比較的、異動希望が叶ってきた地方公務員が経験談から考える異動希望戦略
どうも、いろはすです。
今回は地方公務員が異動希望を叶えるためにどういった戦略をとればよいのかについて、書いてみようかなと思います。
書いてみたら、思いの外センシティブな内容になってしまったので、削除するかもしれませんw
知りたい人は、お早めに読んでいただくことをオススメします。
※あくまで個人的な意見となりますので、予めご了承ください。
前書き
初めに前提として、私の経験などについて書かせていただきます。
私はアラサーで某県庁職員(行政職)をしておりまして、大きな人事異動は3~4回ほど経験しております。(担当替えレベルであればもっと多いですが)
人事異動の際は、部署の希望などを出すわけですが、その多くを私は叶えてきました。もちろん叶わなかったものもあります。
その際に私なりに工夫したことや経験などをもとに、本記事を書いてみようかなと思います。
本記事では、ポジティブな異動希望とネガティブな異動希望の2種類について、取り扱おうと思います。
それでは、本編です。↓
結論
初めに結論からお伝えさせていただきます。
やること自体は非常にシンプルではありますが、以下が結論です。
なんだよ!この程度かよ!とは思わずに以下の詳細も読んでいただければ幸いです。
ポジティブな異動希望を出す際の戦略
ここでは、ポジティブな人事異動の希望を出す際の戦略について、お伝えしていきます。
行政の仕事や地方公務員の仕事にモチベーションが高い方、熱量がある方、やってみたい業務がある方が対象となります。
私は、以下に書いているようなことをやって(無意識的にやっていたこともありますが・・)、自分の行きたい部署に異動することができました。
①今の担当業務で精一杯頑張る、評価されること
聞いてみれば、至極当たり前のように思えますが、できている方は少ないかと思います。
今の業務で自分ができる精一杯頑張ってみて、与えられた業務以上のことをして、評価されることが非常に大切だと考えております。
(仕事を押し付けられて担当業務以上のことをやる等はオススメしません。あくまで自分の意思で他の人をフォローしたりするのがポイント。)
ここでのポイントは、ただ頑張る、ただ成果を出すだけではなく、人事評価者から「高評価を得ること」です。
これは、人事異動の調整がされる際の組織的な動きやバックを考えてみれば当然かと思います。(私は人事部署にいたわけではなく、噂や管理職の雑談から聞いたレベルの情報しか持ち合わせておりませんが、認識が大きくはズレていないと考えております。)
異動の際に、現在の部署の人事担当は、受け入れ先となる部署と交渉することがあると思われます。その際に、自分のことを人事担当が推薦できる存在だったとしたら、交渉がうまくいくと思いませんか?
反対に
・受け入れ先の部署に迷惑をかけてしまうのではないか
・受け入れ先の部署の仕事に耐えきれないのではないか
などの懸念があれば、とても推薦できる状態ではありません。
まずは、所属の人事担当の方が胸をはってあなたのことを「推せる」ような存在を目指して仕事を頑張ってみるのをオススメします。
さらに言えば、役所はアナログなネットワーク(噂とか。。良し悪しですが。。)が発達していたりもするので、いろんな人から評価を受けるに越したことはありません。もしかしたら、希望部署の人事担当の耳に入るかもしれませんので。
良し悪しはともかく、とりあえず異動希望を叶えたければひたむきに今の業務を頑張って、周りの人からの評価を勝ち取りましょう。
なお、定型的な業務、裁量が少ない法定業務など評価されにくい業務の担当をしている場合も大いにあるかと思います。
それでも、課長や係長等への丁寧な説明や心遣い、業務への積極的な姿勢など工夫できる箇所は探せばあるはずなので、意識してやってみるとよいかと思います。
意外と前向きに頑張っている姿は、他の人が見ていたりするものです。
②希望部署の申告書や人事面談できちんと自分の希望を伝えること
これも当然のことのように思えますが、できている人は意外に少ないように思えます。
まず、役所組織に慣れて全体が見えてくると、行きたい部署よりも行きたくない部署が生まれてくるのが地方公務員の性だと思っています。笑
そうなってくると、自然と行きたくない部署に自分がいかなければいい等の思考になってくると思っています。
役所全体でみたときに、希望部署の調書や面談の際に積極的に自分の希望やキャリアを語れるような人はかなり少ないのではないかと感じております。
だいたい2~3年目くらいの若手までだと役所に夢や希望を抱いて、この仕事をやりたい!って人はある程度はいるかと思っていますが、30代以上になってくるとほとんどいないんじゃないかな??笑
