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昇降するのが怖い・・・。怪談「逢魔が時物語」2.20号『階段の怪談』

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            ━━ 2024 ━━
        ★ 怪談 逢魔が時物語 ★

             2.20 #4

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       ★ 逢魔が時物語へ、ようこそ ★

 ここは、あの世とこの世の間にあるユラユラとした境界です。
 今宵も、ゾッとする怖い話、不思議な話をお届けしましょう。

 では、2.20号は『階段の怪談』です。

               逢魔プロジェクト主宰・雲谷斎

ーー 目 次 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ■oma-kwaidan『階段の怪談』
     ・逢魔怪談「上がり下り」
     ・逢魔怪談「危険な階段」

 ■Information
     イベント 出版物 逢魔が時チャンネル 売店

 ■oma-column
     ・てんこ盛りのイベントになった

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  怪談イベント+魔界ウォーク。京都で一日遊びません?

 ■cafe逢魔「怪談トークライブ+魔界ウォーク」
  4月7日(日)京都/ゲスト 宇津呂鹿太郎さん
  https://note.com/omaproject/n/ndd1d97f9a8c9
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            逢魔怪談
    ~~~~~ 「上がり下り」 ~~~~~

 ある年の八月上旬、私と母が家にいたときのこと。
 めちゃ気持ち悪いことがあった。

 その日、私は二階の自分の部屋でのんびりしていた。
 特に何をするでもなく、ぼんやりと過ごしていた。

 すると、タンタンタンタンタン。
 誰かが階段を上ってくるような音が聞こえた。

 母は階下にいたので、てっきり母だろうと思った。
 何か用なのか、足音は私の部屋のドアの前まで来る。

 ところが、それっきり足音はパタともしない。

 ドアもノックされることがない。
 母はドアの前で何をしてる……ヘンだなと思った。

 寝転がっていた体を起こし、ドアを開けた。
 廊下には誰もいない。
 シーンと静まりかえっている。

 私は少し怖くなった。
 はっきりと聞こえた階段を上がってくる足音。
 それが消え、足音の主もいない。今のは何だったのか。

 なんだかじっとしておられず、階下へ下りていった。
 茶の間で母がテレビを見ている。
 ということは、さっき上がって来たのは母ではないのか。

 「ねえ、さっき二階に上がって来なかった?」
 「上がってないわよ。それより、あんたが降りてきたん
 じゃなかったの? さっき階段辺りで足音がしたんだけど」

 まったく逆のことを問い質された。
 その後、怖くなって二人とも声が出せなかった。

 
                  ・投稿:yumi3(女性)

 《雲谷斎のイッチョ噛み》

 「本人でもないし、お母さんでもない……。
  階段お化けっちゅうやつですねぇ。住み込みユ~レイや」

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             逢魔怪談
     ~~~~~ 「危険な階段」 ~~~~~

 うちの家が木造二階建てだった頃の話。

 両親はこの家の一階で料理屋を営んでいた。
 玄関を入ったスペースは、カウンターや調理場が設えてある。

 お客からは見えない一階のいちばん奥が家族の部屋。
 台所と食卓、仏壇、テレビ、箪笥などが置いてある。

 店と家族の部屋との間に細い廊下と奥に階段がある。
 そして、その階段で怖い体験をした。

 階段も黒く塗った木製で、二階へはけっこう急な斜度だった。
 なぜか段数も少ないうえ、幅が狭かった。
 小さい子供では、段差があり過ぎて上り下りできない。

 おまけに手すりもない危険な階段だったが、
 小学校高学年になって、やっと上がり下り出来るようになった。

 そんなある夜のこと。
 妹は食卓の部屋でテレビを見ていた。
 両親は店に出て、お客を忙しく接待していた。

 自分は二階へ上がろうと、廊下の奥の階段へ向かった。
 いつものように大きく足を伸ばして階段を上る。
 ちょうど半分ぐらい上ったときだった。

 上に思い切り伸ばした足を、ぎゅっと誰かが掴んだのだ。

 しかも、ぐいっと下に引っ張る。
 とっさに手で横の壁を支えたから大事はなかった。
 すぐ後ろを振り返るが、おかしなことに誰もいなてい。

 初めはてっきり妹のいたずらかと思った。
 しかし、座敷越しの妹はずっとテレビ見ている。

 力強く引っ張られたので、気のせいのはずがない。
 二階へ上がって冷静になっても、さっぱり訳がわからなかった。

 階段に『何か』が巣食っているのだろうか。

                 ・投稿:H・Tさん(男性)

 《雲谷斎のイッチョ噛み》 

 「これもまた階段お化けのせいですかね。
  古い家の階段にはいてるんですよ、知らんけど」

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 春らんまんの日、桜の京都でゆっくりと一日遊びませんか?
 cafe逢魔を冠にした『怪談トークライブ+魔界ウォーク』
 というダブルイベントです。怪談には宇津呂鹿太郎さんが
 来てくれます。逢魔のイベント再開記念というノリですね。
 どこにもない逢魔らしい面白いイベントになるはずです。

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