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鉈で手をヤってしまった若者の話
テントの話、タープの話、ペグの話、と進めてきて、流れ的にテーブルとかチェアの話をしようと思ってたのですが
丁度1年ぐらい前に、鉈で薪を割ろうとしたところ、手を叩いて?当てて?しまい、血を流しながら助けを求めにきた若者の話を思い出しました。
大事な体験だったので忘れないウチに書き留めておきたいと思います。
2020年 お仕事がらみでキャンプに行っていた日のことです。
設営や撮影も終えてホッと一息。
今から晩ご飯作るのか・・・
軽めに何か作って食べようかな?と思っていたら
調理師免許を持っているキャンプ場のオーナーが、晩御飯食べようよ!
と僕の分まで晩御飯を作ってくれて、一緒にいただきながらゆっくりしていました。
今後こういう取り組みできたらいいよね。とか話していた時
「すいません!!」
管理棟に20代後半ぐらいのお兄ちゃん?がやって来ました。
「鉈で手を切ってしまいました・・・バンドエイドとかなんか無いでしょうか?」
ポタポタ血を流しながらヤってきたのです。
たまたま持ち合わせておらず持ち合わせていないことを伝えると(この日を境に必ずエマージェンシーキットを持ち歩く様にしてます)怪我はしているけど、明るく戻って行かれました。
お酒も飲んでおられ、車も運転できない状況っぽかったし、そのままにしておく訳にもいかず、できる限りの応急処置をしようと持ち合わせていた、サランラップ、マスクの予備、マスキングテープを持ってサイトまで向かいました。
サイトには可愛らしい奥さんと、小さな2歳ぐらいの娘さんがおられ、お腹を空かせた子供さんの為に奥さんがスキレットでお洒落なお料理を怪我をした旦那さんに変わって作っておられました。
娘さんはまだ小さく、目が離せないので止血をしながら子供さんをお父さんが見ている。そんな感じでした。
取り急ぎ、不繊維のマスクをナイフでカットし、傷口に当て、サランラップで巻きつけて止血することにしました。
何回か縫ったことがある僕の経験から、数針は縫わ合いとダメかも?という傷口でしたが、特にそんなことは触れず(確か)たわいも無い話をしながら簡易的ですが処置をしました。
どうやら話を聞いていたら鉈で薪を割ろうとした所、鉈を手にヒットさせてしまい、左手の人差し指と親指の付け根辺りに傷を負ってしまった様です。
幸い、革の手袋をしておられたおかげで、傷の深さは軽減されたのだと思います。
今回家族で初めてのキャンプ。
ある意味いい思い出になったことでしょう。
奥さんは旦那さんの事も心配だし、テントの片付けや荷物の積み込み、などこれからの事が不安でいっぱいな上、なんと妊婦さんである事がわかりました。
コレはまずい。
能天気な旦那(笑)が犯した怪我により、不安な思いでお腹のお子様にも悪い影響が出たら嫌だと感じ、ちょっとでも安心感を持ってもらったほうが良い思い、明日の撤収手伝いにくるし、荷物の積み込みもやるから安心してね。
と超良い人を演じてサイトに戻り、その後は1人で焚き火を楽しみました。
翌日
仕事の方がひと段落してから、テントとタープの片付けと積み込みをお手伝いさせてもらいました。
帰られる時、深々とお礼を言っていただき爽やかに帰って行かれました。
数時間後・・・
同じ車が戻ってきました。
なんと蒜山高原で観光し、お土産にチーズとソーセージを買ってきてくれました。
ほんまわざわざ戻ってきてくれてありがとう〜
と言いながら、(それよりはよ病院行ってこい!)
と心の中で叫び、再び送り出しました。
その後、、、
SNSで怪我をした彼とはいまだに繋がっているのですが、病院も行かず自然治癒で治したそうです笑
最後に
お腹のお子様も無事に出産されすくすく成長されている様です。
めでたしめでたし。