死なせてしまった夜に。怪談・逢魔が時物語「猫の遺恨」
伯父が子供だった頃、近所に野良猫が何匹かいた。
その猫を捕まえて、放り投げて遊んでいた。
猫は落ちるとき、くるっと身を翻して着地する。
それが面白くて、何度もやっていた。
ところが高く放り投げたせいか、着地に失敗して
死んでしまう。
子供心にも悪いことをしたと思い、怖くなった。
死んだ猫をそのままにして家に帰った。
すると、その夜からである。
寝ていると、
恨むような猫の鳴き声が聞こえる。
それは何日も続いた。
一人で寝るのが怖くなり、祖母の隣で寝た。
すると、祖母にも異様な猫の泣き声が聞こえる
ようになった。
祖母は、孫が野良猫を捕まえて遊んでいたことを
知っている。
もしやと思った祖母は、問い詰めた。
「あんた、何した? ヘンな猫の声が聞こえるで」
事の次第を知った祖母は、翌朝その猫をきちんと
埋めてやった。
そして、孫に魚の一尾でも供えてやるように言った。
その通りにして、こころから手を合わせると、
猫の鳴き声はもう聞こえなくなった。
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投稿 雨やどりさん(女性)