そのため、希望部署の調書や面談の際に積極的に自分の希望を伝えたり、今後の自分の公務員キャリアのことを語れる人は他者と差別化をはかることができ、結果的に希望部署への異動が叶うことが多いのではないかと考えております。
<希望部署の調書について>
・希望している所属や仕事がある場合には、申告書に当該部署の係単位まで書く
(課単位でもいいですが、できれば差別化をはかるため係単位まで書いて、やりたい仕事があるという意思表示をしましょう)
※行きたい部署を考える際は、自分の自治体が出している総合計画であるとかHPを見ながら、面白そうだなーとかやってみたいなーとか思える部署を探すのもよいです。新聞で自分の自治体の動向を把握して、トピックなどをおさえて、やってみたいことを探すのもよいと思います。(最近の全国的なトピックだとDXとかですかねえ)
・希望している業務内容があるのであれば、それもきちんと書きましょう。
いわゆる企画系、計画策定系、予算系、事業系等々。
・備考欄などに、希望している所属や仕事の希望理由を書く。できれば、備考欄がいっぱいになるくらい書いてみましょう。
「ちょっと書く(1行とか)」ではなく、欄がいっぱいになってその仕事に対する熱意や想いが溢れるくらいに書くとよいです。転職活動の志望理由のように自分の経験をもとに書くのもよいと思います。
(たぶんここまでする人は、周りに少ないと思います。)
(・残業がそれなりに見込まれる部署の場合には、身体が丈夫なことや残業をしてでも希望部署で仕事がしたいことなども伝えてもよいでしょう。いわゆる適正もあるよ!と伝えることですね。)
<人事面談について>
※人事面談では、面談者がどういった方なのか、面談スタイルはどんな形なのかなど不確定要素が強いので、やれる範囲でやってみればよいかと思います。
・申告書で記載した内容をもとに面談者に口頭で伝える。希望があり異動がある場合には、面談者が交渉してくれたりするので、積極的に伝えましょう。
・希望を伝えるとともに、できるのであれば、こんな公務員キャリアを歩んでみたいなど伝えてみる。短期的だけでなく、中長期的な視点を持って、自分のキャリアについて真剣に考えている姿勢を見せられるとよいです。
(ぶっちゃけほとんどの公務員が自分のキャリアのことなんて考えてないですwそのためこれを語れることは、他者との差別化になります。)
※なお、人事面談の趣旨を履き違えているクソみたいな面談者もいたりする(面談者が所属の人の話を聞く場なのに、自分の過去の話をするなど)ので、上記はできる範囲でかまいません。
面談者ガチャも少なくとも存在します・・・が、伝えられる範囲で伝えることはやった方がよいと思います。
面談者の組織内での力(顔の広さや他所属とのパイプの有無等々)も影響したりもします。一応、ご参考まで。
【補足】
①~②の戦略をとったとしても、全く筋違いの部署に行くこともあると思います。
その場合には、以下が想定されます。
・自分のスペックや能力が異動希望先の部署に見合わなかった
・単純にポストの空きがなく、調整ができなかった
1つ目の・と想定される場合には、それに見合うくらい仕事を頑張って成長しましょう!そして、異動希望を継続して出すことをオススメします。
2つ目の・の場合は、事前に希望先の部署でどのポストが空きそうか把握することで狙えたりするので、情報収集を頑張りましょう。
ネガティブな異動希望を出す際の戦略
さて、次にネガティブな人事異動の希望を出す際の戦略について、お伝えしていきます
行政の仕事や地方公務員の仕事にモチベーションが低い方、熱を失ってしまった方、意識低い系の方が対象となります。。むしろ、こっちの方が需要ありそうなような・・・
0⃣今の担当業務はそれなりにこなすだけでいい
あえて0⃣とさせていただきました。
こちらの異動希望の際は、所属の担当から推薦いただくこともクソもないので、業務に支障がない範囲でこなしていればよいかと思います。
(むしろ人事評価が悪い方が・・・なんでもありませんw)
さっさと次の項目に移りましょう。笑
①希望部署の申告書や人事面談できちんと自分の希望を伝えること
ポジティブな異動希望の時と全く同じ項目としましたが、意味合いは全く異なりますのでご注意ください。
今からお伝えする内容については、本人のリスク許容度にかなりよります。リスクをとればとるほど、異動希望は叶いやすいと思われますが、一方でそれなりのデメリットも想定されるため、留意しながらできる範囲でご活用いただければと思います。
いずれにしても、ポジティブな異動希望の時と同様に、他者との差別化を意識して戦略とすることをオススメします。
<希望部署の調書について>
・残業が少ないと思われる部署や定型業務が行われている部署を異動希望に書く。こちらは係単位まで書かなくてもどっちでもいいと思います。
