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有り得ない女と遭遇した。怪談★逢魔が時物語#15「コワイ女」

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           ━━ 2023 ━━
        ★ 怪談 逢魔が時物語 ★

            6.10号 #15

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       ★ 逢魔が時物語へ、ようこそ ★

 ここは、あの世とこの世の間にあるユラユラとした境界です。
 今宵も、ゾッとする怖い話、不思議な話をお届けしましょう。

 さて、今号は『コワイ女』という話です。

               逢魔プロジェクト主宰・雲谷斎

ーー 目 次 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ■oma-kwaidan『コワイ女』
     ・逢魔怪談「天井の女」
     ・逢魔怪談「女が出てから」

 ■Information
     イベント 出版物 逢魔が時チャンネル 売店

 ■oma-column
     ・田辺青蛙さんの番組に

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 ■cafe逢魔「柏餅旨い放送」5月22日放送済みアーカイブ
  https://www.youtube.com/watch?v=RxK6kl6tLd4
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            逢魔怪談
      ~~~~~ 「天井の女」 ~~~~~

 かなり昔のことになるが、私は台湾で仕事をしていた。

 久しぶりに一時帰国することになった。
 母は北海道の芦別という町に住んでいる。
 そこに一週間滞在することになった。

 帰国した初日、旅の疲れもあって少し早めに寝た。
 すると突然、真夜中に目が覚めてしまう。

 薄暗い部屋をぼんやりと眺めていた。
 ふたたび目を閉じようとしたとき、視線が何かを捉えた。

 有り得ない場所に、有り得ない者がいた。
 部屋の壁と天井の角っこ。

 白い着物の女……しかも、襟元から上だけの姿。

 そんな訳のわからないものが中空に浮いているのだ。
 目を大きく見開き、私を無表情にじ~っと見詰めている。

 危害を加えるとか、迫って来るということはない。
 瞬きもせず、ひたと視線を私に合わせて見詰めてくるだけ。

 この後、何が起きるのかという恐怖が押し寄せて来る。
 その間、五、六秒だったか……。
 それはモザイクのように粉々になり、壁に吸い込まれていった。

 時間は丑三つといわれる午前二時。 
 あれは誰なのか、何を言いたかったのか。
 まったく答えの出ない不可解な出来事だった。

           ・投稿:yokochinさん(女性・北海道)

 《雲谷斎のイッチョ噛み》

 「出たぁ! この話は珍しいものやなく、あちこちで聞く話。
  じーっと見るだけのユーレイは多い。ヒマなんやろか」

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            逢魔怪談
    ~~~~~ 「あの女のせい」 ~~~~~

 私の周りで、じつに奇妙なことが連続的に起きたことがある。
 それもある年の冬から夏にかけて頻発した。

 始まりは東京池袋のホテルだった。
 福岡から受験のため、二泊三日で宿泊していた。

 初日の夜、インパクトの強い悪夢を見た。
 凶暴な男に、女の人が殴られているというリアルな夢。

 なぜか夢の中で男の顔をアップで見せられそうになり、
 私は必死に抵抗していた。

 うなされるように目覚めた直後、部屋は異様に包まれていた。
 ベッドのすぐ脇のカーペットが擦れる音がする。

 何かが居るのか?
 気づかれないように、意識を向けないようにと寝たふりをする。
 布団の中で息を殺して目をつむり続けた。

 女だった。
 女がベッドの周りをスッスッと音を立てて回っている。

 夢に出てきたあの女だろうか。
 持って来た手首数珠は枕元に置いてある。
 大丈夫なはずだ。そして、長い夜が明けた。

 奇妙なことが起きていた。
 枕元の数珠が、明け方にはベッドの足元に投げられていた。

 ただ、私はずっと目を閉じていたので、女の姿は見ていない。
 気配だけがベッドの周りをまわっていた。

 きっと気のせいだろうと、深く考えず福岡に帰った。
 ところが、その後も変な事が続く。

 たぶんホテルに出たあの女だと思う。
 女に乗っかられて下腹部に噛みつかれるという夢を見た。

 女はそのまま私の腹に沈んでいった。
 夢なのにギュンギュンと痛かった。
 その後、私は体に変調をきたし、私の部屋だけ家鳴りがする。

 怖かったので、ネットの『霊能相談掲示板』に書き込んだ。
 ところが書いている途中、突然の息苦しさに襲われた。
 首を絞められるような気配も二回した。

 そして夏休みの昼間、はっきりと見てしまった。
 リビングのドアは磨りガラスになっている。

 その磨りガラスの後ろを、間違いなく人の影が横切ったのだ。

 家には私一人だけ。
 磨りガラスは廊下にある観葉植物さえ透さないのに。

 あまりもの異変続きで、神社にお参りに行った。
 拝殿で念入りにお参りして、振り返って驚いた。

 来るときは掃き清めてあった境内に、木の枝が無数に散乱
 している。
 しかも、それは御神木の真新しい枝ばかりだった。

 あの時期、いったい何が起ころうとしていたのだろう。
 あの女のせいではないかと、思っているのだが。

        ・投稿:トットアポ錠剤さん(女性・福岡県)

 《雲谷斎のイッチョ噛み》

 「うわー、いろんな怪異が起きたんやなぁ。
  怪奇のイオンモールですやん。まぁ無事でよかったけど」

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 ■出版物

  雲谷斎が書いた本、作ったDVDなど売ってます
 ・「怖すぎる実話怪談」シリーズ10冊(文庫ぎんが堂)
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 田辺青蛙さんが配信してはるyoutube『最恐激コワちゃん
 ねる』に呼ばれて出演してきたよ。そのうち配信されると
 思うわ。やっぱり怪談を語るのは楽しいなぁ。若手の怪談
 語りべたちとも知り合えたし。様子見ながらそろそろ逢魔
 プロジェクトを始動させよかな、と思いつつある昨今。

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