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24/9/10(火)名古屋市会経済水道委員長はなぜ解任されたか?

24/9/10(火)名古屋市議会総務環境委員会と経済水道委員会が開催され、経済水道委員会委員長の豊田かおる市議(減税日本)に対して不信任動議が出され、委員長解任されました。

・24/9/10名古屋市議会総務環境委員会 配付資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240910.pdf
 名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし(市長特別秘書分)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240910-1.pdf

・24/9/10 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
 名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240910-2.pdf
 
解任理由は、「委員会が大混乱している」ということですが、原因を見ていきたいと思います。

総務環境委員会は24/7/3に市長特別秘書に関して質疑を行い、河村市長に出席要請を行ったが、出席を差し控えたいとなったままであるとしました。
また当局に対しこれまでの経過を資料としてまとめるよう要求がありました。
しかしながら、24/9/10には要求趣旨通りの資料の提出にはいたらなかったと丹羽委員長が報告しました。

市長室長は「市職員からのヒアリング結果を包み隠さず報告する方針で対応した。しかし、議員と職員とのやり取りについて、議員に確認を取らずに報告書に記載したため、正確性の担保が不十分だった。」と述べました。
・24/5/31 経済水道委員会説明資料 名古屋市観光文化交流局 
 名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会の総点検について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240531-2.pdf
・24/6/18 名古屋市議会経済水道委員会説明資料
 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-1.pdf
・令和6年6月13日 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会
 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会に係る検証報告書(増補版)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-2.pdf
・24/6/18(火)名古屋市議会経済水道委員会 
 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について (追加)
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-5.pdf
 
服部将也市議(民主)は「本件について経済水道委員会に説明したか」と質問し、室長は「何の報告もしていない」とのべました。

丹羽委員長は「経済水道委員会で報告された後、あらためて所管事務調査を行いたい」と述べて閉会しました。


同日行われた経済水道委員会で、あらためて「委員会提出資料の考え方」が説明されました。

浅井正仁市議(自民)は、「自民党団長はこの資料が出てから3副市長と面談したが、松雄副市長は、『適正だ』と言ったと聞いている。なぜ変わったか文書で出してもらいたい」と述べました。

豊田委員長は浅井委員に対して「紙の資料は今すぐご入り用か」と質問し、田中里佳市議(民主)は「なぜ他の委員会で言われたことがここで波及するのか。もっとちゃんと仕切ってよ」と述べました。

浅井市議は「委員会の根本も変わるのに、どうやって何をやればいいのか」とし、豊田委員長は暫時休憩を宣言しました。
その後豊田委員長は「団長と3副市長のやりとりは、確認するのに時間を要するとのことなので、確認取れ次第正副で協議する。
発言を紙にすることは本日のところは案件ではないので提出しない。局長から謝られた件は詳しく発言を求める」としました。

浅井市議は「局長が話したこともなぜペーパーで出せないの」とし、豊田市議は「案件ではないので」と繰り返しました。

浅井市議は「局長が陳謝されても、当事者としてはなかなか納得いかない。
以前総務課長は『覚悟してます』と述べたが、今回の資料では『もう行いません、3副市長の方針』は納得いかない。」と述べました。

小出昭司市議(自民)から豊田委員長の不信任動議が出て、起立多数となり、豊田委員長は委員長の職を辞したいという申出がありました。
その後、北野よしはる市議(自民)が委員長となりました。


以下感想

豊田かおる市議が委員長にふさわしくないのはその通りなのですが、一番の問題は、「市長特別秘書が減税市議を通じて名古屋城市民説明会にサクラを呼んだのではないか」疑惑がはっきりしないことです。

今回、市職員のみで作る「名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会」は検証報告書を作りましたが、対象は「令和6年3月18日経済水道委員会における答弁調整に関わった職員」6名、「平成28年度から令和4年度に実施した市民向け説明会の運営に関わった当時の観光文化交流局役職者及び市長」23名と、副市長4名、市長特別秘書2名のみです。

市議にもヒアリングしていませんし、いわゆる「サクラ」当事者にもヒアリングしていません。
もっと問題なのは、上記「検証部会」が市職員のみで作られており、第三者が関与しておらず、正確性が担保されているか不明であることです。

河村市長は、総務環境委員会からの出席要請にいまだに応じておりません。

少なくとも名古屋市議会は100条委員会を設置し「市長特別秘書によるサクラ問題」について、河村市長本人への質疑を行うべきです。

100条委員会は、証言・若しくは資料提出拒否に対して「6箇月以下の禁錮又は10万円以下の罰金」(地方自治法100条3項)が定められています。
議会の持つ強力な権限であることは、昨今の兵庫県知事問題に対する100条委員会でも明らかです。


今後、24/9/27には名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)の実施に伴う意見聴取会(第11回)(非公開)が予定されています。
https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2024/kankobunkakoryu/0000178638.html

上記は「国土交通省直轄工事における技術提案・交渉方式の運用ガイドライン」に基づくとしています。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_000656.html
価格等の交渉に関し、学識経験者の意見徴収は「必要に応じて実施」とあります。(25ページ)

「総事業費505億円」として、名古屋市と竹中工務店は「基本協定」を結んでいます。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/downloads/takenaka_kihon.pdf

仮に総事業費が505億円から高くなるとしたのであれば、例え学識経験者が了承したとしても、議会の附帯決議違反となります。

・17/3/22 名古屋市会経済水道委員会 附帯決議
 1 名古屋城天守閣木造復元事業を進めるにあたっては、入場者数と収支見込みに対して民間調査会社から長期の予測は不可能であるとの指摘があることから、独立採算による収支相償の財源フレームを堅持するために、入場者数目標の達成に向けてあらゆる努力をすること。
 1 財源フレームの基本的な考え方については、市民の機運醸成を図り寄付金などの募集をするほか、事業の意義について国や県の理解を得て補助金を確保するとともに、市民税5%減税の検証による見直しも含め財源を確保すること。
 1 総事業費505億円については、工期設定の適切な見直しを行うなど大幅な圧縮に努めるとともに、文化庁や優先交渉権者との協議調整状況ならびに仕様や工程および契約内容等について適宜議会への報告を行い、議会に諮りながら進め、あわせて市民の理解を得ながら市民とともに事業を進めること
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170322-4.pdf

2016年5月に行われた「2万人アンケート」の、505億円という大前提も覆ってきます。
https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000083689.html

名古屋市議会は、竹中工務店と名古屋市が価格交渉をどう進めているかを明らかにした上で、100条委員会で河村市長に「どういう経緯でこうなったか」を問いただすべきだと思います。

・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

・名古屋城総合事務所 
 名古屋城天守閣木造復元に関する10の質問
 Q9 木造復元には、505億円かかるとのことですが、本当に税金を使わないのですか?
 https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/cmsfiles/contents/0000103/103023/2-3men_10nositsumon.pdf

・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
 http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
 https://ombuds.exblog.jp/i33/


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