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そのバイクが変! 怪談「逢魔が時物語」6.10号『バイク凶走』

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            ━━ 2024 ━━
        ★ 怪談 逢魔が時物語 ★

            6.10 #15

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       ★ 逢魔が時物語へ、ようこそ ★

 ここは、あの世とこの世の間にあるユラユラとした境界です。
 今宵も、ゾッとする怖い話、不思議な話をお届けしましょう。

 では、6.10号は『バイク凶走』という怪談です。

               逢魔プロジェクト主宰・雲谷斎

ーー 目 次 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ■oma-kwaidan『バイク凶走』
     ・逢魔怪談「異様な並走」
     ・逢魔怪談「P管マフラー」

 ■Information
     イベント 出版物 逢魔が時チャンネル 売店

 ■oma-column
     ・ブックマークのおすすめ

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 ■cafe逢魔「五月の病放送」5月28日(火)アーカイブ
  落語家のアレやコレ。お客:笑福亭純瓶さん(落語家) 
 https://www.youtube.com/watch?v=GEWFwcpGKfU

 ■『肥後橋 おも怖怪談ナイト』6月22日(土)
  18:30開場19:00開演 大阪西区アワーズルーム
   渋谷泰志×藤井正之・佳代(心霊サイト管理人)
   ゲスト・雲谷斎
 【詳細】http://hourz.co.jp/
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           逢魔怪談
   ~~~~~ 「異様な並走」 ~~~~~

 家族旅行で関越道を車で走っていた。

 3車線の真ん中の走行車線、90キロは出していたか。
 すると、左からバイクが近づいてきた。
 こちらの左前を、ほぼ同じ速度で走っている。

 バイクなのにヘンなやつだなと思った。
 バイクなら空いた車線を選んで、さっさと先に行くはず。

 とはいえ妻と話しながらで、さほど気にもしていなかった。
 しばらく並走するように走っていたが、違和感を覚えた。

 バイクが追い抜いていったときは、一人で乗っていた。
 それが、二人乗りに見える。

 「大きなリュックか?」いや違う。

 後ろにピタリと張りついて、女が乗っている!

 異様だったのは、乗っていたり、いなくなったりすること。
 自分はいったい何を目撃しているのだろう、と戦慄した。

 「あんた、顔色が悪いわよ」
 妻が指摘する。

 「そうか……ちょっと疲れたのかなぁ」
 普通を装って、車のスピードを落とす。

 バイクと距離を離し、左車線に移った。
 次のパーキングエリア休憩を取り、事なきを得たが
 あれが現実だったのかはわからない。

             ・投稿:のぶさん(男性・東京都)

 《雲谷斎のイッチョ噛み》

 「女を背中に張り付けたまま走るバイクですやん。
  霊もいっしょにツーリングや! イェーイ」

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            逢魔怪談
   ~~~~~ 「P管マフラー」 ~~~~~

 すでに絶版車となったホンダCBX400Fというバイク。
 昔は「族」に人気があった。

 バイクショップをしていたAさんの元に、ある若者が来た。
 P管マフラーが欲しいという。

 なんとなく陰気な感じで、生気が感じられなかった。
 言葉少なに、聞かれたことだけを答えてくる。

 しかし、その彼は「族」車ではなくノーマルバイク。
 改造する気はなく、マフラーだけの交換だという。

 ツーリングの帰りに寄るので、取り付けを頼みたいと。
 ところが、夕方の予約時間になっても現れない。
 閉店時間を過ぎ、八時過ぎまで待った。

 代金は支払われているので、また連絡が来るだろう。
 そう思ったが、半年経っても彼は二度と現れなかった。

 そんなことも忘れたある日。
 剃り込み、眉毛なし兄ちゃんがP管マフラーをくれと
 デカイ態度で現れた。

 ムカつきながら車種を訊くと、ホンダCBX400Fだという。
 あいにくP管は在庫切れ。

 ふと、倉庫の隅に放置してある例のP管を思い出した。
 もう取りに来ないだろうし、それを売ることにした。

 取り付けて欲しいと言うので、バイクを見に行く。
 正真正銘の族仕様だった。

 凄まじく飛び出したロケットカウル。
 しっかり曲げた鬼ハン、旗棒に、エアーで鳴る
 ゴッド・ファーザーのホーン。
 三段シートに、車体はすべて紫色の塗装だった。

 あきれながらマフラーを取り付けてやった。
 剃り込み野郎は空吹かしの後、P管爆音を轟かせて走り去った。

 それから二、三週間後の店の定休日。
 Aさんは東京近郊の廃車置場を訪れた。

 お宝はないかとパーツ漁りをしていると、廃車が運ばれて来た。
 その中に発見してしまった……。

 紫色のCBX400F、まさにあの「族」仕様のバイクだった。

 前輪は潰れて、くの字にエンジンに食い込むほど曲がっている。
 鬼ハンは運転者側に突き出すように変形している。

 見ているだけで気分が悪くなった。
 凄まじい壊れ方がすべてを物語っていた。

 いちばん初めにやって来た彼の「モノ」だったマフラー。
 それを取り付けた「族」バイクの運命……。

 あの彼は、いったい何だったのか……と思う。

           ・投稿:ワカメさん(男性・長野県)

 《雲谷斎のイッチョ噛み》 

 「彼の呪いやろか、もしかして初めから生きた人間では
  なかったんかも。族兄ちゃん、お気の毒さま」

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 【読者便りー5.30号】

 「トロトロ運転」
 高速道路の超有名人、ターボ婆の娘さんちゃいますか~?

 「茶色いおじさん」
 水曜どうでしょうファンにとって、茶色いおじさん=
 茶色い全身タイツの大泉洋さん(茶タイツ師匠)に脳内変換
 されていまいます。

 怪談ライブ引手あまたですねえ。
 京都の眠れる怪談獅子頭、雲さん大暴れの季節到来
 ですかねえ。

                <maoさん(女性・東京都)

「いつも怪談を楽しんでもろて、おおきにです。
 京都の眠れる……できたらずっと寝てたいですわ」雲

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  ■イベント

  ・『肥後橋 おも怖怪談ナイト』
   6月22日(土)18:30開場19:00開演 大阪 アワーズルーム
   渋谷泰志(盗聴バスター)×藤井正之・佳代(心霊サイト管理人)
   ゲスト・雲谷斎
  【詳細】http://hourz.co.jp/

  ・怪談ライブ『関西怪談オールスター2024 in 遍満寺』
  7月6日(土) 17時開場17時30分開演
  遍満寺(阪神電鉄姫島駅から徒歩約4分)
  【詳細】http://kwaiutsuro.org/archives/1173
  【予約】https://peatix.com/event/3962891/view

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