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マルチーズは犬なのか、チーズなのか


最近、隙間時間にアプリ『五七五オンライン』で一句詠んでいる。名前通り俳句を詠むアプリなのだが、ひとりで詠むだけではない。

無作為にマッチングした相手と「最初と最後の五文字」もしくは「真ん中の七文字」をそれぞれで読み、ひとつの句を作る『みんなで詠む』機能が素晴らしいのだ。人の手が加わることで、良くも悪くも思いもよらぬ句が詠める。

基本的に無法地帯、最近は外出自粛の影響でこどもも多いようで俳句というかプチチャットになることもあるが、ときどきめちゃくちゃ良い句が詠めることもあり、そんなときは脳内アドレナリンがジャバジャバ放出される。このアプリさえあれば、手軽にキマッた状態になれるのである(※俳句の話です)

また相手のことは名前しかわからない上に一句読み終えたら即サヨナラなので、気づかいもほぼ不要で煩わしさがない。が、それでいて誰かとコミュニケーションがとれている気がするのもこのアプリの素晴らしいところだ。私のような孤独な主婦にはよい気晴らしとなっている。


ただ、ひとつ最近悩みがある。

私はペンネームを「まるちーず」にしているのだが、そのせいだろうか。

やたら最初の五文字で「チーズ」ネタを振られる。レアチーズだとか、ブルーチーズだとか……正直、嬉しくはない事態だ。というか、想定外である。

第一、マルチーズって犬だしさ。

チーズにそんなに思い入れがない上に、なんかチーズってだけで最初の五文字からすでに句に乳くささが漂っている気がする。それを振り払うのは容易なことではない。

こちらが真ん中の七文字でチーズから離れようと奮闘しても、そもそもすでに相手がチーズに捕らわれており、最後の五文字でチーズ界に引き戻される。

ちなみに犬ネタは現在のところ一度も振られていない。なぜなのか。「ワンワンは」「柴犬と」みたいな五文字を詠んでくれても良くないか?それならこちらだって多少なりともテンションが上がる。なぜなら、犬はかわいい。だから、句だって詠みやすい。

「柴犬は」のあとなら「かわいい限り」「愛らしすぎて」「抱き締めたくて」など、続けられる言葉は無限にある。そもそも、正直もう犬系きたら「ワンワンワン!」と詠むだけで成り立つっしょ!(※なめプ)

だが、チーズだとそうはいかない。「トロトロリン」とか読めばいいの?でもブルーチーズとかとろけてるとこ見たことないんですけど???

いや、キレてないよ。大丈夫、こっちは大人ですから。ええ。

というかさ、もう一回声を大にして言いたいんだけど、マルチーズって犬だから。チーズちゃうから!


まぁ、そもそも根本的なところに問題があって。私、マルチーズ飼ったことないんですよね。なんならどんな犬かもアヤフヤ。別に取り立てて好きでもない。

もうあれだよね、マルチーズ好きにも、チーズ好きと思って五文字を詠んでくれてる人にも申し訳ないよね。適当に思い付いた単語がマルチーズだったがために、まさかこんな罪悪感を負うことになるとは思わなかった。


人間は 

  愚かと思う

     まるちーず


……名前、変えようかな。チーズつかないやつに。

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