは?」と内心ひやひやしだした。(正確にいうと夫は初めからうすうす気付いていたらしいが、口出す間もなく私が戸を開けてさっさと進んでいくものだから観念したのだそう。)

お品書きを見てびっくり!
前回頼んだものとほぼ同じコースなのに値段が1.5倍くらい高い!
(おそらく本店も2号店もここ数年で値上げしたのだと思うが、後で調べたら2号店の方がいくらかお安かった。ビールも本店の方が200円高い。なぜ?)

こんなはずではなかった。しかしもう着席してしまっている。おしぼりも使ってしまった。

「大将!このコースを2つ。それとビールください!」
ええい、ままよ!もう頼むしかない!
「苦手な食材はありますか?」と聞かれ、ミル貝などの貝が苦手だがホタテは大丈夫だと答える。
「お客さん1名貝類だめです!」間髪入れず大将が大声で叫ぶと、奥の厨房(お寿司以外をつくっている)が威勢の良い返事を返す。

この時から実はちょっと嫌な予感がしていた。
貝類が全部ダメだということになってしまっているけれど、果たして誤解が生まれないだろうか・・。いやでもホタテは大丈夫だと伝えたから、きっと問題はないはずだと自分を落ち着かせる。

「こちら前菜でございます。」
嫌な予感的中。
前菜の牡蠣が、私の分だけクラゲの和物になっているではないか!
しまった。牡蠣はノーマークだった!大好物だっただけにショックを受ける。
「可哀想に・・」そう言う夫はでも交換してくれる気はないらしい。
完全に高級寿司屋の雰囲気にのまれてしまった私は、「変えてください」の一言がどうしても言えず、ただ黙ってクラゲをコリコリやるしかなかったのであった・・。(あれはあれで美味しかったですよ、えぇ・・泣)

そんなこんなで心穏やかでいられなかった『寿司屋前半戦』だったが、前回の焼き肉屋での経験のおかげなのか、後半は気持ちを切り替えてこの時間を楽しむことができた。
そう、何より集中すべきは目の前のお寿司だ!せっかくの高級寿司に砂を付けて食べるのだけは避けなければならない。
(《【続】豊洲の焼き肉屋でお金について考える》、よかったら読んでくださいね。)

最後に、特に感動の美味しさだったネタをご紹介します。

初ガツオ

ガリが2種類あるのも嬉しい♡

イカ

漬けマグロ

☆穴子(今日イチ!)

とにかくふわっふわ!口に入れた途端、綿あめみたいに儚く消えてゆきました・・。個人的に今まで食べてきた穴子の中で一番美味しかった。

「お客さん、あがりで~す!」

🍵🍵🍵🍵🍵
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