目は二つの穴だった。怪談・逢魔が時物語「浮遊」
小学三年生の時のこと。
いつもぐっすり眠る私なのに、ふと夜中に目が
覚めてしまった。
何か気配のようなものを感じたので、壁の方を見た。
すると、天井に届くかと思えるほどの縦長の白い
ものが……。
えっと思ってよく見ると、それは白い人影だった。
混ざり合ってはいるが二体いた。
一体はすっと立っており、
もう一体は座っているような感じ。
煙をぎゅっと凝縮したような
真っ白な塊りである。
怖かったのは、顔の目にあたる部分だけ
穴が空いていること。
目玉はなく、ぼこっと二つの穴が空いている。
私は怖くて目をそらし、真上の天井を見た。
すると、今度はその二体が浮遊しているではないか。
20センチほどに小さくなり、
天井辺りをフワ~っと飛んでいる。
ついさっきまでは等身大以上の大きさだったのに……。
はっきり記憶に残っているので、夢じゃないのは確か。
天使というには怖すぎるが、何だったのかは
わからない。
※怪談・逢魔が時物語select
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・投稿 mimiさん(女性)