投げたボールペンが・・・。怪談・逢魔が時物語「教室の奇跡」
高校三年のときの不思議な出来事。
進学校だったので、みんな必死で志望校合格に
向けて励んでいた。
いきおい教室の雰囲気は重くなる。
クラスメートのF君は、息苦しさを和ませようした。
休み時間に教壇の前に立ち、先生のモノマネを
始めたのだ。
お世辞にも似ているとは言えなかった。
しかし、みんなF君の心遣いに、しばし愉しい時を
過ごしていた。
「お~い、全然似てないぞ~!」
誰かが満面の笑顔で茶化した。
そして、手に持っていたボールペンの透明の筒を
ポイとF君めがけて投げた。
もちろん、体に当てるつもりなど無い。
しかし、ボールペンの筒はまっすぐF君の顔に
向かって飛んでいった。
あっ! 顔に当たる! 誰もがそう思った。
その瞬間だった。奇跡が起きた。
当たる寸前、ボールペンの筒は、
縦に真っ二つに裂けたのだ。
ミリ単位で、F君の顔の両側を分けるようにかすめる。
それは全員の目の前で起きた。
F君はかすり傷も無く、みんな胸を撫で下ろした。
不思議な出来事を全員が目撃し、呆気にとられた。
しばらく教室は沈黙が支配した。
※怪談★逢魔が時物語select
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■逢魔が時物語note(逢魔が時物語HP代わり)
■怪談「逢魔が時物語」メルマガ(購読無料)
■逢魔が時チャンネル(YouTube動画)
■逢魔が時売店(怪談の本、CD、DVD、電子本)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
投稿 ユーアさん(男性・埼玉県)