"DX"の推進って何をするのか
和4年度を迎えた。今年度の三原市はさらに,"DX"実現に向けた取り組みをスピーディに積極的に進めていく。
今さらではあるが,"DX"つまり"デジタルトランフォーメイション"とは,"デジタル技術を活用して,さまざまな分野で変革起こそう!"ということらしい。
"デジタルチェンジ"ではないのは,ただ”変わる"のではなく,上の絵のように"原型をとどめないくらいに劇的に変わる"ことが求められているということなのだろう。
SDG'sによる脱炭素化のマインドシフトは電気自動車のニーズを押し上げ,ガソリン駆動である自動車業界のサプライチェーンに劇的な変化を求めていることと同様,COVID-19は今までのようなレガシーな仕組みをベースとしたやりくりに対して解決困難な状況を作り出し,それは正に行政全般への劇的な変化を求めている。
ではどのようにして,劇的な変化をできるように進めていくのか?
数年前に産業系IoTを取り組んでいた頃,仕事で付き合いのあったある製造業は,工場内にある機械の稼働状況や生産管理の実績など,さまざまな情報をデジタル化して集約することで,現場に行かなくても現場の状況がわかる仕組みを少しずつ構築していた。現場には人がほとんどおらず自動化・無人化を実現していた。じゃあ従業員は暇にしているかというとそういうわけではない。新しい製品や事業の開発を積極的に行っていて,試行段階の製品も見せていただいたこともある。まさにこれがIndustry4.0における"勝ち組"なんだと思う。この時に,現場のデジタル化実現を早くから取り組むことがDX実現のカギだということを強く感じた。そして自分はいま,三原市のデジタル化に向けて同じことを進めていきたい。
最優先の取組みは,現場の紙データをゼロにして全てをデジタルデータにすること,そして,現場の手作業をゼロにして全てを自動化すること。
超分厚いパイプファイルに納められている情報や,作成した人にしか置き場所が分からない深い階層のフォルダ内にあるExcelファイルの情報では,"リアルタイム"に視ることはできないし,紙に記録された情報では,他のいろいろな情報と併せて"多面的"に分析することができない。
今までのような,手書き作成+押印の紙による手続きやExcelファイルや基幹システムに転記するような手作業をゼロにすること。三原市のデジタル化を進めるにあたって最初の取組みに掲げている。
まず,市民や市内事業者に申請をしていただく必要がある事業については,アプリやフォームツールで,情報発生時にデジタル化する。途中の承認プロセスもワークフロー化して,基幹システムへ連携するが,API開発が難しい場合はRPAでロボットに入力させる。
現場の手作業がゼロになるということは,市民・事業者・大学などと三原市職員が力を合わせて,デジタルデータの分析や新しいサービス・事業の開発を積極的に行うことが可能になるということだ。みんなでトライ&エラーを繰返して,みんながWinとなるようなビジネスモデルを構築できれば,社会全体が新しくトランスフォームできると思う。
「そんなん言うことは簡単じゃんか~!」
庁内あげて力を合わせ,これらを取組んでいくには,相当なエネルギーが必要なのは承知。令和4年度に三原市では,"手作業ゼロ & 紙情報ゼロ"をテーマに掲げた全庁プロジェクトを実施する。外部委託に依存しない,職員の力による"タスクトランスフォーメーション"の実現をめざす。
人口減少が進んでいる中で,新たな産業を創出したり都市環境をリノベしたり,新型の感染症や気象変動による災害など未曾有のリスクから市民を守ったり,"人生いろいろ"な多様性を受容した市民一人ひとりのウェルビーイングを提案するような大変革を,職員の今までの経験や価値観や考え方だけで実現させることはかなり難しい。
さまざまなデジタルデータをプラットフォーム上に並べて,三原市民・三原市職員だけでなく,たくさんのサポーターも加わった中で,潜在している"未来の宝"をマイニングして,スマートシティMIHARAにつながる新しいものを創り出せたらと強く思っている。
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