[和訳] Jamie XX /Dafodil

ロンドンナイトシーンの為政者やってるJamie XX兄貴が日本時間9月18日に新譜をリリースします。
このページでは、リードシングルの『Dafodil』の和訳をペタペタ貼り付けます。
リリックの対訳を記したあとにいくつか補足説明をします。



[Introduction]

It all started one summer night in London
全部ある夏の夜に始まった。ロンドンで

Couple years back
数年前だよ

It was crazy
あれはイカれてた

I was with a beautiful female
綺麗な女性と一緒にいたんだ

All I remember is
覚えているのはそれだけ

[Hook]

Lovely sweetness that filled the air
空気を満たした愛しい甘さ

Came from a daffodil in your hair
それは君の髪に挿した水仙から香ってきた

I placed it there (I placed it there)
僕がそこに挿したんだ(僕が挿したんだよ)

The lovely sweetness that filled the air
空気を満たした愛しい甘さ

Came from a daffodil in your hair
それは君の髪に挿した水仙から香った愛しい甘さ

I placed it, it, it
僕が挿したんだ、僕が、僕が水仙を挿した

[Verse 1]

My heart blossomed with the look
君と見つめ合うと僕の心が花開いた

Deep into each other's eyes
お互いの瞳を深く見つめ合った

Something was born and I was ready to fly
何かが生まれ、僕は飛ぶ準備ができた

I never even thought about it twice
それについてもう一度考えたことはなかった

I said let's go dance (I can feel you, I can feel you)
「踊りに行こう」と言った(君を感じる、腰の炎が燃える。)

I was ready
準備ができた

I was, I was ready to fly
僕は、僕は飛び立つ準備ができていた


[Hook]

The lovely sweetness that filled the air
空気を満たした愛しい甘さ

Came from a daffodil in your hair
それは君の髪に挿した水仙から香った

I placed it there
僕がそこに挿したんだ

[Verse 2]

Next thing I knew it we’re on the dance floor (I can feel you)
次に気づいたときにはダンスフロアにいた(君を感じる)

Floating on clouds of ecstasy
恍惚の雲の上に浮かびながら

I felt you and you felt me (I can feel you)
僕は君を感じ、君も僕を感じた(君を感じる)

Everyone feeling so good, so good, so good
みんながとても気持ち良く感じていた、
良い。すっごく良い

Sweat is rolling (Just us two)
汗が流れていた(二人きり)

Into the morning (Under sky so blue, so blue)
朝まで(青い空の下で、めちゃくちゃブルー)

[Hook]

And the lovely sweetness that filled the air (’til the sun comes up)
空気を満たした愛しい甘さ(太陽が昇るまで)

Came from a daffodil in your hair (’til the sun goes down)
それは君の髪に挿した水仙からきた(太陽が沈むまで)

You placed it there (Summer London town)
君がそこに挿したんだ(夏のロンドンの街)

[Verse 3]

Drinks on me literally (Lovely sweetness)
飲み物は私のおごり、マジで(愛しい甘さ)

So like a mess (That filled the air)
めちゃくちゃな気分だね(空気を満たした)

Feels like a dream
夢みたいな感じがする

Lost in the beat (Came from a daffodil)
ビートに迷い込んで(それは水仙から来た)

Lost in the wave (In my hair)
波(人波)やスピーカーから垂れ流れる(波形)
に迷い込んで(私の髪に)

Stuck to the streets
通りに留まり

Two-step ’fore we leave (Lovely sweetness)
私たちが帰る前に超変則的なリズムの
ツーステップがかかる(愛しい甘さ)

Plant a kiss on me
キスしてよ

Stuck in trace (That filled the air)
トレース(小道)で(トランス状態)に留まり

Days in the park ’fore I went to the dance
クラブ遊びをおぼえる前の公園での日々

Primrose Hill
プリムローズ・ヒル
(ロンドン屈指の高級住宅街、音楽、文学、映画作品にも縁があるため一定のコノテーションとして機能する記号。)日本で言う「高輪台」「御殿山」や「池田山」など。

Pretty daffodils (Came from a daffodil)
美しい水仙(それは水仙から)

