育児は『プライベート・ノー・ラン』
365日ワンオペ(ちょい盛ってる!)で二人のこどもを育てているわけですが、最近気づいてしまったんですよね〜。
以前好きだったものや、やりたいと思っていたこと……例えば私にとってはゲームや読書、手芸なわけですが、そういう大好きだったことを自分がやりたいと思わなくなっているということに。
というか今も大好きなのに、いざやろうとする気力がない。
こどもが奇跡的に二人一緒に寝ているとき、夫に「せっかくだから何かしたら?」と言われるんですが、いざ言われても本当にしたいことが見当たらなくてぎょっとするんですよね。いや、したいことはたくさんあるけど、はじめられないというか。
『何か』をするだけの気力がない。
マジでない。無。無気力ここに極まる。
我が家の場合、こども達が二人とも寝ないタイプであること。私が夜泣きを一手に引き受けてきたこと。ほぼほぼ四年間まともに寝てないので、頭がパッパラパーになっていること。こどもたちに障害があることなど、ま〜色々原因はあると思うんですが、個人的に一番の原因は
何かをはじめてもすぐに中断しなければならないこと。
これだと思うんですよね。
例えばこどもが寝たからちょっと家事を片付けて、やっと休憩だ!コーヒーを入れてさぁ飲もう!と思ったらギャン泣きしながら起きて、毎度冷え冷えのコーヒーをイッキ飲みすることになるとか。こども寝てるしカップ麺でいいや!とお湯をいれた瞬間にこどもが泣き出して、ヒエヒエノビノビカップ麺という悲しい食べ物を作り出してしまうとか、育児あるあるなわけですが、そもそもこの事態を経験したことのない人にとって、これの何が辛いのかよくわからないんじゃないかと思うんですね。
「そっか〜、でもコーヒーなら暖め直したらよくない?」とか「え?麺伸びるのイヤなら先食べたらいいやん!」とか。思うでしょ。
ちゃうねん。そういうことちゃうねん!
思わず声を大にしてしまった。いかんいかん。失敬。
こどもが起きた……言い方変えるとね「こどもの邪魔が入った」時点で、もう私にとってはストレスマックスなのよ。
なぜかというと、『こどもが起きた』時点で家は戦場になるからです。
いや真面目ですよ、私は!大真面目に言ってる。
前述のような「パンがなければお菓子を食べればいいのに」発想の貴様!貴様は戦場でのんびりカップ麺食うか?優雅に熱いコーヒー飲むか?そもそも戦場でなにか食べて「おいし〜♪」ってなるか?
ならんだろう!と言いたい。いや私も戦場経験は就職初日に「ここは戦場なんだヨォ!」と叫ばれた時のみですが、少なくともそのときの戦場より今の我が家の方が戦場度は断然上回ってる。こどもの命かかってるし。
私にとっては、こどもがちょっと起きただけ。こどもがちょっと邪魔しただけ、じゃないの。さぁリラックス!と思った次の瞬間、こどもの泣き声。マジで家が一気に戦場になって弾がヒュンヒュン頭上を掠めていくような心理状態に置かれるわけ。しかもワンオペだと、この戦場を一人で戦わなきゃいけないというプレッシャーが常にあるのよ。
『プライベート・ライアン』でライアン救うとき、あの立派なミラー大尉ですらチーム組んでたやん!!!それがこっちは一人よ?ヒトリ・ハンクスよ??私もバリー・ペッパーとチーム組みたいよ!!
あれ?話ずれてない?大丈夫??大丈夫ハンクス??ずれてるハンクス???
とりあえず話を戻すと、こどもが起きたことで急に緊張状態になるのが辛いって話ね。
こどもが起きたらその時点で世界が変わる。全て中断せざるをえない。まず泣いていたら抱き上げなきゃいけないし、その泣きが一瞬でおさまるなんてことはほぼないから、十数分〜ひどければ数時間そのまま手をかけてあげなきゃいけない。機嫌よく起きたとしても、例えばゲームなんてしてようもんならコントーローラー奪いに来たり、テレビの主電源切ったりリモコンいじったり配線を引き抜いてプレステ4を壊したり、ゲームディスクをへし折ったりしてゲームどころではなくなる。ほんとになくなる。とりあえず全部我が家では起こってる。
やらないんじゃなくて、本当にできないのだ。
我が家はこれが一日中続くんだぁ……へへへ。もちろん「寝る」という行為すら邪魔が入り続ける。3時間以上続けて寝たことがないのだ。ひどければ30分かけて寝かしつけて数分後にはもう起き出すなんてこともある。先日も全く寝られなかった朝の5時半にとうとうぶちギレてしまい、娘のアゴをつかんで「あんたねぇ!いい加減にして!!!」と叫んじゃったよね、へへへ!………とか言ってる場合ではないけども。虐待一歩手前では!?まぁ我に返って謝ったからセーフ……になんないかな。眠ってないと人間、判断力が本当に失われるよね。
こんなことが毎日、ひどけりゃ数分単位で繰り返される。別に趣味に限らずなんにもできない。家事だってスムーズにできない。座るとこども達が登ってくるから、座ることすらできず1日中立ってる。歩いて移動したら足にしがみついてきて逆に危ないから基本こどもを避けながら小走り移動。ここは軍隊か。
ミラー大尉、私がんばってますよ!!
んでね、冒頭の話に戻るんだけども。
理屈じゃなくて経験則で、好きなことをやっててもどうせ邪魔されるし中断されると思ってしまうと、そもそも「何か」をやる気がでないのだ。途中で邪魔されてこどもを怒ってしまうくらいなら。イライラするくらいなら、なにもしない方がマシだ。
育児は根こそぎ、私の気力を奪ってしまった。
おぉっと!だからなんだ!何が言いたいんだ!と叫びたい方もいらっしゃるでしょう。どうどう!落ち着いて!最後まで一応話聞いて!
もしかしてだけど、この世には私と同じような気持ちの人がいるんじゃないかと。例えばよく寝るこどもだとしたって、親が心安らかに好きなことできる時間ってそうそうない。自分の好きなことができなくて苦しかったり悔しかったり、好きなことをやる気力がないことを嘆いたり。そんなお母さんやお父さんがいたとしたら、とりあえずここにも同じ気持ちの人間が一人いるよ、と。ヒトリ・ライアンいるよ、と。あなただけじゃないよ、って。
私が言いたいのはただそれだけです。
『プライベート・ライアン』は名作だ。アマゾンプライムでいつでも観られるけれど、3時間近い映画を一本観る余裕は今の私にはない。
2:36:00から、ミラー大尉が言う。「無駄にするな」「しっかり生きろ」と。だから、そのシーンからラストまでの10分だけを観る。
いつか私もライアンのように言いたいもんですね。
「こどもが私にしてくれたこと、私の育児がそれに報いていたら幸せです」と。
そう思えるように、とりあえず今はプライベートがなくても走るしかない。この戦場こと育児道をよぉ!
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