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-勝手にサラメシ#1-シリーズ、はじめてみます
NHKの『サラメシ』という番組が好きで、よく見ています。
番組に登場するのは初々しい新入社員だったり、大企業の社長さんだったり、寡黙な職人さんだったり、毎回職業も立場もまったく違うひとたちなのですが・・
どなたにも共通しているのが、「昼ごはんを食べる」ということです。
働いておなかが空いたらごはんを食べる、という当たり前で何気ない営みに、私も同じ「働くひと」として共感するサイドエピソードがあったり、時に感心させられたり、見終わるとなんだか前向きな気持ちにさせてくれる番組です。
そんな『サラメシ』へ敬意を表して、青梅慶友版のサラメシ的企画、『勝手にサラメシ』シリーズをはじめることにしました。
青梅慶友病院の名物ともいわれる職員食堂。
こだわりや本気度が職員食堂の域を超えている、と個人的に思っていますが、そこへやってくる「慶友病院で働くひと」に声をかけて、職員食堂への思いや好きなメニュー、そして仕事のことも少しだけ話を聞いてみたい、という企画です。
青梅慶友『勝手にサラメシ』シリーズ。
その第一弾となる今回のテーマはこちら。
新入職員に昼がきた
本家(NHK)の番組でも定番の特集を慶友版でお届けします。
さっそく新入職員はいないかしらとカメラを手に待っていると・・・
腕に「研修中」の札をつけたフレッシュな男性がやってきました。
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すらりと背の高い、爽やかなこちらの職員は、今年の春に入職したリビングサポーターのNさん。
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ちなみにこの日のメニューは『十勝豚丼』です。
濃い目のたれで味付けされた豚肉がどっさり盛られたパワーあふれでる一品です。
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Nさんはごはん大盛りをオーダーしていました。
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さて、当院職員食堂では感染対策のため黙食を継続中ですので、食事中のインタビューは控えて、食後にあらためてお話を聞いてみました。
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Q.今日の『十勝豚丼』いかがでしたか?
A.はい、おいしかったです!
まさに一点の曇りもない、ど直球のお返事。
ですよね!わたしも「十勝豚丼」大好きです。
Q.入職して間もないですが、慶友病院の昼ごはん(職員食)はどんな印象ですか?
A.とにかくおいしい。一品一品のクオリティが高い。
そして“できたて”、というのが嬉しいです。
昼の職員食が、職場へ来る楽しみの一つになっています。
Q.お気に入りのメニューを教えてください。
A.うーーーーん。どれもおいしいので、ひとつだけは選べないです・・
Q.そこをあえて、選ぶなら。
A.うーーーーーーーん。あ、『釜揚げしらす丼』!
最初に職員食を食べたときのメニューが釜揚げしらす丼でした。
おいしかったし、衝撃的でした。こんなのが職員食堂で出てくるんだって。
たしかに!
釜揚げしらす丼はわたしも大好きです。
しかも季節限定メニューだから、より嬉しいんですよね。
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Q.入職から2か月くらい経ちますね。職場には慣れましたか?
A. 私は通勤時間が長いのですが、時間の使い方が分かってきたというか、生活のリズムができてきました。
私みたいな新人にもいろんなスタッフの方が話しかけてくれるので、緊張もほぐれましたし、困ったことがあっても頼れる人が周りにいるという環境はすごく助かっています。
ありがとうございました。豚丼パワーで午後の仕事もがんばってください。
十勝豚丼のこと
さて、実は少し気になっていたことがあります。
この日のメニューである豚丼。その名を『十勝豚丼』と宣言していました。
豚丼ではなく十勝豚丼。
豚丼と十勝豚丼って別物なのでしょうか。
そのあたりを確認しておきたい、ということで職員食担当のスタッフに話を聞きにいってみました。
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職員食堂に、いつもワクワクするような黒板アートを書いてくれているその人でもあります。
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Q.『豚丼』と『十勝豚丼』は違うのですか?
