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放課後に入ってはいけない。怪談★逢魔が時物語#8「何か居る体育館」

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           ━━ 2023 ━━
        ★ 怪談 逢魔が時物語 ★

            3.30号 #8
            
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       ★ 逢魔が時物語へ、ようこそ ★

 ここは、あの世とこの世の間にあるユラユラとした境界です。
 今宵も、ゾッとする怖い話、不思議な話をお届けしましょう。

 さて、今号は『何か居る体育館』という話です。

               逢魔プロジェクト主宰・雲谷斎

ーー 目 次 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ■oma-kwaidan『何か居る体育館』
     ・逢魔怪談「最後の見回り」
     ・逢魔怪談「ドリブル」

 ■Information
     イベント 出版物 逢魔が時チャンネル 売店
 ■oma-column
     ・怪談界のキャラに

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 ■cafe逢魔「脱マスク放送」3月25日放送アーカイブ
  https://www.youtube.com/watch?v=tivom_QcNRc
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            逢魔怪談
    ~~~~~ 「最後の見回り」 ~~~~~

 私の通っていた小学校はかなり古く、歴史を感じる建物。
 それは校舎だけでなく、体育館も同じだった。

 その日、私は友達と放課後に体育館で遊んでいた。
 やがて下校時間が過ぎ、体育館からは退出しないといけない。

 それでもまだ体育館の中でおしゃべりをしていた。
 すると、薄暗くなった体育館のドアが開く音がする。

 見回りの先生が来たのだと思った。
 「隠れよう!」
 見つかると先生に怒られるかも知れないからだ。

 ステージ脇の階段の上にある舞台袖に隠れた。
 生憎そこからは体育館の様子は見ることはできない。

 先生らしき人の気配はある。
 体育館から出て行くのを待つが、なかなか出て行かない。

 見回りなら、ものの数分で済むはず。
 ところが、何分経ってもまったく出て行く気配がない。

 それどころか、ヒタヒタヒタと湿った足音を立てて、
 体育館の中を歩き回ったり、突然走り出したりしている。

 おかし過ぎる……これは絶対先生ではない、と思った。

 では、いったい誰?
 生きた人間ではないかも知れないと、怯えてしまった。

 「誰か居ますか……? 先生、ですか?」
 友達が舞台袖から勇気を出して声をかけた。

 その瞬間だった。
 ドタドタドタドタッ!

 物凄い足音を響かせて、私たちが隠れている方へ走ってきた。
 見つかった! どうしよう、と覚悟した。

 足音は階段の下まで来ると、ピタッと止まった。
 それきりもう何も聞こえてこない。

 『それ』は階段の下でじっと気配を殺しているに違いない。
 私たちは怖くて身じろぎも出来なかった。

 どのくらいの時間そうしていたのだろう。
 そっと陰から覗いてみる。

 すっかり暗くなった体育館の中には誰もいない。
 いつもと変りないだだっ広いフロアが広がっているだけだった。

 私たちは逃げるように走って帰ったのだが、後日談がある。

 その日の同じ時間、一人の男の人が亡くなっていた。
 その人は、ずっと小学校の警備をしてくれていた老人だった。
 最後の見回りに来ていたのだろうか……。

                   ・投稿:皇さん(女性)

 《雲谷斎のイッチョ噛み》
 やかましい足音立ててたちゅうことは、そのユ~レイ
 足あるんや。ドタッとこけよったらオモロイけど。

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           逢魔怪談
    ~~~~~ 「ドリブル」 ~~~~~

 私が小学六年生のときの奇妙な想い出。

 ある日の放課後、少し体育館で遊んで帰った。
 下校途中、体育館に荷物を置き忘れたことに気づく。

 先生に叱られるかも知れないので、友達のYちゃんに
 ついて行ってもらった。

 体育館に入ってみると、地域のスポーツ少年団のバスケ部が
 練習をしていた。
 私の忘れ物はそのまま体育館の隅に置かれていた。

 私たちはそっと体育館の中に入った。
 バスケ部のメンバーは、一人ずつボールを持ってドリブル
 練習をしていた。

 それを見ていた私は(あれっ?)と思うことがあった。
 みんなは懸命にドリブル練習をしている。
 その中でひとつ。

 誰も使っていないボールが、同じように勝手に跳ねていた。

 私は冷たい汗をかきながらそれを見詰めていた。
 「早く荷物取ってきなよ」
 隣でYちゃんが私をせかせる。

 「ねぇ、あそこ、勝手にボールが跳ねてない?」
 私は不思議だったので、Yちゃんに同意を求めた。

 言われたYちゃんはしばらく体育館を眺めていたが、
 「何にもないじゃん。バスケ部の人はドリブルしてるけど」
 とあきれたように返事をするだけ。

 どうやら勝手に跳ねるボールは、私にしか見えないようだった。

                ・投稿 ももままさん(女性)

 《雲谷斎のイッチョ噛み》
 勝手に跳ねるボールですか……。ミズノの新製品やろか?
 AI搭載のボール型ドローンやったらスゴイけどなぁ。

 もっと怖い、もっと不思議な話、ありますよ。
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【読者便りー3.20号】

 cafe逢魔「脱マスク放送」、楽しく聴かせていただきました。
 今回は前半がゲストさんの臨床検査技師としてのお話、
 後半が怪談とメリハリがあってよかったです。
 いらっしゃる方にもよりますけど、こういう構成も
 ええんちゃいます?

 「届いたメルマガ」
 座敷わらしならぬ、座敷じじいですかねえ?

 「最後のメルマガ」
 たまにお聞きしますねえ、逢魔が時物語関連の怪異。。。

               <maoさん 女性・東京都>

 「そうですね、今回のcafe逢魔はメリハリ出ましたね」雲

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 WBCがめでたく終わって、日本国中大満足ちゅうやろか。
 立役者は紛れもなく大谷選手。彼を悪く言うやつは誰もおらん。
 技術はバツグン、性格はええ、皆から愛されるとなればこれぞ
 トップスターやがな。リスペクトされ、すでに生ける伝説にな
 りつつある。怪談界にそんなキャラおるじゃろか……?

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