2024年の、暑い日。

皮膚が灼ける様な感覚で 今日も目が覚める
敷布代わりに敷かれたカーテンに接触した皮膚が熱い
エアコンは ううぅ ううう と情けない音を鳴らして
一向に風を吹かない 暑い 蒸し風呂みたいに暑い
やっと!やっとエアコンが涼しい風を吹いた!
・・・三秒で止まった 次は 五分以上待たないと風を吹かない
こんなエアコンなのに もう二十年以上も経つエアコンなのに
何故か三年位前に 業者の人に診て貰ったら
「正常ですよ」と言われた
どうやら 一度でも風が出たら「正常」らしい
設定出来る最低温度にしてるのに 室温は三十度超えてるのに
「正常」らしい
でも エアコンは高いから買い替え出来無い
また来年も 暑い 暑い 暑い 空しい上に暑い この地獄は続く

きっとエホバの証人の二世も
こんな思いをしてるんだよね
親から自立して 月三万以下の安いアパートとかに暮らしながら
パンの耳を齧って ひもじい生活をしているに違いない
なんて可哀想な二世達
・・・そんな訳無いよな
私が集会へ行ってた頃も 他のエホバの証人の家は
明らかに私の家よりも裕福な家ばっかりだった
「なんでまた千円入れちゃうの?」
あの日 集会が終わってから 王国会館の寄付箱にさっき千円札を入れたばかりなのに 母はまた千円札を財布から取り出して入れてしまう
「だってまだ財布にお金入ってた。」
母が悪びれもせずに言う
「それ、明日のおかず買うお金でしょ!?」
「明日は明日で、エホバがやってくれるから問題無い。」
「そんな事言って、明日に成ったら「食べる物買うお金無く成っちゃった。何でだっぺ。」とか言い出す癖に。」
「だって、しょうがねえだろ、エホバなんだから。」
「エホバ」は万能ワード どんなに親が間違っていても 最終的に
正しいのは親に成る
ふと 視線感じた 周りを見ると エホバの証人の二世達がこちらを見ていた
ヘラヘラと嗤う 二世の男の子供達
ヘラヘラと嗤う 二世の女の子供達
小学生も 中学生も ニヤニヤ ニヤニヤ
無視しよう いつもの事だ
相手にするだけ無駄 お金持ちのエホバの証人は 「寄付は大事」なんて言いながら
滅多に寄付なんかしない
母の司会者のH本姉妹だって 「今月はお金余ったから、五百円だけ寄付しましょうか。」とか
平然と言っている
私の母は 貧乏なのに 毎週千円寄付してる 何なんだこの宗教は
「もう帰ろう。」私は母に言った 集会後の交わりの時間に 別に話す相手なんか居ない
そんな時に 後ろから聞こえた声

「やっぱり貧乏な親子は馬鹿だなあ。」

振り返ると エホバの証人の二世の男の子が ニヤニヤ嗤って立って居た
「あれ?僕の言った言葉、気に入らなかった?」
コイツ・・・
母が王国会館の出入り口に向かって歩き出す
「エホバだ、エホバだ、エホバなんだ・・・。」
母はブツブツと言いながら歩く
「貧乏人の、御帰りでーす。」
後ろからさっきの二世の男の子供の声が聞こえて 他の二世の男と女の子供達の嗤い声が響く

この時の二世連中は 「ムチで叩かれたから、僕達私達は悪くない」 と
開き直るつもりなのだろうか

「やっぱり貧乏な親子は馬鹿だなあ。」

あの時 私はこの言葉を一生忘れないと誓った
今も忘れてなんかいない
いつだって この世界はブルジョワと その取り巻きのブルジョワ予備軍が 良い思いをする
金持ちが被害者面で 散散他人を見下しておいて
「私はムチで叩かれたから可哀想なんです」なんて 白白しい事 言うなよ
可哀想な二世は 他人を見下さなかった二世であって
お前なんかじゃねえよ
100%の被害者の顔なんかするなよ
つまらねえ演技なんかするなよ
腹の中じゃ いつも貧乏人を見下して嗤ってる癖に

雨が降って来た ありがとう 御父様 御母様
ボク やっぱり人間を好きに成れないかも
駄目な子で ごめんね。

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