A.そうですね。例えば牛丼チェーンのお店で「豚丼」を頼むと、薄切りの豚肉とタマネギとかごぼうを割下で煮込んだものが出てきますよね。
一方、「十勝豚丼」はたれをつけて焼いた豚肉に白髪ねぎ(店によってはグリンピース)などをトッピングしたもの、とされています。
なるほど、なるほど。
良くわかりました。
Q.ちなみに慶友版十勝豚丼のこだわりをおしえてください。
A.それはこちら。その名のとおり『十勝豚丼のたれ』を使っていることです。
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類似のたれを使っても良いのですが、そこはこだわりを持って、十勝豚丼のたれで十勝豚丼を作る、というのがこのメニューのこだわりです。
でもこの『十勝豚丼』、いまのクオリティに到達するまでには相当な苦労の連続だったと前任者から聞いています。
ぜひ、そのときの話も聞いてみてください。
歴史を辿る
いまや職員食の人気メニューとなった『十勝豚丼』にも試行錯誤の歴史があるとのこと。
その歴史を辿るべく、前任者であるAさんへ直撃取材です。
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Q.『十勝豚丼』が現在の姿になるまでには大変だったと聞きました。
A.これはまた懐かしい話題!
そうそう『十勝豚丼』といえば苦労を重ねた思い出深いメニューです。
松野さん、慶友病院と十勝地方の結びつきといえば何が思い浮かびますか?
Q.職員旅行ですかね。サホロツアー。
A.そうです。慶友病院は北海道のクラブメッドサホロへ毎冬、職員旅行へ行っています。(現在はコロナ対策により休止中)
クラブメッドはオールインクルーシブのリゾートホテルで、もうそれはそれは楽しいイベントなのですが、その話は長くなるのでまた別の機会に。
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サホロへの玄関口になるのが、とかち帯広空港です。
この空港には『ぶた丼たむら』という地元の人気店がありまして。
あれは、もう10年くらい前のことですがサホロからの帰りに、大塚理事長とたむらのぶた丼を食べながら
「この味を、旅行に来られなかった職員にも食べさせてあげたいよね」
という話題になりました。
Q.失礼を承知で聞きます。たれで味付けした豚肉をのせるだけではないのですか
A.それでは普通のぶた丼です。
あの北海道の「たむら」で食べたぶた丼を、職員食堂で出したい。
どうせやるなら“とことん本格的に”が職員食堂のモットーですから。
おっしゃるとおり、最初は現地で売っていた「十勝ぶた丼のたれ」で、ただ焼いて出してたのですがなんか違う。
理事長と「これは全然再現できていないぞ」と首をひねりました。
Q.難しいのは本場の味をいかに再現するか、ということですね。
A.例えば十勝豚丼は濃い味付けの料理ですから、白髪ねぎをアクセントにトッピングします。
では、白髪ねぎのボリュームをどうするか。
ちょこっと添えるというよりも、思い切りよくドカッと盛ったほうが良さそうだ。でも、白髪ねぎは下ごしらえに手間がかかる。
そこでボリュームを妥協するのではなく、調理工程を工夫できないか考える。といった風に。
Q.確かに。あの白髪ねぎのボリュームはなかなか驚きます。
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A.そのおかげで終盤までサッパリ食べられるようになりました。
でも、まだ違う。再現しきれていない。
「たむらのぶた丼」の記憶を頼りに、料理長に何度も試作をしてもらいました。最大の課題は香ばしさをどう引き出すか、ということでした。
フライパンで焼いただけでは、炭火で焼いたときのあの香ばしさは出せない。
最終的にはある工程を入れることでこの問題を乗り越えて、現在の『十勝豚丼』が完成しました。
Q.その「香ばしさ」はどのように実現したのですか。
A.それは、実際に職員食堂に来ていただければ秘密が分かりますよ。
次回『十勝豚丼』の日には、ぜひ職員食堂で観察してみてください。
ありがとうございました。
また職員食堂の歴史と秘密を教えてください。
今日のお相手は青梅慶友病院採用広報担当でした。
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