Pretty daffodils
美しい水仙

Pretty daffodils, daffodils (In my hair, placed it there)
美しい水仙、水仙(私の髪に、そこに挿したんだ)

[Bridge]

Lost just thinking of someone
誰かさんのことを考えると他のことは
何も手につかなくなってしまう。

Think they met at a party
あいつらはパーティーで出会ったと思う

There’s someone for everyone
誰にでも相手はいるもの

Sometimes it feels could be anyone
時には「誰でもいいや」って感じることもある

So place it there
だから、君の髪に水仙の花を挿した

[Bridge]

I will never forget that night
(And the lovely sweetness)
あの夜を忘れることは決してない
(愛しく甘い夜)

To sweet to let go (But in reality)
甘すぎて手放せない(でも現実には)

Like a flower to the nose (Of the you)
鼻に当てた花のように(君の)

[Outro]

But I woke up the next day.And I said 
でも翌日目が覚めて

Yo,I know what the answer to life is (I can feel you)
おい、俺は人生の答えが何か分かった
(君を感じる)

I said
俺は言ったんだよ

“It’s to love each other” (But in reality)
“それはお互いを愛すること”(でも現実には)

He was like, “word” (Of the you)
アイツ「マジかよ…」って感じだった

A HA HA HA HA HA :D 
草wwwwwwwwwwww

対訳終わり。

水仙あるいはロマン派詩人ワーズワース

Jamie xx「Dafodil」のメインモチーフはタイトルの通り水仙という花です。学名のNarcissusはギリシャ神話のナルキッソスに由来します。転じて「うぬぼれ」「自己愛」「気高さ」「愛をもう一度」という意味の花言葉を持ちます。また、欧米ではスイセンを希望の象徴として用いる風潮もあります。ガン治療のキャンペーン団体の象徴など

イギリスの代表的なロマン派詩人ウイリアム・ワーズワースも水仙にまつわる詩を残していますが「水仙の花の群れと一緒になって躍り出す」というワーズワースの詩は髪からスイセンの香りを漂わせる女の子とクラブで踊る本作の情景とどこかしら重なるものがあります。

William Wordsworth『Daffodils』

I wondered lonely as a cloud
That floats on high o’er vales and hills,
「谷を越え山を越えて空高く流れてゆく
白い一片の雲のように、私は独り悄然とさまよっていた。」

Jamie XX『Defodil』

Floating on clouds of ecstasy
「恍惚の雲の上に浮かびながら」
I felt you and you felt me (I can feel you)
僕は君を感じ、君も僕を感じた(君を感じる)

ワードチョイスが似ていますね。
雲、波、水仙、独り Float

ワーズワース全書簡集には「Defodil」で唯一名前があがる地名、プリムローズヒルについても公言されています。プリムローズヒルはサミュエルベケット、ウィリアムブレイク、ハーマンメルヴィルなどの作品にも登場します。プリムローズヒルという記号は文学、音楽そして広義の文化において強いコノテーションとして機能します。

※例えばBeatlesの『The Fool on the Hill』のHillもプリムローズヒルを指しています。枚挙にいとまがないのでこの辺りにしておきます。

Just make believe

hook部分でサンプリングされているJ.J. Barnesのソウルバラード「Just Make Believe」は恋愛の儚さや幻想に対する感情を歌ったものです。
(JJ Barnesはデトロイト生まれ、60年代の英国ノーザンソウルシーンで人気を集めたソウルミュージシャン。ノーザンソウルシーンで好んでかけられたレコードはほとんどがレア盤でデータベースも整備されておらず彼のレコードもコレクターズアイテムになっている。)

曲の中では、愛が続かないことや、相手の愛情が本物ではなく「ただの幻想」であると感じる歌い手側の心情が描かれています。

「愛が現実ではなく、ただの幻想だった」と嘆き、失望や自己欺瞞に対する複雑な感情が表現されたソウルバラードを冷酷にオラオラとチョップド&スクリュードさせることで、「恋愛の儚さや、淡い幻想という、ともすれば人々が拘泥してしまうイノセントな主題」から一歩距離をとっているようにも思えます。

まあとにかくクールな曲です。
さすがロンドンナイトシーンの為政者やってるだけある。

24 09 02 At Shirokane Sarumachi
Yuga Minatoya





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