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呪いの遊戯だった。怪談「逢魔が時物語」1.30『禁忌の遊び』

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            ━━ 2024 ━━
        ★ 怪談 逢魔が時物語 ★

             1.30 #2

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       ★ 逢魔が時物語へ、ようこそ ★

 ここは、あの世とこの世の間にあるユラユラとした境界です。
 今宵も、ゾッとする怖い話、不思議な話をお届けしましょう。

 では、1.30号は『禁忌の遊び』怪談です。

               逢魔プロジェクト主宰・雲谷斎

ーー 目 次 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ■oma-kwaidan『禁忌の遊び』
     ・逢魔怪談「突風」
     ・逢魔怪談「憑依」

 ■Information
     イベント 出版物 逢魔が時チャンネル 売店

 ■oma-column
     ・今晩放送のcafe逢魔は・・・

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 ■cafe逢魔「能登応援放送」1月30日 21~23時
  https://www.youtube.com/watch?v=mG31ZhMQtbk
 ■cafe逢魔「年末調整放送」12月28日アーカイブ
  https://www.youtube.com/watch?v=NNvNtGBCFzs

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           逢魔怪談
     ~~~~~ 「突風」 ~~~~~

 小学五年生の頃、禁じられていた遊びをした。
 つくづくやめとけば良かったと思う。

 『こっくりさん』である。
 放課後、こっそりと教室に居残って遊んでいた。

 一枚の硬貨の上に、そっと参加者全員が人差し指を置く。
 みんなが順番に質問をする。

 すると、スルスルと硬貨が文字の上を滑った。
 誰かが意識的に力を入れて動かしているのかと思った。

 「南の窓が開いています。どうぞお帰りください」
 最後はその言葉で終了する、はずだった。
  
 ところがその日、一人の男子がルールを破った。
 最後の言葉の前に、硬貨を強引に紙の外まで動かしたのだ。

 その途端、大変なことが起こった。
 窓から突風が吹き込み、その男子にまともに吹きつけた。

 「痛い、痛い!」
 男子は右目を抑え、痛みに叫んで泣きはじめる。

 みんなパニックになったが、男子を保健室へ連れていく。
 残ったメンバーは硬貨に再び指を乗せ、必死に謝罪した。

 なんとか怒りを収めてもらい、帰ってもらわないといけない。
 やがて、硬貨はゆっくりと『はい』の位置に動いた。

 目の痛みを訴えていた男子は、不思議とすぐに痛みが引いた。
 眼科に診てもらっても異常はなかった。

 学校が禁止するのは、こんな異変が度々起きるからなのか。
 
         ・投稿:ひぽぽたますさん(男性・岡山県)

 《雲谷斎のイッチョ噛み》

 「ありゃま、こっくりさん怒らせてしもたんや。
  突風吹かせるやなんて、あんたは風神かい」

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            逢魔怪談
     ~~~~~ 「憑依」 ~~~~~

 小学六年生の頃、オカルトブームがあった。

 こっくりさんが流行ったが、学校内で問題になっていた。
 ある時、先生が生徒をたしなめるためにこんな話をしてくれた。

 先生も小学生の頃、こっくりさんが流行っていたらしい。
 放課後になると、こっそり毎日のように集まってやり始めた。

 不思議だったが、三人の指の下の十円玉がゆっくりと動く。
 そして、みんなの質問に答えていく。

 しばらく遊んでいたが、塾に行くという友だちがいた。
 仕方なく、盛り上がっていた遊びをやめることに。

 長い間居残っていると、先生に見つかるかも知れなかった。
 本当はこっくりさんより、先生の方がコワかった。

 こっくりさんに帰ってもらうようお願いする。
 ところが……。

 「 か え ら な い 」
 十円玉がゆっくりと文字をなぞった。

 みんな驚いて、思わず手を離してしまった。
 手を離すことは、いちばんやってはいけないこと。
 何か怖ろしいことが起こる予感がした。

 慌てて十円玉に指を戻し、必死に謝った。
 有り得ないことが起きはじめていた。

 十円玉は同じ文字をグルグルと回り続ける。
 「 ゆ る さ な い    ゆ る さ な い 」
 そして、ついにはポトリと床に落ちてしまった。

 みんなは許してくれたのだと思った。
 しかし、ふと気づくとそばにいた友だちに異変が起きていた。
 机の上で四つん這いになっている。

 「どうしたの? 大丈夫?」
 何を訊いても黙って四つん這いになったまま。
 と、次の瞬間。

 『ケェェェェェェーン!』

 その子は訳のわからない声で叫んだ。
 何かが憑依したのかも知れない。

 そして、驚くような高さまで跳び上がったかと思うと、
 並んだ机の上を次々と跳ね回り始めたのだ。

 怖くなって、他の者は助けを呼ぼうとドアを開けようした。
 ところがなぜかドアが開かない。

 閉じ込められ、必死でドアを叩いて助けを求めた。
 やっと、異常に気づいた先生が駆けつけてきた。

 「お前たち、こんな時間まで何やってるんだ!」
 
 暴れる友だちを先生が取り押さえると、すっと正気に戻った。
 こっぴどく叱られたが、訳を話して解放してもらった。

 ただ……正気に戻った友だちの手に後遺症があらわれた。
 十円玉に触れていた手は、少し曲がったままになってしまった。

          ・投稿:cannanさん(女性・神奈川県)

 《雲谷斎のイッチョ噛み》 

 「京都では帰らん客には、ぶぶ漬けどうどすか? と言う。
  いけずな物言いやけど、こっくりさんにも効くかもね」

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 【読者便りー12.20号】

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 年跨ぎとなりますが、 怪談「逢魔が時物語」12.20#33
 『泣ける怪談』の感想です。
 今年もメルマガ、Cafe逢魔等楽しみにしております!

 「オルゴール」
 どんなお別れの仕方でも、飼い主さんは後悔するものです。
 それを慰めてくれるのは、別れた優しい魂なのです。

 「ヤモリ」
 山川草木悉有仏性。
 人こそ仏に近いなどど思い込むは愚かしい事。ね、ヤモリくん?

                 <maoさん(女性・東京都)>

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 今晩、生放送する「cafe逢魔」。若い才能をお客に迎える。
 妖怪アート作家のmeRryさん。妖怪をテーマにしたイラスト
 やアクセサリーの作家。怪談の語りべとしても活躍中である。
 カフェでお茶しながら、おしゃべりするような放送。視聴す
 るリスナーも居心地のいい、フリートークと怪談の二時間。

 ■cafe逢魔「能登応援放送」1月30日 21~23時
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