※どこの部署を書けばよいかわからない!という人もいるかと思いますが、自分のネットワークを使って情報収集をしましょう。笑 一般的には出先機関とかですかね。(コロナ禍においては保健所を除く)具体的な部署は書こうと思えば書けますが、色々「あれ」なので省略します・・・
・希望している業務内容の欄があれば、定型業務など意識が低そうなものを選んでおきましょう。
・備考欄などに、定時帰りをしたい、仕事にやる気がない、ライフを最大限優先したい、精神的に辛い等の旨を記載しましょう。これもできれば、備考欄がいっぱいになるくらい理由も添えて書きましょう。
こちらの人事異動の希望の場合は、これが一番大切です。
具体的な内容を書くことは避けますが、私の場合はかなり強烈なことを調書に記載しておりました。笑
完全に出世や昇給の道は捨て、閑職のような形で公務員を続けるんだ!という人は、リスク度外視で強烈なことを書くことをオススメします。その方が他者と差別化され、人事異動の希望が叶う可能性は高いと思います。
今すぐ現在の部署を脱出したい場合には、現在の部署で何が合わないか、辛いかなどを自分のリスク許容度に応じてお伝えすることをオススメします。
一方で、「出世や昇給の道を捨てきれない、ある程度は今後のキャリアを望みたい。でも定時帰りの部署に行きたい・・・」という方は、やんわりと調書に書くことをオススメします。ただし、この場合は人事異動の希望が叶う可能性はある程度下がってしまうので予めご了承ください。こういった方は、ある程度の割合で存在すると思われるので・・・ライバルが多いってことです。
上記のいずれも一貫して、やる気がないことやモチベーションが下がっていること等が伝わる内容を書きましょう。自分の意思をきちんと伝えることが大切です。そして、どれくらい伝えるかの塩梅は、個人のリスク許容度によります。
<人事面談について>
・これも申告書で記載した内容をもとに面談者に口頭で伝える。異動希望先への交渉もクソもないので粛々とお伝えしてもらえればいいかなと思います。
(・自分のキャリアについては、別に話さなくてもよいです。リスク許容度が高い場合には、「出世などに興味ないし定時帰りさえできればなんでもいいわ」のような超意識低い系のことを伝えてもよいかと思います。)
【オマケ】異動希望を出す際にオススメしないこと
私が考える異動希望を出す際の究極の悪手について、お伝えします。
一番の悪手とは「異動希望の調書や面談で希望を全く伝えないこと、自分の意思を伝えない(自分の意思がない)こと」になります。
なぜこう考えるのか、以下にまとめます。
いろいろ考察させていただきましたが、とりあえず異動希望できちんと自分の意思を伝えるに越したことはないと覚えておきましょう。笑
伝えすぎかなと思うくらいきちんと伝えましょう。ここで曖昧に伝えた場合は、組織(人事部署)が都合よく捉える可能性があるため、他に解釈の余地がないくらいきちんと伝えましょう。
しかしながら、私の周りにはこういったメカニズム等をあまり考えずに異動希望を適当にしている方が非常に多いです。
公務員できちんとキャリアを描くのは難しいのがこの背景にあると思われますが、組織(人事部署)は異動希望を都合よく捉えることが多いために「よく分からない部署に異動になっちゃった!」ということが多発している気がします。笑 諦めすぎるのもよくないです。
面談者からオススメされた部署などを書くのもあまり得策ではありません。異動希望はあくまで自分事だと考え、自分の頭で考えて希望を考えましょう。
あなたのキャリアは、あなただけのものですから、他者からのアドバイスを受けるのはよいですが、最後は自分で選択していきましょう!(異動希望が叶わないこともあると思いますが・・)
終わりに
今回の記事は、転職活動絡みと少し毛色が違いましたが、いかがでしたでしょうか(「いかがでしたでしょうか」って言いたいだけw)
公務員の人事異動は、かなりブラックボックスになっていると思いますが、何事も裏のメカニズムがあります。それを想像して戦略を立てることが必要ですね。
これは普段の仕事や転職活動にも通ずる考え方ですので、意識できると一段上のビジネスパーソンになれるかもしれません(すいません、何様って感じですが・・・)
自治体の存続計画だろうが、転職活動だろうが、仕事だろうが、人事異動の希望だろうが、何事も合理的な戦略を考えて行動していくことが大切ってことですね。
結論とかは既に伝えているので、「終わりに」にはちょっとしたメッセージ(戯言w)を盛り込んでみましたw
この記事が、あなたの公務員キャリアを描く一助になれば幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。